家紋万年筆の思い出
万年筆にハマり始めた頃の話です。
万年筆インク沼があると知り、家に眠っていた万年筆を引っ張り出して使い始め、もっと使いたいと、ふるさと納税で万年筆+インクのセットを返礼品にしてみました。
家紋万年筆と「大政奉還」というインクを選択。ふるさと納税らしい、日本らしい面白さを感じました。
当時、垣根涼介さんの『涅槃』という宇喜多直家を描く小説が連載していたころで、わたしは❝宇喜多❞の家紋の万年筆を選び、毎日のように使いました。
ところがある日、万年筆を持ったまま会社の階段で転び、万年筆のペン先を階段に食い込ませてしまいました。

なぜ万年筆を持ったまま階段を歩くのだろうと自分でも思うのですが、その頃は過労死ラインを超える労働時間だったので、常に何かメモしていたのか、キャップを戻すということも覚束なかったのか……、わけのわからない状態でした。
ただ、この壊れた万年筆は、販売元の小川新聞店さんが無償で直してくれました。その時のやりとりも、当時の疲れ果てていたわたしには心温まるもので、いい思い出です。
万年筆のペン先は大事にしなければいけないことと、けっこう丈夫なこと、修理可能なこと、でも修理後の書き味は変わってしまうことなどなど、この家紋万年筆には色々と学ばせていただきました。
