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春の夢

遠い記憶の僕は弟で
美しい夢で目覚めた未明
うつつのまま
消し忘れた部屋の明かりに
残像が瞼の裏に残る
夢は美しければうつくしいほど
僕の記憶からは
泡のようにとしか表現出来ない比喩のように
消えてしまう

たくさんいる人の中で
僕を見つけてくれたのに
それが違う人だったなんて
きみの記憶からは消してしまいたいはず
なのに僕からは…
こんな時に限って
いやな思い出だけ消えてしまう
稀の謎の前向きな思考の支配

もう別れの時間が来たのかも
きみのバイト先
昔の銀行を改装したお店
ふたりで歩いた散歩道
キスをしてくれた坂
弟の痕跡を見つけた時の表情
気遣ってくれたきみ
でもそこにはいないこゝろ

消えてほしくない記憶の欠片をこうして
書き留めて
てもだんだんと崩れてゆく
瓦礫も砂埃も消えてゆくみたいに
別れはきてしまう

急いでこの下書きの保存をしている
その時ですら
春の陽だまりの雪のかたまりみたいに
小さく小さくなって
なくなってゆく

そこに残るは現実
泥で汚れた小さな雪のかたまり
潰れてふやけた去年の枯葉
せめてお花でも
そう思ってしまうのは
前を向く僕なのか
出来たての過去を
少しだけ憂う僕なのか

見つけた花に希望の春
これから創られてゆくものも
いつかまた夢の中の記憶で消える欠片

そして全部消えてゆくんだ
未練という都合のいい言葉を
いつもあてはめて
また

おはよねさま
未明に見た夢を
急いで書き留めました
趣旨とあっていますかね…

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