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そもそもマイクロプラスチックって本当に危険? 「人間は毎週クレジットカード1枚分のプラスチックを食べている」説、実は〇〇だった!

🐏本記事のめちゃくちゃ簡単なまとめ🐏

  • 「人間は毎週クレジットカード1枚分のプラスチックを食べている」という有名な話、最新の科学では「言い過ぎだったかも」と否定されつつあります。

  • 「人体からプラスチックが発見!」というニュース、「実は分析中に混入したゴミが原因かも」という可能性も指摘されています。

  • WHO(世界保健機関)も、少なくとも2019年の時点では「マイクロ/ナノプラスチックが直ちに健康に害があるとは言えない」という冷静な見解を出しています。

1.   はじめに:プラスチック・パニックって実在するの?

 こんにちは‼️
 プラスチック大好き、羊の錬金術師『ぷらめる』(@planel_poly)です🐏

メェ…… そういえば、最近恐れられているマイクロプラスチック、そもそもどうしてこんなに怖がられてるんだメェ…❓❓

 というわけで、本日はいつもと趣向を変えて、逆張り根性むき出し👊の記事をお送りします。

 テレビやSNSを見ていると「マイクロプラスチック(MP)」や「ナノプラスチック(NP)」の話題をよく目にします。

環境へ流出したプラスチックは徐々に粉砕され、小さな粒子(マイクロプラスチックやナノプラスチック)になる。


 最近では、 「人間の血液中からプラスチックが検出された」「脳内へプラスチックが侵入している」なんていうセンセーショナルなニュースもたびたび報道されます。

 かつては、世界自然保護基金(WWF)によって「人間は一週間にクレジットカード一枚分のマイクロプラスチックを食べている」というキャッチフレーズを掲げた自然保護キャンペーンも行われました。

 このような状況では「私の体も、いつかプラスチックだらけになっちゃうの?」と、ニンゲンの皆さんが心配になってしまうのも無理はありません。
 目に見えないプラスチックによってニンゲンたちの体が蝕まれているかのようなこの現状を「プラスチック・パニック」とも呼ぶ人もいます。

 でも、ちょっと冷静になってみましょう。そもそも、マイクロ/ナノプラスチック(MNP)って本当に危険なんでしょうか。それが体内から発見されたからといって、どんな実害があるのでしょう。

 科学者というのは、基本的に「疑うこと」が体に染みついた批判的生物です。世間で「マイクロプラスチックは毒だ!」という風潮が強まれば強まるほど、「それって本当なの?」と冷静に調べてみたくなるニンゲンや羊がいます。

 そこで本記事では、最新の論文を紐解きながら、MNPに関する「そもそもそれって本当なの」という疑問について、現時点でわかっている真実をちょっと冷静な視点から解説しようと思います。

現代の『プラスチック・パニック』をちょっと冷静な視点で解説!

2.  『摂取』の問題:崩壊した「クレジットカード1枚分」神話

A study finds that people could be ingesting 5 grams of plastic, equivalent to the weight of a credit a card, weekly.
"人間は毎週、クレジットカード1枚分(約5g)のプラスチックを摂取している可能性があることが明らかになった。"

https://wwf.org.au/news/2019/revealed-plastic-ingestion-by-people-could-be-equating-to-a-credit-card-a-week/

 2019年、WWFのキャンペーンを通じて広まったセンセーショナルなイメージです。

 このキャンペーンの根拠となった研究は、のちに査読付き論文として発表されました(Senathirajah, S. et al., Journal of Hazardous Materials, 2021)。
 この論文内では、結論として「人間は平均して0.1 gから5 gのプラスチックを摂取している可能性がある」と述べられています。
 この値は、水や食料に含まれるマイクロプラスチックの「個数」を数え、それに「1個あたりの重さ」を掛け合わせることで算出されました。

 しかし、その後の検証で、この計算には不正確な仮定がおかれていたことが指摘されています。それは「マイクロプラスチック1個あたりの重さを、かなり重く見積もっていた」という点です。
 論文内では、実際に見つかった粒子の多くは目に見えないほど小さなものだったのに、計算上ではそれらを比較的大きな球体や太い繊維として扱いました。これでは、実際の重さの数千倍から数万倍も過大評価してしまうことになります。

 より現実的なモデルを使って再計算した研究によると、私たちが実際に摂取している量は「一週間に数マイクログラム程度」ではないかと推定されています (Mohamed Nor, N.H. et al., Environ. Sci. Technol., 2021; Pletz, M. J. Hazard. Mater. 2022)

科学の進歩によって、「プラスチックの摂取量」は徐々に実態に近づきつつある?

3.   『体内侵入』の問題:そのプラスチックは本当に体内から?

 クレジットカードほどの量ではないにせよ、私たちが日々微量のプラスチックを口にしていることは確かなようです。
 ただ、ここで疑問に思うのは「体内に入ってきたプラスチックは、最終的にどうなるのか」です。

 MPはその多くが吸収されずに体外に排出されます。その一方で、MPの中でも特に小さな粒子や、それよりもさらに小さな粒子であるナノプラスチック(NP)については、理論的に体内の組織へ侵入可能なサイズです。NPがどれくらい小さいかというと、呼吸の際に肺から体内へ取り込まれる可能性が指摘されているくらい小さいです(Wright, S. et al. Appl. Spectrosc. 2023)。

 最近では、「人間の体内からNPが見つかった!」というニュースがたびたび世間を騒がせています。それらが発見された箇所は、

など、多岐にわたります。

MNPの中でも特に小さな粒子は体内組織へ侵入し、循環系を通じて移動することで、様々な器官の中に存在している。

 一方で、このような「体内からのプラスチックの発見」に対して、分析化学の視点から疑問を投げかけている研究者もいるようです。

 現代の実験室や手術室を想像してみると、それらの空間自体がプラスチックであふれていることに気づきます。
 白衣(ポリエステル)、靴、テーブル、器具、床……。
 非常に微量なプラスチックを検出する実験において、これらの「外部環境由来のプラスチック」がサンプルに混入してしまうリスクを否定することはできません。

 Rauertらは、しばしばMNP検出に用いられるPy-GC-MS測定(試料を熱分解し、その分解物から試料中の成分を同定する手法)において、2つの観点からその結果の信憑性に対する懸念を呈しています(Cassandra Rauert et al., Environ. Sci. Technol. 2025)。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.4c12599

 一点目は、上述したように外部環境由来のプラスチックの影響を取り除くことが極めて難しいことです。
 著者らは、血液中のMNP検出において、徹底した汚染対策のもとで試料採取・分析を実施した場合、血液中のMNPが測定限界値を下回ったことを報告しました。
 一部のサンプルではMNPが検出されたものの、通常想定されるMNP被ばく量をもとに考えるとあまりに多量のMNPであったため、外部環境からの混入(コンタミネーション)が測定結果に影響を与えた可能性があるとのことでした。
 このようなコンタミネーションは、Py-GC-MS測定以外のメジャーな手法ににとっても共通の問題です(Witzig, C. S. et al. Environ. Sci. Technol. 2020)。

MNP検出において、作業環境の”清浄さ”は、常に論文内でも議論の焦点となる。

  二点目に、測定原理に起因したMNP検出量の過剰評価の可能性です。
 Py-GC-MS測定では、MNP由来の熱分解物と生体由来の熱分解物を区別できない場合があり、これによって「体内のMNP」が過剰に評価されてきた可能性があることを指摘しています。著者らは、他の複数の測定を用いて、多角的にMNPの検出を行うことが重要だと述べています。

 分析手法が未発達であった時期に報告された、プラスチック・パニックの原因にもなっている一部データは、実際の体内のMNP存在量よりも大きく値を見積っていたかもしれません。

 ただし、強調しておかねばならないのは「MNPのサイズや濃度が極めて小さいために、正確な人体中のMNP検出は技術的にまだ困難である」という点です。研究者たちは現代で実行可能な最善を尽くして、MNPの行方を追っています。

 例えば、最近「体内のMNPは特に脳へ集約される可能性がある」というセンセーショナルな内容で話題を呼んだ研究では、これらの不確実な外部要因を取り除くために様々な工夫や論考を行っています(Nihart, A. J. et al.  Nat. Med . 2025)。一例をあげると、外部環境の影響を検証するため、同じ標本から得られた試料に対して異なる大学でMNPの検出を行い、双方で類似した結果が得られることを確かめています。

全く異なる環境で行われたMSP検出の結果が一致すれば、その実験における外部環境の影響は小さいと考えることができる。

4.   『毒性』の問題:ナノプラスチックは心臓病の原因?

 では、仮に体内にプラスチックがあったとして、それらはどのように悪影響を及ぼすのでしょうか。

 最近、権威ある医学誌に「血管のプラーク(詰まり)からプラスチックが見つかった患者は、心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクが高かった」という論文が掲載され、大きな話題になりました(Marfella, R. et al., The New England Journal of Medicine, 2024)。

 表面だけ見ると「プラスチックが心臓病の原因だ!」と飛びつきたくなりますが、一度冷静になる必要があります。論文中で著者らが強調しているように、これはあくまで「プラスチックが見つかった人の死亡例が比較的多かった」という結果であって、プラスチックが原因であると証明されたわけではありません。

 例えば、プラスチックを体内に多く取り込んでしまうような環境(工場や工事現場など)で働いていた人は、プラスチック以外の有害物質やストレスの影響も受けていたかもしれません。

体内のMNPと各種症状の間の因果関係を見出すためには、現時点ではまだ情報が不足している。

 全部プラスチックのせい、と言い切るには、まだ正確な情報が不足しているのが現状です。世界保健機関(WHO)は、2019年の段階では「直ちに健康に害があるとは言えない」という冷静な見解を出しています(World Health Organization, Microplastics in drinking-water, 2019)。

 センセーショナルな話題は目を引きますが、しっかりと一次情報を吟味して判断することを心がけたいですね。

 私自身、マイクロプラスチックによる体内汚染と病気の発症の関連性については、若干懐疑的に思っている部分もあります。ただし、詳しく調べもせずに偏った立場にいるのは良くないことだと思ったので、宗旨替えした気持ちになって以下のような記事も書いてみました。ご興味があればご一読ください。


5.   まとめ:プラスチックとの向き合い方

 上記の情報をまとめると、マイクロプラスチック問題について、以下のポイントを押さえておくことが大切ではないかと思います。

  • 可能性と実害は別物:潜在的な毒性はあるかもしれませんが、現在の環境濃度における実害は、極めて低いか、まだ完全には証明されていません。

  • 過剰な恐怖こそ敵:「クレジットカード1枚分のプラスチック摂取」のような極端なイメージは、過剰表現の可能性があります。自衛のためにMNPを避ける生活をすることは大事かもしれませんが、過度に周囲の恐怖を煽ることは不要なパニックを引き起こす原因になります。

 一方で、プラスチックの歴史はまだ100年程度。マイクロ/ナノレベルの粒子が長期的にどんな影響を及ぼすかは、まだ分かっていないことが多いのも事実です。将来、「やっぱり有害だった」とならないように、排出を減らしていく努力は必要ですね。

 「プラスチック=絶対悪」と決めつけるのではなく、センセーショナルな情報に流されずに、正しいデータに基づいた科学的なリテラシーを持って議論していくことが、私たちには求められています。

おことわり

 本記事中の挿絵は、特別な断りがない限りすべてgoogle geminiのnano-banana proを使用して作成されました。絵心ないので許してください。

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ぷらめる🐏【プラスチックの話がしたい羊】 【宣言】いただいたチップが.1.0×10^n コインに到達するたびに、実写系の実験記事を作成します!