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rumaru
思い出ストレート #爪毛の挑戦状
「今日の夕飯何がいい?」旦那はどきりとした顔をしてたどたどしく口を開く。「えっと…そうだな…最近暑いからね。麺類のほうが食べやすくて良いんじゃないかな。あ、でもお昼にそうめん食べたし連続で麺になっちゃうね。うーん、そうだな…唐揚げとか…でも、うーん」
旦那は優柔不断ではっきりとものを言うのが苦手だ。男らしくないと揶揄されることもある。でも、夕飯一つでこんなに悩む姿が、本当は唐揚げが食べたいだろうに健康に気を遣っているのが、決して”なんでもいい"とは言わない健気さが、私はこの人の魅力だと思う。
そんなある日。「あのさ、今日何の日か覚えてたりする?」旦那が恐る恐る聞いてくる。もちろん分かっている、10度目の結婚記念日だ。ただ旦那の困る顔が見たくて意地悪をしたくなってしまった。「あら、何の日だったかしら」「あ、えっと…実はさ、最近忙しそうだったから忘れちゃってるのかもしれないけど、結婚記念日で…ディナーの予約とかしてたりするんだけど、いや!もちろん君が良ければの話なんだけどさ」
あわあわする旦那が可愛くてもっと見ていたいがそろそろネタ晴らししてあげよう。「あなた、ごめ—」「いや、違うんだ」旦那が私の両手を強く握る。「僕が伝えたいのはディナーとかそんな話じゃなくて…」旦那がまっすぐこちらを見つめる。「こんな僕と10年も一緒にいてくれてありがとう!」
ああ、そうだったわ。付き合うときも、プロポーズのときも、あなたは大事なことほどストレートに伝えてくれる人だった。私はそんなあなただから好きになったのね。愛してるわ、あなた。(662文字)
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