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大失敗に終わったSF映画[4選]|⑥

こんばんは ぷらねったです
個性的で見ごたえのある内容ながらも 一般受けせず 大失敗に終わったSF映画たち
今回は「大失敗に終わったSF映画」というテーマの第6弾として そんなSF映画を紹介していきます

1.ヴォイジャー (2021年)

監督は ニール・バーガー
製作費は 推定1億ドルから2900万ドル
それに対する興行収入は 400万ドル
宇宙船を舞台に描かれる アメリカ・イギリス・チェコ・ルーマニア合作のSFスリラー映画です
広告費などを除いた単純計算で 低く見積もっても2500万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

舞台は近未来
地球温暖化に伴う干ばつや食糧難などによって 滅亡の危機を迎えた地球では 科学者たちが移住可能な惑星を探していました
迎えた2063年 移住できる条件に見合った惑星が発見されたため そこへ探査隊を送ることになります
探査隊のメンバーに選ばれたのは 遺伝子工学を駆使して生みだされた30人の子どもたちと 彼らの教官として選ばれた唯一の大人であるリチャードでした
しかし 86年間を予定されている宇宙の旅がようやく10年経過したところで 成長したクリストファーとザックは 毎日飲んでいる薬によって自分たちの欲望が制御されていると気づく...というストーリーです

製作費は 2900万ドル
「ダイバージェント」などで知られるニール・バーガー監督によって映画化され コリン・ファレルも出演しています
1954年の小説「蠅の王」を未来的に描いた 翻案的な作品だと考えられています

作中では主に 移住可能な惑星へ向けた 86年をかけた宇宙の旅の途中が描かれます
船内には 人間がもつ欲求や衝動を抑えるための"ブルー"と呼ばれる飲料が存在し これが物語の大きなポイントになっています
宇宙船の乗務員は まるで教師のような役目を担う管理役の大人1名と それ以外の子ども30名...この設定が生み出す 人間の本能を描いたような物語はとても魅力的です
宇宙船という閉鎖的な環境で生きる子どもたちと それを引率する大人1名は 学校の縮図のようでもあります

また ほぼ全編が宇宙船のシーンですが セットデザインもチープさを感じさせず SF的雰囲気をしっかりと醸し出しています
コロナウイルスの影響で 作品の完成当時は劇場公開の延期もあったそうで 興行的には失敗してしまいましたが なかなかの見ごたえある映画です

同じく宇宙船内のハプニングを描いたダークな映画「アニアーラ」にも通じる内容になっている 本作品
人間の本能や愚かさ そして可能性を描く 傑作SF映画となっています


2.2999年異性への旅 (2000年)

監督は マイク・ニコルズ
製作費は 推定5600万ドル
それに対する興行収入は 約1400万ドル
物議を醸すような邦題を付けられた アメリカのSFコメディ映画です
広告費などを除いた単純計算でも 4200万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

宇宙の彼方に 高度に進化した技術をもち 男性だけが暮らす惑星がありました
彼らは感情を持たないにも関わらず 野心と征服欲が非常に高く クローンによる増殖で個体数を増やしており 生殖器官は退化して消滅していました
そこで生きるひとりの男は 上役から『地球で女性を見つけて妊娠させ その子供を惑星へ連れてくる』ということを命じられます
彼はハロルド・アンダーソンという人物設定で地球へ到着し アリゾナ州フェニックスにたどり着き 銀行員として暮らすことにしました
そして女好きの同僚を頼りに 自分に課された使命を果たそうとウロウロする...というストーリーです

本作品では「イルカの日」などで知られる マイク・ニコルズが監督をつとめました
「キャプテン・マーベル」などのアネット・ベニングが出演しています
原題は「What Planet Are You From?」であり これは「どこの星から来たの?」という直訳の他に「何考えてるの?」と茶化す際にも使える言葉だそうです
日本ではかなり卑猥な邦題を付けられてしまっているので タイトルからしていやらしい内容ばかりかと思いきや 中身は意外にしっかりコメディ映画として成立している内容です

作中では 地球について誤った知識を学んできてしまった宇宙人が起こす さまざまなトラブルが描かれます
主人公の宇宙人ハロルドは とにかく地球の女性を誘いまくって子どもを作ろうとしますが 彼の知識はかなり偏っている上に 興奮すると下半身から機械音を発してしまう特徴をもつため 託された重要ミッションはなかなかうまくいかないのです
意外に素敵なラストも待っていて 心あたたまる内容です

そんな本作品ですが 元々は「ビルとテッドの大冒険」のエド・ソロモンらが書いた草稿が基になった脚本だそうで それを主演のギャリー・シャンドリング含めた数名で書き直したといいます
マイク・ニコルズのギャラは800万ドルだったとも言われていますが 彼はこの映画が多くの人から最低だと見なされたため 監督をつとめたことを後悔しているそうです
また 撮影中には主演のギャリー・シャンドリングの演技に対して不満をもち 険悪な関係になったといいます

それはさておき...多額の製作費がどこに掛けられたのか分からない 本作品
なかなか楽しめる部分もある SFコメディ映画になっています


3.KIN/キン (2018年)

監督は ジョシュ・ベイカー, ジョナサン・ベイカー
製作費は 3000万ドル
それに対する興行収入は 約1000万ドル
未来の技術を用いた銃をめぐる アメリカのSF映画です
広告費などを除いた単純計算でも 2000万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

舞台はアメリカ デトロイト
主人公の少年イーライは 厳格な養父のハルと共に生活していました
ある日 刑務所から兄のジミーが出所することになり イーライは再び家族一緒に暮らせることを喜びますが ジミーはギャングのリーダーであるテイラーから借りた大金の返済を迫られてしまいます
そんな中 廃虚で見慣れない金属でできたケースを見つけたイーライは それが未知のテクノロジーで作られている武器であることを知りますが この武器の発見後 大きなトラブルへと巻き込まれていくことに...というストーリーです

製作費は 3000万ドル
兄弟でもある2名の監督が 2014年に発表した短編映画「Bag Man」を長編映画化した作品です
主演のマイルズ・トゥルイットにとって 俳優デビュー作にもなりました
製作には「リアル・スティール」など多くの作品に携わる ショーン・レヴィがクレジットされています
原作の短編映画は 現在YoutubeのDUSTというチャンネルでも観られます

作中では 謎の技術によって製造されたハイテク銃と とある家族にまつわる物語が描かれます
血の繋がっていない兄弟が中心人物として描かれ ショーン・レヴィの得意とする 少年の成長物語的な内容になっています
終盤では 続編映画が作れそうなほど大きな展開 いわゆるどんでん返し的なシーンがあるのですが 現時点で続編は製作されていません
この点については「テレビシリーズの第一話であればうまく行っていた」という 皮肉めいた評価も一部でされています
また 音楽を担当したのは スコットランドのポストロックバンド モグワイです

ひとつの見どころとしては 悪役を演じるジェームズ・フランコがかなりいい味を出しています
彼は「猿の惑星: 創世記」などにも出演しており ハリウッドのスター街道を順調に歩んでいた中で 大きなスキャンダルを起こしてしまいました
自身の設立した演劇学校の複数の女性生徒からセクハラ訴訟を受け 現在は残念ながら映画界を半分追放されたような状態となっていて 非常にもったいないところです

そんな本作品ですが SF要素はほとんど最序盤と終盤のみとなっており 肝心の中身の多くはヒューマンドラマといった内容になっているのが 少々もったいないところです
とはいえ 映画としておもしろい部分もあると個人的には思うので 気になる方は観てみてください


4.レポゼッション・メン (2010年)

監督は ミゲル・サポチニク
製作費は 3200万ドル
それに対する興行収入は 約1800万ドル
人口臓器回収人をテーマに描かれる アメリカ・カナダ合作のSFアクション映画です
広告費などを除いた単純計算でも 1400万ドルほどの損失を生みだしてしまいました

舞台は近未来
巨大企業ユニオン社が開発した人工臓器によって 人類はかつてないほど長生きできる術を手に入れていました
しかし それら人工臓器はおそろしいほど高額で ローンの返済が滞ると ユニオン社の人工臓器回収人である通称"レポメン"が 臓器の取り立てにやってきます
そんな中 合法的な殺し屋とも言えるレポメンのレミーは ある日の仕事中に重傷を負い それをきっかけに仲間たちから追われる羽目になる...というストーリーです

本作品は エリック・ガルシアによる原作小説「The Repossession Mambo」を元に映画化されました ※日本では「レポメン」のタイトル
この原作小説について 映画製作開始当時はまだ未完成の状態であり 脚本の構想と同時進行で執筆され 映画公開より前に出版されたという経緯があります
「ガタカ」や「イグジステンズ」などで知られるジュード・ロウ主演ですが 当初はレオナルド・ディカプリオが主演予定でしたが 降板したという噂もあります

作中では 高額な人工臓器と その取り立てを行なう回収人"レポゼッション・メン"にまつわる物語が描かれます
この人工臓器は 映画内で60万ドルほどで見積もりがされており 一般市民にとって ローンでの購入ありきの高額商品となっています
個人的には この皮肉っぽい近未来設定は魅力に感じます
ワクワクする序盤の展開に加え シュールなコメディ的演出もあって楽しめる内容なのですが 中盤の停滞感がもったいないところです

なお 本作品は 1984年のアレックス・コックス監督による傑作SF映画「レポマン」とは別作品なので ご注意ください
アレックス・コックスのほうも 2009年に「Repo Chick」という類似した内容の映画も公開していますが これについてはまた別で特集させていただきます

また2008年には「REPO! レポ」という映画が存在しており あまりにも本作品と設定が似ているのですが 互いに盗作の訴訟などには至っていないようです
この「REPO! レポ」では どういう経緯なのか X JAPANのYOSHIKIが製作,音楽にクレジットされています
話が大きく逸れましたが...「未来世紀ブラジル」を思わせるダークなラストをむかえる本作品
気になる方は ぜひ観てみてください


あとがき

今回は「大失敗に終わったSF映画」というテーマのSF映画紹介でした
違ったタイプの4つの映画ですが 気になる作品はありましたでしょうか
興行的には失敗だとしても おもしろい部分のある映画は 少しでも多く見つけていきたいです
大失敗映画に幸あれ...
最後までご覧いただき ありがとうございました

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