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note53 2025年から2026年へ。『バーニング 劇場版』からチョン・ジョンソの話に。

 前回にちょっとだけ続く感じで書こうと思う。ラブストーリーについて。そして、昨年、書きたかったけれど、書けなかった、村上春樹のことについて。

 なぜ昨年が村上春樹なのかというと、話題になることが多かったと思うから。ひとつは、『100分で名著』で『ねじまき鳥クロニクル』が取り上げられたこと。次に、三宅香帆のYouTubeで村上春樹の魅力について取り上げられる回があったことだ。ほかにも、新潮に『武蔵境のありくい』が発表されたり、NHKで『神の子どもたちはみな踊る』を原作としたドラマ『地震のあとで』が放送されたり(10月には映画にもなった)と、いろいろあったのだけれど、ぼくは『100分で名著』きっかけで何度目かの『ねじまき鳥クロニクル』を読むということをやって、そこから村上春樹のおもしろさ、すごさとはなんだろう、と改めて考えていたところ、三宅香帆のYouTubeを見て、「なるほどー」となり、そこから、またいろいろ考えたりして、楽しんでいたのだ。

 それと、ふと思い立って、イ・チャンドン監督の『バーニング 劇場版』も観直した。
 イ・チャンドン監督の作品については、前回のnoteでも、ラブストーリー映画の傑作として『シークレット・サンシャイン』をあげた。

 『シークレット・サンシャイン』の素晴らしさはとんでもないけれど、その次の作品『ポエトリー アグネスの詩』はさらにとんでもなく、「詩とはなにか」という人生そのものの問いにも答えてくれる、ぼくにとっての生涯ベストの一本でもあった。
 なので、その次の作品が村上春樹原作になる、と聞いて、とても楽しみにしていた。だけど、期待しすぎたせいか、最初に観た時は物足りなく感じてしまった。
 もちろん映画としては、すごい作品だと思うのだけれど、村上春樹という点で考えてしまうと、なにかがズレてしまっているような気がしたのだ。(そのズレが映画化するということだとも思うけど)
 これは、ぼくの勝手な思い込みだけど、ぼくは村上春樹の作品を、ベタっとした、生きていくうえでのやりきれない「なにか」を感じたくて、読んでいる。しかも、それがエンタメとして、成り立つところにゾクっとしているのだと思う。

 最初に観た時の『バーニング 劇場版』には登場人物に独特の距離感があり、それが魅力でもあるのだが、ベタっとしているより、ちょっと乾いているように思えてしまったのだ。もちろん、これは先に村上春樹を読んでいた、という感想で、まずは映画からという人の感想はちがってくるのかもしれない。

 昨年『バーニング 劇場版』を観直した時には、なぜか、そのベタっとしたものが、とても身近に感じられて、興奮した。どうしてだろう。
 とくに冒頭、ヘミがバイトしているところ。ヘミのバイトの衣装や踊りがたまらなく良くて、なんども観てしまった。その後のジョンスとのやりとりも良かった。ヘミの佇まい、しぐさ、表情に、惹きこまれた。中盤、夕暮れでヘミが踊るシーンも素晴らしいけれど、それよりもぼくは最初のところでもっていかれた。

 イ・チャンドンはヘミを撮ることで、セックスを撮ることに成功している。そして、村上春樹もセックスを書くことに長けていると思っている。そうした描写に批判があることも知っているけれど、そうした部分を抜きにして、彼の魅力について考えることはできないと思う。『バーニング 劇場版』には、それが描かれていた。

 『ねじまき鳥クロニクル』のことも書こうと思っていたのだけれど、それは次回に。

 もうちょっと……ヘミのこと。チョン・ジョンソにハマってしまったこと。出演作を追いかけたのも2025年。『ザ・コール』はなかなかの力作で、かなり怖い役をうまくやっているけれど、展開としては、いろいろ気になるところもあり、まあまあかなと。『恋愛の抜けたロマンス』はこれまたぶっ飛んだ設定なんだけど、ぼくはかなり面白く観た。良い意味で彼女のキャラが癖になるというか。ラストも〇
 『モナ・リザアンドブラッドムーン』も……ほんと、「も」と付けたくなるくらい、これもぶっ飛んだ設定(主演)。やりがいはあると思うけど、なんか、彼女の魅力が誤解されているようで、ちょっと複雑な気持ちに。だけど、最後まで観た。一応、ラストは良いかな、と。
 『バレリーナ』はNETFLIX制作。これも主演で、また「も」ぶっ飛んでいるけど、ハマり役。ぼくは復讐ものが好きなので、楽しく観た。チョン・ジョンソ、かっこ良かった。
 『PROJECT Y』、仙台で上映するかな。

 ドラマでいえば、U-NEXTで『ウエディング・インポッシブル』を。これはある意味意外というか、王道の韓国ドラマでちょっとびっくり。というのも、お決まりの財閥もので、境遇の違う恋愛の話で、ついでに言えば、お決まりの、家族の中に嫌な奴がいるというもの。だけど、なんだかんだと最後まで観てしまうのが、王道の韓国ドラマとも言えるわけで、なんだかんだハマってしまいました。それにしても、タイトルはすごいな、と。

 もうひとつ、観たドラマは、NETFLIX『ペーパー・ハウス・コリア』。これは良かったなぁ。チョン・ジョンソの<トーキョー>はもちろん良かったけれど、ほかにも魅力的なキャラが多く、忘れられない場面がある。途中、ちょっと長く感じることもあったけれど、終盤にかけて、盛り上がっていく展開がグッとくる。いつか、また観たいと思う。
 ちなみに、<ソウル>はイム・ジヨンで、彼女の作品もかなり観ているので、いろいろ書きたくなるけれど、それはまたどこかの機会で。


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