”世界最速の彫刻”も”もふもふ”な彫刻も。個性豊かな「SHIP'S CAT」たちに会いに「ヤノベケンジ SHIP'S CAT展」へ。
2023年3月29日(水)〜4月3日(月)に、阪急うめだギャラリーで「ヤノベケンジ SHIP'S CAT展」が開催されました。
6日間だけの展覧会は、無料ながらも、見応えのある作品が多数出品され、全作品撮影もOK。会期は終了してしまいましたが、本当に「大阪まで見に行って良かった!」という展覧会だったので、この展覧会の様子をご紹介します。
▍個性豊かな「SHIP'S CAT」たちにご挨拶
展覧会のタイトルにもなっている「SHIP’S CAT(シップス・キャット)」は、大航海時代にネズミから貨物を守り、時に船員の心を癒す友として世界を旅した “船乗り猫”をヒントに、混迷する世界で人々を導き守るシンボルとして制作された作品です。

今回の展覧会では、様々な素材・サイズの「SHIP'S CAT」たちが出迎えてくれました。

”世界最速の彫刻”をコンセプトとした、実際に公道を走る立体作品!
動画で拝見したことはあったものの、複雑な曲線の形状と、朱色と金属パーツを組み合わせたボディを様々な角度から見られ、やはり実物で見られて良かった…と思う作品です。

そして、もうひとつ、生で拝見したかったのがこちらの作品。

こちらも流線型の美しい、金属とFRPでできた宇宙服に、もふもふの尻尾の素材の質感のコントラストも楽しい作品です。


また、少し雰囲気の違う、「和」のテイストのSHIP'S CATたちも。

こちらは、先ほどの作品と比べると小ぶりながらも、赤黒の漆に蒔絵も施された、美しい子です。
このSHIP'S CATたちは、全国、そして、海外も含めてさまざまな場所で展示されています。旅するネコさんですね。

また、少し毛色の異なるこんな立体作品も。

海洋堂とコラボして制作された作品は、なんとブロンズ製。隣に、元になった絵も展示されていますが、毛並みの様子など、細部まで美しい彫刻です。

▍これまでの巨大彫刻の軌跡を巡る
ヤノベケンジさんの巨大な作品は、様々な場所にパブリックアートとしても展示されていますが、今回はこれらの彫刻作品の模型やアーカイブ資料も展示されていました。

阪神淡路大震災から20年の節目に制作された《サン・シスター》&東日本大震災からの復興・再生の願いを込めて制作された《サン・チャイルド》も。

また、出口付近には、1990年代後半の《アトムスーツ》に関するドローイングも展示されていました。

こうして時代を遡ってみていくと、見た目には親しみやすい柔らかい雰囲気に変化していっているようにも見えつつ、そこに込められている社会的メッセージや、テーマのつながりが見えてくるようです。

▍絵本の原画も一同に展示
会場では過去の絵本、《トらやんの大冒険》と《トらやんの世界 ラッキードラゴンのおはなし》の原画も展示されていました。

そして、今回は、2023年2月に発売されたばかりの絵本《SPACE SHIP’S CAT Zitto & Gatito(スペースシップス・キャット ズィットとガティート)》についての展示も。レゲエミュージシャンの三木道三さんとの共著で、その発売を記念したトークイベント&サイン会も開催されました。

三木道三さんによる、全編オノマトペを使った韻を踏んだ文章でつくられた物語に、ヤノベケンジさんの作品のキャラクターのイラストがつけられた、前編カラーの絵本です。
今回のストーリーは、「どこかに行って帰ってくる」という絵本の王道の流れに、子どもたちが初対面でもすぐに打ち解けて遊ぶ様子を組み合わせて作られたそう。
トークでは、物語の変更によって使われなかった幻のイラストの披露や、ヤノベケンジさんと三木道三さんによる生歌も。終始楽しい雰囲気の1時間でした。
会場の中には、この絵本の場面をモチーフにしたフォトスポットも。


サイン会では、ヤノベケンジさんが好きな作品の絵も描いてくれるとのことで、《ジャイアント・トらやん》を描いていただきました。

「カワイイ!」「カッコイイ!」「大きい!」と小学生並みの語彙力になってしまうくらい一見して素敵で個性豊かな「SHIP'S CAT」たちを堪能しつつ、過去の作品の流れにも触れられて。たった6日間だけという会期なのがもったいない、そして無料で見られるのが驚きの、とても豪華な展覧会でした。

この展覧会とあわせて関西のヤノベケンジさんの作品めぐりもしたので、その話はまた改めて。
【開催概要】
ヤノベケンジ SHIP'S CAT展
URL:https://website.hankyu-dept.co.jp/honten/h/gallery_yanobekenji/
会期:2023年3月29日(水)〜4月3日(月)
会場:阪急うめだギャラリー
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