ザンパノのこと
フェリーニの「道」という映画にザンパノという男がでてくる
わたしは自分がなにかをつくるときに、いつもザンパノのことを考えている
ザンパノは悪い男だ
だれのことも愛せない
いじわるで、横暴で、わがままで
特技は自分の筋肉で鎖を引きちぎって見せること
ザンパノはジェルソミーナという知恵遅れの女の子を引き取り
その子の足を叩きながら芸をおぼえさせる
ひとつもやさしくしない
イルマット 天使みたいな男のことを殺して
そのあげくに教会のだいじなものを盗んで
最後に残ってたジェルソミーナも捨てて逃げていく
弱い男
わたしは、自分のなかのザンパノをどうゆるしたらいいかわからない
だからいつも生きているのがつらいのかな
だから自己啓発書に書いてるようなことを
まだはっきりのみこめてないのかも
ラストシーンで泣き崩れるザンパノを映すカメラがあること
これが、掛け値なしにわたしにとっての救いだった
だれも見ていなくても、神はみているし、許しているのだと
あのカメラのアングルは語っていた
おかねがほしい
えばりたい
でも自分はザンパノだから
ザンパノのために書いたり描いたりするものだから
だれにも届かなくてもしかたないのかもしれない
