タイムリープ映画の屈指の名作『バタフライ・エフェクト』(2004年)
かなり好きな映画なので、レビューを残してみます(2009年視聴、2010年のレビューを改変)。
バタフライ効果(butterfly effect)・・・力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象
愛する人が自分のせいで不幸になってしまったら・・・自分はその人のために何ができるだろうか。
主人公は、タイムリープ能力を使って、彼女を救うことを試みます。
しかし、そもそも「なかったことにしよう」ということに無理があるともいえます。一つの悪を消しても、また別の悪が現れる。何度も何度も試みても、必ず誰かが不幸になるのです。
それどころか、状況はむしろどんどん悪くなっていきます。
そしてついに、主人公の下した決断とは・・・
ラストが本当に切なくて・・・・
いくつか矛盾点はあるものの、よくできた映画です。
ネタバレ的1分で読めるあらすじ
ここからはネタバレで、1分で読めるようにまとめた。
20歳の大学生・エヴァン(演:アシュトン・カッチャー)は、子どもの頃からときどき記憶を失うことがあり、7歳のときから医師の指導で毎日の行動を日記に書きとめるようになっていた。
彼は、その日記を読むと、その時点にタイム・リープしてしまう特異能力の持ち主として描かれる。そして、その能力は彼の父も持っていて、父はそれ故に精神病院に入院していた。
世の中にタイム・リープ映画は数多く存在するが、この作品が「名作」と呼ばれる所以は、設定とラストの秀悦さにある。ほとんどのタイム・リープ映画は現状をよくするために何度も過去に戻り、少しずつ現状は改善されていく。
しかし、この映画は、主人公が問題のあった過去に戻り、その問題を解消したはずなのに、現在に戻ると、必ず現状は悪くなっている。そして、最終的に主人公が選んだのが「愛する女性と出会わなかった」過去だった。
なぜ彼はタイム・リープするのか
そもそも、彼が何度もタイム・ループするのは、幼馴染で彼の愛するケイリー(演:エイミー・スマート)を救うため。小児性愛者の父・ジョージ(演:エリック・ストルツ)から虐待を受けていたケイリーは、20歳の時点で「とても不幸そう」だった。さらに、主人公がある質問をすると、彼女はショックを受けてそのまま自殺してしまうのだ。
エヴァンの記憶が飛んだのは7歳のとき
①ジョージにより地下膣で裸にされていたケイリ―とエヴァン
②包丁を持ってキッチンに立っていたエヴァン
③父親と会い、襲われるエヴァン
④ジョージ所有のダイナマイトを、幼馴染でいじめられっ子のレニーによその郵便受けに仕掛けさせた
⑤ケイリーの兄で乱暴者のトミーが廃品置場でエヴァンの飼い犬のクロケットを麻袋に積めて燃やす
そこで過去①に戻り、彼女の父親の虐待を辞めさせた。新しい現在では、エヴァンとケイリーは幸福なカップルとなっていて、彼は彼女にプロポーズする。しかし、妹の分も父親から虐待を受けていた兄のトミー(演:ウィリアム・リー・スコット)に襲われるエヴァン。彼はトミーを殺害。刑務所に収監されてしまう。
刑務所では、ホモの囚人に狙われて襲われるが、過去に戻り同室の囚人を味方につけて事なきを得る。その後、さらに別の過去⑤に戻るが、エヴァンの誤った指示のせいで、レニー(演:エルデン・ヘンソン)はトミーを撃ち殺してしまう。
現在に戻ると、レニーは精神病院で体を拘束され、エヴァンに恨みを抱いていた。③の父親に会うと、父親はエヴァンのしていることの危険を警告する。エヴァンが父の警告を受け入れなかったために父は彼を殺そうとしたのだ。
そして兄トミーを失ったケイリーは場末のストリッパーに身を落としていた。エヴァンが今までの経緯を話すと、ケイリーは「過去が変えられるなら、④のダイナマイトを止めて、爆発の巻き添えになった母親と赤ん坊を助けて欲しいと言い残して立ち去る。
④に戻って郵便受けを開けようとする母子を救うエヴァン。現在に戻ると、彼は爆発で両腕を失い、車いすの障がい者になっていた。レニーとケイリーは幸せな大学生のカップル、トミーは改心して、3人とも順調な人生を送っていた。
エヴァンの不幸を苦にした母のアンドレア(演:メローラ・ウォルターズ)は末期の肺ガンにかかってしまう。母を救うために彼はもう一度だけタイム・リープする。
④に戻り、ジョージのダイナマイトを処分しようとするが、誤ってケイリーを爆死させてしまう。現在に戻ると彼は精神病院で拘束されていた。主治医に日記を求めても、そんなものはもともとなく、エヴァンの妄想だという。父もありもしないアルバムをアルバムを探していたと聞く。
そこでアンドレアに子どもの頃のムービーを持ってきてもらって、ケイリーとの出会いの場面にタイム・リープする。ケイリーの両親が離婚したとき、彼女はエヴァンと離れたくないために父親を選んだと聞いていたからだ。
微笑む彼女をエヴァンは「あっちへ行け」と冷たく突き放す。彼の予想通り、彼女は母親とトミーとともに街を去っていった。大学生になったとき、レニーはケイリーのことをすっかり忘れていた。「もう大丈夫」とエヴァンは日記や写真などの過去につながるもの(タイム・リープのタネになるもの)をすべて燃やしてしまう。
8年後、28歳となったエヴァンは医者となり順調な人生を送っている。雑踏の中で美しく成長したケイリーとすれ違うが、声をかけないまますれ違う。
誰よりも愛する彼女を救うため、彼は彼女と関わらない人生を選んだのだ。
結末には4通りのバージョン
ところで、この映画、何度も人生を生きなおす主人公と同じく
結末にも4通りのバージョンが存在するそうです。

劇場版を含めた3バージョンは、ラストシーンのみが異なります。
ネタバレ注意!
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①劇場オリジナル版・・・まちですれ違った2人。彼は彼女に気づくが、彼女は彼に気づかないまま別れる
②Happy Ending
彼が彼女に話しかけ、彼女もいい感触。今後いい感じになりそう。
③Another Ending
劇場公開版①とは異なり、彼が最後彼女を追うところで終了。
これよりは、劇場公開版①のほうがいいなぁ。
④衝撃的な結末(ディレクターズカット)
彼は母アンドレアの胎内に戻り、へその緒で自分の首を絞めて死ぬ。その後アンドレアの再婚と出産、彼女の幸せな結婚などが流れて終了。
④は途中も①~③までとは異なるエピソードが追加されています。
バタフライ・エフェクト
The Butterfly Effect
監督・脚本 エリック・ブレス
J・マッキー・グラバー
製作 クリス・ベンダー
A・J・ディックス 他
製作総指揮 トビー・エメリッヒ
リチャード・ブレナー
アシュトン・カッチャー 他
出演者
アシュトン・カッチャー(エヴァン)
エイミー・スマート(ケイリー)
ウィリアム・リー・スコット(トミー)
エルデン・ヘンソン(レニー)
メローラ・ウォルターズ(アンドレア)
エリック・ストルツ(ジョージ)
音楽 マイケル・サビー
撮影 マシュー・F・レオネッティ
編集 ピーター・アマンドソン
配給 ニュー・ライン・シネマ
アートポート
公開 2004年1月23日(米)
2005年5月14日(日)
上映時間 114分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $13,000,000
興行収入 $57,940,000
$96,060,858 (全世界)
次作 バタフライ・エフェクト2
