視力検査はお子さんと作り上げていくもの。明日から使える「声かけ」の引き出し!
視能訓練士のPlusPlotです。
今日は視能訓練士向けで、初めて会うお子さんに対して検査をするとき、(もちろん再診のお子さんにも)意識している声かけについてです。
色々な子に共通してできそうな声かけ
✦まずは「目線の高さをあわせて挨拶する」
「〇〇ちゃん、こんにちは!」
と目を合わせ、目線の高さをあわせ、御挨拶します。私自身も挨拶してくれると嬉しいのでやっています。
このとき、返事を「こんにちは!」と返してくれるタイプか、「にこっと笑ってくれる」タイプか、その子にとっての反応の出し方も併せて見ます。
✦スモールステップで褒める
小児にとって、レフの機械に顔を乗せ測定し、視力検査も最後までやるのは大変なことだと思います。
そのためまず、
❝小さなことでもできたことを褒める❞
を意識して都度褒めていきます。
椅子に座れた
「1人で座れるの?」「嬉しいな!」
↓
大きな視標を見せて、ハンドルでマネッコができた
「えっ!できるの!すごいね!」
↓
だんだん視標を小さくしていって「こんなに小さなところまで見えるの?」と答えてもらいます。
次の指示に対しても前向きに捉えてもらえるよう、意識して声かけをしております。
答えられたら、「いいね!」「すごいね!」「あってるよ!」など安心させられるような言葉をかけます。
✦二者択一法
視力検査は、椅子に座ってもらうところから始まります。
「座る?座らない?」ではなく、
「お母さんと座る?1人で座る?」と声かけをしてみます。
どちらを選んでも、❝座ること❞が前提となりますし、選んでもらった好きな方で検査ができます。
また、検眼枠を敢えて2色準備します。
机に置いた検眼枠を「ピンクにする?青にする?」と聞いて❝自分で❞手に取ってもらいます。
掛ける掛けないの2択ではなく、どちらを選んでも❝検眼枠をかけること❞が前提となり、また、自分で選んだんだという納得感もあわさります。
これが二者択一法です。
✦見通しがつきやすい声かけ
視力検査と眼位では、
「今日の〇〇ちゃんのお仕事は、ハンドルでわっかのマネッコすることと、おめめの動きをみることです!」
サイプレジンでの検査では、
「1番は目薬、2番は休憩、3番はお顔機械に乗せる」
など、見通しをつけやすくするために、❝事前に❞説明をし、任務を与えたり番号をつけたりします。視覚優位なお子さんだと、絵を描いて流れを説明することも一助となります。

事前に見せて言い聞かせ、当日に臨みました。
(⑤は息子の好きなお菓子のキャラパキです)
タイプ別の声かけ例
✦初めてのことに不安がつよい
視力検査では「痛いことはないよ!」
やや暗い部屋なら「おばけさんはでないよ〜」
✦レンズの引き出しを開けてしまう
「〇〇ちゃんにピッタリのレンズを選びたいんだ。だから選ぶのは私に任せてく・れ・る?」
※引き出しに手を挟まれたり、レンズのガラスで怪我をしないことが第一です。気をつけつつ目を見ながら説明します!
✦レンズを触ってしまう
「レンズさんは、持つところがあるんだ。真ん中を触らずにここを持つのです」
※この場合も怪我をしないよう気をつけつつ、触ってしまったレンズはあとで水洗いします。
✦ハンドルをぐるぐる回し続けてしまう
「ああっ、ルーレットになってますね!ドゥルルル⋯シャキーン!にできるかな?」(できたらシャキーンできたね!と褒める)
「〇〇くん運転手さん!どっちでしょうか!お願いします!⤴」
✦黙ってしまう
「わからないときは、わからない〜!って言って大丈夫だよ!」
「間違っても怒らないよ」
「テストじゃないから、間違っても大丈夫だよ」
心理的安全性(間違っても大丈夫なんだと思ってもらう)がある空間をつくります。
反応はその子その子の出し方で大丈夫です。
「わからない」のかわりに、
「むずかしい」でもいいですし、
「まる」(切れ目がわからず〇に見える)
「ちっさ!」
「むり!」
でも、その子の辞書にある言葉でOKです。
また、
・「うーん」と首をかしげる仕草をする
・目線を下げて何秒か黙る
・「むずかしい?」とこちらから聞いて首を縦に振る
などでも「わからない」ということのリアクションしてくれたことに「うんうん」と感謝の気持ちを表しながら検査を進めます。
アイスブレイク
✦アイスブレイクとは、緊張感を氷(アイス)にたとえ、それを溶かす(ブレイク)こと
視力検査は、お子さんの反応を見ながら作り上げる検査です。本題の視力検査に入る前に雑談をして、緊張感をほぐし、楽しくリラックスして検査をしてもらいたい狙いです。
✦アイスブレイクのために見るポイント
何のキャラクターの服?靴?
今日は誰と来ているか
幼稚園または保育園帰りか?(制服や体操服を着ている場合)
ぬいぐるみや人形を持っているか
「はやぶさの靴、かっこいいね」
「シナモロールちゃん、好きなの?」
「何組さんなの?〇〇組さん!すごいねお兄さんだね!」
「モササウルスも応援しているよ!」
子どもが好きそうなアニメやキャラクターは日々情報を仕入れています。
以前「ウルトラマンのトレーナーかっこいいね」と話題を振った際に「ねえねえ、ウルトラマンの中で誰が好き!?」と聞かれ咄嗟にウルトラの母しか出てこなかったので、調べることを癖付けるようにしました(ちなみにその子はセブンが好きで、帰って一通り歴代のウルトラマンを調べました✌)
情報の仕入れ方法としては、1つはマックのハッピーセットのおまけをみることです。今子どもに流行っているものが反映されていると思っております(私調べです)。
声かけの引き出しは沢山ある方がよい
「わっかの空いてるとこ、教えてくれる?」で通じる子もいますが、その子によって違う表現に変えることもあります。
「これドーナツが食べられちゃったんだけど、どこ空いてるか教えて〜💦」という場合もあります。
「うん!こっちだよ!」と親切に教えてくれる子もいますし、「えっ⋯お前ドーナツ食べたん?ママに怒られん?」という疑惑のお顔をされたこともあります。そういうときは、「これのマネッコとん!してくれる?」などシンプルな表現に変えてみたりします。
その子にあった声かけが必要だと、日々感じております。
誰でもできることを積み重ねていく
小児の検査は、視力の技術がベースにあります。技術は一朝一夕では身につかず、徐々に経験とともに上がっていきます。
しかし声かけや挨拶すること、調べることは、やろうと思ったらすぐ行動できる類にはいります。
仮に同じ検眼技術を持っていたら、例えば目を見て挨拶してくれる人とそうでない人、自分だったらどちらに検査をしてほしいか?を考えております。誰にでもできることを毎日積み重ねていくのです。
また、小児の検査の上手さは、子どもを持っているかどうかは大きく関係ないと思っております。私も上手な視能訓練士の方の声かけや雰囲気づくり見て学んでおります。
何かの参考になれば幸いです。
