学歴は実績ではなく、 経歴である
「◯◯大卒です」 と職場の自己紹介で言う社会人を、 違和感なく見られる人と、 「ダサい」 と感じる人がいます。 違和感を持つ人の方が、 ビジネスの本質を理解しています。 学歴は無意味ではありません。 ある程度の知能を持つ確率が高い、 という統計的なシグナルとしての機能はある。 ただし、 「大卒 = 優秀」「学歴なし = 劣等」 という単純な定義は、 現実とまったく合っていない。 そして、 学歴に固執し続ける大人は、 多くの場合、 そこで成長が止まっています。 アメリカ型の実績・スキル評価が日本に広がりつつある今、 学歴と実績の差を構造的に整理しておく価値があります。 心理学・人事経済学・労働市場研究のレンズで、 学歴 = 経歴と、 実績 = 何を成し遂げたか の決定的な差を解剖します。
まず 5 行でまとめると
学歴 = どこを通過したかの「経歴」、 何を成し遂げたかの「実績」 ではない
学歴は知能の統計的シグナル機能はある (= Spence 1973)、 ただし学歴に見合わない人間も多いのが現実
「大卒 = 優秀」 「学歴なし = 劣等」 という二分法は、 統計的にも個別事例的にも成立しない
学歴は入口で機能、 入った後はほぼ実績勝負、 30 代以降は完全に過去のもの
アメリカ式の実績・スキル評価が広がる時代、 経歴に固執する大人は淘汰される
1. 学歴 vs 実績、 そもそも何が違うのか
最初に、 言葉を整理します。
1-1. 履歴書の構造で見る、 学歴と実績の位置
履歴書を分解すると、 こうなります。
学歴欄 = どこの学校を、 いつ卒業したか
職歴欄 = どこの会社に、 いつ在籍したか
資格・スキル欄 = 何ができるか
実績欄 = 何を成し遂げたか (= 数字付き)
学歴欄と職歴欄は、 「どこにいた」 を書く欄です。 過去の通過点。 これに対して、 実績欄は「何をやった」 を書く欄。 過去の達成。
似て見えますが、 ビジネスでの意味は全く違います。
1-2. 学歴 = 「通過した」、 実績 = 「成し遂げた」
整理すると、 こうなります。
学歴 — 内容: どこの大学を卒業したか / 質問の答え: 「どこを通過したか」
職歴 — 内容: どこの会社で働いたか / 質問の答え: 「どこにいたか」
実績 — 内容: 何を達成したか (= 数字・成果) / 質問の答え: 「何を成し遂げたか」
学歴と職歴は、 「通過点」 の記録です。 実績は、 「到達点」 の記録です。 この差を意識しないと、 「自分は学歴があるから優秀」 という錯覚に陥ります。
ここから本質を解剖していきます。
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