アート・建築・テック好き目線でめぐる、大阪・関西万博 #行ってよかった スポット12選
「万博って、どこからめぐったらいいの?」
大阪・関西万博に行く前、SNSを見ながら気になるスポットが多すぎて、楽しみながらも混乱気味に…でも、実際に訪問してみると、「何を大切にするか」で楽しみ方が大きく変わる場所だと実感しました。
わたしが興味を持っているのは、現代アートや建築、テクノロジー。そして、今回の万博では、「ここでしか出会えない体験」を軸に、気になるパビリオンや建築を巡ってきました。
この記事では、アート・建築・テック好きの視点で“行ってよかった!”と感じた12のスポットを、「イチオシポイント」とあわせて紹介します。特に印象的だったものは、別途noteで詳しく書く予定なので、まずは全体像をつかみたい方のガイドとして、参考になれば嬉しいです。(建築家やクリエイターチームもweb情報で確認出来る範囲で記載しています。)
シグネチャーパビリオン
▍null2(落合 陽一)

・URL:https://expo2025.digitalnatureandarts.or.jp/
・建築:豊田啓介(NOIZ)
・クリエイターチーム:アスラテック、WOW、SAFEHOUSE、乃村工藝社、TASKO
●イチオシポイント:昼と夜で印象が変わる“生きているような”パビリオン。インスタレーションモードとダイアログモードで体験が大きく異なり、感覚・認識を揺さぶられる作品構成。まさにここでしか体験できない作品です!
大きな目玉のようなLEDディスプレイに、会場を移し込む鏡面の外観。時々轟音を立てながら建物全体がブルブルと震え、鏡面の変形で風景が建物に吸い込まれしまうようにも錯覚させる…まず、外観から圧倒的なインパクトのパビリオン!
中で体験できるのは、無人の展示室の外からどこまでも続くような映像世界を体験できる「インスタレーションモード」と、展示室に入り、ストーリー仕立てで進行する「ダイアログモード」。さらに「ダイアログモード」の終了後には思いがけない展開も…! 2つとも全く違った体験なので、ぜひ両方とも体験したいです。

このパビリオンが特に印象的だったのは、ビリオンそのものと中の体験を通じて、ひとつの大きな作品になっているところ。1970年万博の「太陽の塔」にも通じるものがあるかもしれません。わたしが観たパビリオンのなかでは、観た後にもっともその「意味」を考え続けてしまうパビリオンでした。(詳細は改めてnoteに書きたいと思います。)

▍いのち動的平衡館(福岡 伸一)

・URL:https://www.expo2025-fukuoka-shin-ichi.jp/
・基本設計:橋本尚樹(NHA | Naoki Hashimoto Architects)、施工:鹿島建設
・クリエイターチーム:Takram、丹青社
●イチオシポイント:柱のない有機的な建築と、LED32万球で描く立体的な映像表現
生物学者・福岡伸一さんプロデュースのパビリオン。「エンブリオ(胚)」をイメージしたという建築は内部に柱がなく、膜を使って複雑な三次元形状の屋根を作り出す、有機的な建築です。構造色プリントで装飾された外観もインパクトがありました。

内部では、Takramによる32万球のLEDを使った、360度どこからでも見られる円形立体シアター。最初は人の動きにあわせてインタラクティブに光が動き、ストーリーが始まると、様々な動物や水の動きが表現されて、モノクロームだけどそれぞれの生き物の様子が活き活きと見えてくる美しい作品です。
国内パビリオン
▍BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャン・ドーム)(特定非営利活動法人ゼリ・ジャパン)

・URL:https://zeri.jp/expo2025/
・パビリオン建築プロデューサー:坂 茂、 施工:大和ハウス工業
・展示プロデューサー:原 研哉
●イチオシポイント:3つのドームでそれぞれに異なる素材の建築と、ここでしか観られない大規模なインスタレーション&映像の表現
建築と展示がそれぞれに面白いパビリオンでした。建築は、坂茂さんによる、竹・CFRP・紙筒というそれぞれの素材でつくられた3つのドーム。外側は時折ミストに覆われ、建築と環境の境界を曖昧にします。

循環をテーマにした「Dome A」では、nomenaによる水を使ったアートピースの展示。超はっ水塗料を使ったコース上を水が流れると、場所によって、「ころころ」「にょろにょろ」「さらさら」と、同じ水なのに質感が変化するように観えます。さらに、ガラス製のししおどしのようなパーツから澄んだ音がオルゴールのように聞こえ、ずっと観ていても見飽きない、心地よい作品です。

続く「Dome B」では、直径約10Mという巨大な球体LEDディスプレイに映し出される海の生態系をテーマにしたフルCG映像の上映。ビジュアルデザインスタジオ・WOWによる映像はとても美しいです。生きものたちが色々な形に変化していったりする動きも気持ちよく、感動…!会場自体は明るいのに、ディスプレイの構造で、漆黒の闇の中から地球や細胞などが立体的に浮かび上がって見えるのも面白いです。フィジカルとデジタルの両面で楽しめるパビリオンでした。

海外パビリオン
▍スペインパビリオン

・URL:https://www.accioncultural.es/en/ExpoSpain2025
・建築:Néstor Montenegro (EXTUDIO)+Enorme Studio+Smart and Green Design
●イチオシポイント:シンボリックな建築と、多様な映像表現。カラフルな展示物のインパクトも◎
まず、エントランスが大階段になった建築がインパクト大!なパビリオン。「海と太陽」を表現しているそうで、階段の上には大きなLEDディスプレイに太陽のような明るい映像が映し出されます。階段をのぼって2Fから入館。

館内では映像を中心に「黒潮」をテーマとした歴史と科学技術にまつわる展示が行われていました。球体ディスプレイ、巨大なLEDディスプレイ、プロジェクション、中小型の複数の液晶ディスプレイ、空中に浮いて見えるファン型ディスプレイなど、多様な方式で映像を映し出しているのが印象的でした!
スペインパビリオン;ディスプレイ系の展示会以外だと、だいたいケースに入れられて展示されて、あんまり本領発揮でないファン型のディスプレイ。
— ぷらいまり。 (@plastic_candy) May 2, 2025
ここではむき出しで展示されていたので、しっかり宙に浮いているみたいに見えて楽しかったです。… pic.twitter.com/Dy0CTjZV08
1Fに降りると、「ポストカード」とSNS の「ポスト」をかけあわせて、文化的な魅力を表現。壁一面のポストカードとポップな映像の対比が楽しいです。展示全体を通して、文字(アルファベット&日本語)の使い方と動きも気持ちよく、印象に残ったパビリオンです。



▍バーレーンパビリオン

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/bahrain/
・建築:リナ・ゴットメ
●イチオシポイント:船をモチーフにした、水にうつる様子も美しいパビリオン。展示物に触れたり匂いを嗅いだりといった体験も楽しい。
船をモチーフにした建物で、細い木材と膜を組み合わせるようにしてつくられています、まわりは水盤になっていて、そこに映り込む様子も美しかったです。

館内では、まず現地の方にパビリオンの紹介をいただき、触れたり匂いを嗅いだりする中の体験型の展示が中心。映像展示が多いといわれる今回の万博の中で、五感をつかって体験できる展示は印象に残りました。ところどころでスタッフの方から直接説明を聞いて質問できるのも良かったです。
建築
▍大屋根リング

・URL:https://www.expo2025.or.jp/expo-map-index/main-facilities/grandring/
・基本設計・実施設計・工事監理: 2025年日本国際博覧会 会場デザインプロデューサー 藤本壮介
・基本設計: 東畑・梓設計共同企業体
・実施設計・施工・監理: (北東工区)大林組・大鉄工業・TSUCHIYA共同企業体・株式会社安井建築設計事務所(南東工区)清水・東急・村本・青木あすなろ共同企業体(西工区)竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木共同企業体・株式会社昭和設計
●イチオシポイント:存在感が圧倒的な世界最大の木造建築。眺望、日除け、休憩、美観すべてを兼ね備えたまさに“万博の顔”!
大屋根リングは、実際に観るとやはりすごかったです。まず、会場に入った瞬間に圧倒されるその大きさ…!

一日万博を巡る中で何度も昇りましたが、広い会場を移動したり全体を見渡したりできるのは便利で楽しかったです。また、リングの下は日よけになってベンチがたくさんあったり、リングの上の芝生広場でゆったりと休憩したりといった、憩いのスペースとしての機能も。(リングの上にたくさんの植物があったのもまた印象的でした。)

そして、夜は噴水ショーやプロジェクションマッピングを楽しめる場所にもなっていました。壁がないので、リングの中と外を分断することがないのも良かったです。

何より木造の構造物自体が美しく、実際に観るまでに思っていた以上の多くの機能とインパクト、そして美しさのある建築でした。
▍ファサードに大型ディスプレイを使っていて面白かった海外パビリオン 4つ
ファサードに超大型ディスプレイを使っているパビリオンも複数あったのが印象的でした。トリックアート的に建築の雰囲気を大きく変化させるのも面白いですね。
○トルクメニスタン

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/turkmenistan/
物理的な装飾とデジタルの映像の組み合わせが美しいパビリオン。特に夜はライトアップと組み合わされてインパクト大でした。
○マルタ

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/malta/
・設計:Edwin Mintoff
ファサード全面がディスプレイになったパビリオン。土壁のようになったり、岩肌のようになったり…と、建物の外観が次々姿を変えていく様子が面白いです。
●韓国

とにかくそのディスプレイサイズのインパクトが大!短編のビデオアート作品を次々と上映しており、トリックアート風の映像も楽しめました。
○アメリカ

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/united-states-of-america/
・建築: Trahan Architects
こちらもまた、巨大なディスプレイを使用。遠目に見ると本当に巨大な旗がはためいているようで迫力ありました!
▍建築の外観が面白かった海外パビリオン 5つ
展示に入らずとも、外観だけで楽しめるパビリオンがたくさんありました。
○ポルトガル

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/portugal/
・設計:隈研吾
一見、金属のように見えましたが、なんと多数の「縄」が集合した外観のパビリオン…!風がふくと、建築の外観が揺らぎます。建築の境界を曖昧にするようで印象的なパビリオンでした。
○英国

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/united-great-britain-and-norrn-ireland/
・設計:WOO architects
日中は小さな白いキューブ状のパーツに覆われているようで綺麗だったけれど、夜にライトアップされると内側から国旗の色が見えてきて驚きがありました)
○アゼルバイジャン

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/azerbaijan/
・設計:ベルプラット・パートナー
白く細かい格子が連なる建物がレースみたいで美しいです。
○スイス

・URL:https://vitality.swiss/jp
・設計:Manuel Herz Architekten、ベルプラット・パートナー
半透明の球体が積み上げられたような建物が目を引きました。再利用可能なモジュール式で組み上げられているそうです。
○クウェート

・URL:https://www.expo2025.or.jp/official-participant/kuwait/
・設計:LAVA
▍トイレ・休憩スペース
トイレや休憩スペースは、コンペによって国内の若手建築家によって手掛けられた20の実験的な建築になっています。

印象的だったのは、土を3Dプリントした休憩スペース」(建築:浜田晶則)。セメントは混ぜず、万博閉幕後に土を自然に返すというもの。以前に観た建築系の展覧会の中で3Dプリントを使った建築の手法が紹介されていたけれど、実物を見たのは初めてで、建築物として今までに観たことがない質感が面白かったです。
ショー
▍シャインハットのプロジェクションマッピング

・URL:
EXPO ホール (シャインハット) :https://www.expo2025.or.jp/expo-map-index/main-facilities/expohall/
プロジェクションマッピング:https://www.expo2025.or.jp/future-index/art/projectionmapping/
・基本設計・監修: 伊東豊雄建築設計事務所
・実施設計・施工・監理: 大成建設・昭和設計
●イチオシポイント:美しい伊東豊雄建築と迫力ある映像のコラボレーション。短編の多様な映像作品が次々と楽しめて短時間でも満足感が高いです。
1日2回、19:30~19:50、20:10~20:30で開催されるプロジェクションマッピング。公募作品と招待作品で、30秒〜1分程度の短編の映像が次々と上映されます。

面白かったのは、シャインハットの屋根に反射した映像が、屋根の構造のためか、そのまま上方にいくほどすぼむように見える様子。屋根を越えてどこまでも映像が続いていくように見え、よりダイナミックな映像として楽しめました。(※伊東豊雄さんのインタビューなどを読むと、ここでプロジェクションマッピングを行うというのは後からの要望として加わって、建築の色も変更したそうですが…)

広域で観られるから、大屋根リングの上からも、下のベンチに座ってゆったりも観られるのも良かったです。
アート・デザイン
▍”こみゃく”サイン・アート

●イチオシポイント:全体の統一感と個性が両立する、画期的なデザインシステム!サインや案内表示に、さまざまなアーティストによるグラフィティなど、デザインとしてもアートとしても楽しめます。
今回の万博で最も印象的だったもののひとつが、クリエイティブディレクター 引地 耕太さん(1→10)によるデザインシステムです。そのかわいらしさで話題の「こみゃく」。万博のシンボルとしてポスターや映像に登場し、会場では案内サインのデザインとして使われたり、パブリックアートのように会場中どこを観ても、様々にかたちを変えたこみゃくがたくさんいるも可愛かったです。

さらに会場内には、さまざまなアーティストやイラストレーターによるグラフィティも。色やかたちを大きく変えても、全部「こみゃく」だ!と認識できるのもすごいですね。

ロゴマーク、キャラクター、そしてデザインシステムと、それぞれに別のクリエイターによるデザインながらも、全く違和感なく繋がって、会場の一体感があるのも、魅力的でした!

▍パブリックアート

●イチオシポイント:パビリオン巡りの合間に楽しめる、国内外の現代アーティストによる多彩な作品。
「アート万博」としての企画に加え、「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」の企画などで、会場内には複数の作品が展示されていました。

「静けさの森アートプロジェクト」では、レアンドロ・エルリッヒ、ピエール・ユイグ、トマス・サラセーノらの作品も。わたしは今回はあまり意識しては巡らなかったけれど、会場を歩いている中で、名和晃平さん、檜皮一彦さん、森万里子さんらの作品が観られました。

オーストリアパビリオンの近くにある屋外のLEDディスプレイのジュリアン・オピー作品は特に夜にインパクトがあって良かったです。
まとめ
以上、アート・建築・テック好き目線でめぐった、大阪・関西万博 #行って良かった スポットをまとめました。
待機列が長すぎて断念したパビリオンや、抽選が当たらなくて入れなかったパビリオンもあるので、他にも見るべきパビリオンもあるので、あくまで巡れた範囲でですが、どれもオススメのスポットです。

今回の万博は、行こうと決めた瞬間に「どこに行こうか?」と、自分でも意外なほどに楽しみにがふくらんでいきました。それは、実際に行った方々がSNSでその様子を情報発信してくれていることに加え、クリエイターの方々がSNSなどを通じて、その意義やテーマについて情報発信をしてくれていることがとても大きいように感じています。
2025年10月13日までの万博。ここでしかできない体験をしに、気になるパビリオンがひとつでもあれば、ぜひ会場へ行ってみてください。
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