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ベスト、ザック、あるいはリュック

ランニングをしていると、ときどき不思議なことを考える。たとえば、「今、僕が背負っているこれは一体なんと呼べばいいんだろう?」とか。

ランニングベストなのか、トレランザックなのか、それともただのリュックなのか。考え始めると、そんなことさえもよくわからなくなってしまう。


ランニングベスト

ランニングベストは、どちらかといえばロードランナー向けの装備だ。軽くて、薄くて、必要最低限のものしか入らない。

水分補給用の水筒。スマートフォン。小銭入れ。寒くなったとき用のジャケット。

それ以上のものは入れないし、入らない。
でも、そんな身軽さが僕はわりと好きだ。
走るっていうのは、そういうことだと思うから。
余計なものは、できるだけ持たない方がいい。

トレランベストとトレランザック

山を走るときは、もう少し話が違ってくるだろう。水も食料も、着替えも、ライトも、場合によってはエマージェンシーキットまで必要だ。

だからみんな、「トレランベスト」とか「トレランザック」とか呼ばれる、もう少し容量の大きなものを背負う。

呼び方は違っても、結局やっていることはあまり変わらない。自分にとって必要なものを背負って、ただ黙々と走るだけだ。

「リュック」という言葉の響き

街では、「ランニングリュック」と呼ぶ人もいる。

なんだか少し懐かしい響きだ。小学生の頃、ランドセルの代わりに「リュック」が欲しかった自分を思い出す。

「リュック」と「ザック」と「ベスト」

どれも同じようで、
ほんの少しずつ違う。

でも、そんな違いを考えながら走るのも、案外悪くない。

そして僕は、また走り出す

名前なんて、どうでもいいのかもしれない。
それが「ベスト」だろうが「ザック」だろうが、僕が背負って走ることには変わりがないのだから。

風が吹いて、
春の匂いを運んでくる。
僕は少しだけスピードを上げる。
どこまでだって走っていける気がした。

大切なのは、僕がどこに向かって走っているのかということ。背中に何を背負っているかなんて、本当はたいした問題じゃないのかもしれない。


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