「本部長クラスとは話がついている」発言の波紋――警察・検察の中立性はどう受け止められるのか 【追記】「話がついている」は、制度上あり得るのか——条文で決着をつける
この記事は、政経プラスチャンネルのYouTube動画の内容をもとに、note掲載用に読みやすく再構成したものです。固有名詞・数字・日付については可能な範囲で確認していますが、最終的な正確性については元動画および一次資料もあわせてご確認ください。
今回は、徳永信一弁護士がX上で投稿したとされる「県警本部長クラスとは話がついている」「検察とも」といった趣旨の発言をめぐり、何が問題視されているのかを整理します。
この発言が事実を述べたものなのか、推測や表現上の言い過ぎなのかによって、問題の性質は変わります。しかし、いずれの場合であっても、警察・検察の中立性や、告訴をめぐる手続きの公正さに関わる重大な論点を含んでいます。
徳永信一氏の投稿をめぐる疑問
こんにちは、カネさんです。
今回は、徳永信一弁護士が「本部長と話がついている」といった趣旨の発言をした件について、ネット上で「どういうことなのか」という声が上がっているため、整理していきます。
動画内で紹介した内容によると、徳永信一氏は6月23日午前0時6分ごろ、ちょうど菅野完さんの配信が終わった頃に、X上で次のような趣旨の投稿をしていたとされています。
「〇〇発言が不起訴にはならんよ」

「菅野さんの発言が不起訴で終わるわけないだろう」
「県警本部長クラスとは話がついている。検察とも」
「あとは司法判断」
この発言は、率直に言って大きな問題を含んでいるのではないでしょうか。
もしこれが本当であれば、法曹界、県警、神戸地検の関係に関わる話になります。一方で、もし徳永氏の推測にすぎないのであれば、それはそれで別の問題が出てきます。
警察や検察と「話がついている」という表現は、読む側に「捜査機関や検察の判断が、すでに一定方向に固まっているのではないか」という印象を与えかねません。
前段にあったやり取り
この発言の前段階として、動画内では、日本保守党支持者と思われる方の投稿も紹介しています。
その投稿では、兵庫県政をめぐる活動や、菅野さんに関する発言について不満を示し、「頑張れ徳永信一」といった趣旨の応援が書かれていました。
これに対して徳永氏は、動画内で紹介した内容によると、「もうすぐ収束するよ」「菅野の告訴で、彼らはもう〇〇を引き込めなくなった」といった趣旨の投稿をしたとされています。
さらに、斎藤元彦兵庫県知事が告訴したことで、元県民局長が亡くなったことについて、誰の責任なのかという問題が避けて通れないものとして浮上してきた、という趣旨の発言も紹介されています。
しかし、ここで私は疑問を持ちます。
「僕らは最初から見てきた」という趣旨の言い方もありましたが、本当に最初から見ていたのか。途中から関わった人たちとの違いを強調するような言い方もされていますが、その説明で何が明らかになるのかは、正直よく分かりません。
「県警本部長クラス」「検察」とは何を意味するのか
問題の中心は、やはり「県警本部長クラスとは話がついている」「検察とも」という部分です。
この表現だけを見ると、まるで県警の幹部や検察と、すでに告訴案件について何らかの話が通っているかのように読めてしまいます。
仮に、知事側が「起訴してほしい」と考えた場合に、県警本部長クラスや検察と話がついているから起訴される、という意味に受け取られるのであれば、それは非常に恐ろしい話です。
日本には三権分立があり、警察や検察は政治権力から独立した公正な判断を行うべき存在です。
もし「県知事だから特別に話が通る」「県警や検察の扱いが一般人とは違う」と受け止められるような発信がなされているのであれば、警察・検察への信頼に関わります。
もちろん、現時点で実際にそうした働きかけがあったと断定することはできません。
だからこそ問題なのです。
この発言が事実なら重大ですし、事実でないなら、県警や検察の中立性・信頼性を傷つける発言になり得ます。
事実なら重大、虚偽ならそれも重大
この発言について、ネット上ではさまざまな反応が出ています。
「これは国家レベルの重大問題ではないか」
「知事は県警と事前に話をつけられるのか」
「それとも徳永信一弁護士が話をつけているのか」
「第三者が送検も起訴もされていない告訴案件について、県警本部長クラスや検察と話がついていると述べるのは適切なのか」
こうした疑問は当然出てくると思います。
警察や検察の判断がすでに固まっているかのように見える発言は、不適切ではないでしょうか。
もし本当に検察の判断がすでに決まっているのであれば、結論ありきで手続きが進められているように見えてしまいます。それは、警察・司法への信頼を損なう話です。
一方で、もし発言が事実ではないのであれば、県警や検察に関する不正確な情報を広げたことになります。
さらに、知事側や関係者による働きかけや圧力が事実であれば、それもまた大問題です。
つまり、どちらに転んでも軽い話ではありません。
この発言については、誰が県警本部長クラスや検察と話をしたのか。そして、なぜ徳永氏がそれを知っているのか。そこははっきり説明してもらう必要があるのではないでしょうか。
竹内英明元県議をめぐる過去の問題との比較
動画内では、過去に兵庫県警が強い反応を示した例として、竹内英明元県議をめぐるSNS投稿の問題にも触れています。
兵庫県議会の調査特別委員会、いわゆる百条委員会の委員を務めていた竹内英明元県議について、SNS上で事実と異なる投稿が広がったとされる件です。
動画内では、朝日新聞の2025年1月20日のニュースとして、「亡くなる前、兵庫県議の捜査 事実無根と県警本部長 立花氏は投稿削除」という趣旨の記事が紹介されています。
その中で、県警トップが議会で個別捜査について説明するのは極めて異例であり、兵庫県警本部長が、通常は差し控えるが事案の特殊性に鑑みて答弁するとしたうえで、竹内氏について「被疑者として任意の取り調べをしたことはなく、ましてや身柄を取るといった話はない」と明確に否定した、という内容が紹介されています。
また、動画内では、立花孝志氏が一部投稿を削除したこと、同様の投稿がSNS上に広がっていたことにも触れています。
このように、県警に関する不正確な情報が拡散された場合、県警側が強く反応することがあります。
今回の徳永氏の発言も、県警や検察に関わる発言である以上、同じように重大な論点を含むのではないか、というのが私の問題意識です。
県警・検察の中立性への疑念を招く表現
動画内で紹介したネット上の反応には、次のような趣旨のものもありました。
「事実でなければ、徳永信一弁護士は兵庫県警と検察についてデマを流していることになる」
「事実であれば、斎藤知事側からの圧力や、捜査機関の中立性を疑う」
この指摘は、かなり本質的だと思います。
要するに、発言が本当かどうかに関係なく、警察や検察の公正性に疑問を持たせる表現になっているということです。
「県警本部長クラス」「検察」という言葉は、非常に重い言葉です。
しかも、弁護士という法的な専門職にある人物が発信していると受け止められる以上、一般の人が何気なく書いた投稿とは受け止められ方が違います。
弁護士という公的性格を持つ職務にある人が、捜査機関や検察との関係について、あたかも裏で話がついているように読める投稿をすることは、慎重であるべきではないでしょうか。
「利権と戦う」構図との矛盾
今回の件で、私はもう一つ気になる点があります。
斎藤知事側やその支援者の発信では、これまで「既得権益と戦う」「利権と戦う」という構図が強調されてきたように思います。
ところが、今回のように「県警本部長クラス」「検察」と話がついているように読める発言が出てくると、むしろ権力側・既得権益側に近い印象を与えてしまいます。
もちろん、実際にそうだと断定しているわけではありません。
しかし、少なくとも見え方としては、「利権と戦う」という設定はどこへ行ったのか、という疑問が出てきます。
「県知事が県警本部長に圧力をかけたことを言ってしまっているのではないか」
「なぜ街の弁護士がそんなことを知っているのか」
こうした声が上がるのも、無理はないと思います。
兵庫県警への別件投稿と過去の抗議
動画内では、別の過去事例として、自由民主党兵庫県支部連合会所属の姫路市議・高見氏らによるX投稿の件にも触れています。
動画内で紹介した内容によると、高見氏らは「兵庫県警の内部では、知事選において特定候補の応援をするよう通達されていたと聞いた」という趣旨の投稿をしたとされています。
これに対し、兵庫県警は「そのような事実はない」とし、県警の信頼を損なうようなSNS上の事実と異なる投稿に強く抗議するとともに、速やかな削除または訂正を求めた、という内容が紹介されています。
日付としては、令和7年1月23日、兵庫県警察の対応として動画内で説明されています。
この件も、県警に関する不正確な発信がどれほど大きな問題になり得るかを示すものです。
今回の徳永氏の投稿についても、兵庫県警や神戸地検がどのように受け止めるのか、今後注目されるところです。
斎藤知事の式典欠席問題にも話が広がる
動画後半では、話題が斎藤知事の公務対応にも移ります。
西宮市議で、れいわ新選組の佐野ひろみさんが、斎藤知事がなぜ重要なイベントに来ないのかという点に触れていたことが紹介されています。
具体的には、兵庫県立西宮総合医療センターの開院記念式典について、600億円以上の貴重な税金が投じられて建設された医療センターであるにもかかわらず、知事が出席しないことへの疑問です。
動画内では、警備費の増大が県議会で指摘され、それが出席見送りの理由になっていると聞いている、という趣旨の発言も紹介されています。
これに対して私は、警備が必要な状況を招いたのは誰なのか、という問題意識を持っています。
県知事が重要な式典に出席しない現在の県政の状況は、やはり異常ではないでしょうか。
国への要望と県としての責任
また、動画内では、国への要望と県としての責任についても触れています。
私自身、国で勤務していた経験もあります。その経験からすると、国に要望すること自体はもちろん大事です。
ただし、国の側からすれば、まずは地元の自治体や現場でしっかり対応してください、というのが基本的なスタンスだと思います。
その上で、どうしても国の支援が必要な場合には要望してください、という順番になるのではないでしょうか。
県としてできることをしっかりやる。そのうえで国に必要な要望を出す。
この順番を崩してしまうと、県政としての責任が曖昧になってしまいます。
動画内では、県として実務者の検討会を開催するなどして全面運休を回避できたという点は一つの前進だ、という趣旨にも触れています。
ただし、県政全体としては、まだまだ説明責任を果たすべき点が多いと感じます。
SNS上の周辺アカウントと場外乱闘
さらに動画後半では、神戸の夜景事件に関連するSNS上の動きや、非公開アカウントが鍵を開けたり閉めたりしている状況にも話が及びます。
動画内では、菅野さんに対する批判的な投稿や、「兵庫県に住んでいないのに毎週行く」「お金の出どころを調べてほしい」といった趣旨の投稿も紹介されています。
これらについても、具体的な事実確認がないまま、相手の活動資金や目的について疑念を広げるような発信になっていないか、慎重に見る必要があります。
また、別の投稿として、誹謗中傷への開示請求や弁護士からの請求を「小銭稼ぎ」や「不当請求」のように表現する趣旨のものも紹介しました。
こうした発信は、事実関係を確認せずに広げると、別の問題を生みます。
SNS上では、政治的な立場が違う相手を攻撃するために、根拠の弱い話がどんどん拡散されることがあります。
しかし、政治的な意見と、名誉毀損や誹謗中傷につながる表現は別です。
批判するにしても、事実に基づいて行う必要があります。
検察審査会の話題と今後の焦点
動画内では、検察審査会に関する話題にも触れています。
「北海道のあり方事件」が神戸第一検察審査会にもう一度受理された、という趣旨の投稿が紹介されており、これについては良い結果になってほしいと強く思う、と述べています。
今回の徳永氏の投稿も、その流れの中で見れば、単なる一つのSNS投稿にとどまらない意味を持ってくる可能性があります。
なぜ場外乱闘ばかり起こるのか
今回も、話があちこちに広がりました。
しかし、根本にある疑問は一つです。
なぜ兵庫県政をめぐって、これほど場外乱闘ばかり起こるのでしょうか。
知事本人は、自分は一生懸命頑張っていると思っているのかもしれません。
しかし、問題は「頑張っているかどうか」ではありません。
警察・検察との関係をめぐる発言、県政運営への疑問、SNS上での攻撃的な発信、事実確認が不十分な投稿の拡散。こうしたものが積み重なって、県政への信頼が大きく揺らいでいるのです。
一生懸命かどうかとは、全く別次元の問題です。
だからこそ、私は改めて、斎藤知事にはお辞めいただきたいと強く思います。
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【追記】「話がついている」は、制度上あり得るのか——条文で決着をつける
本文では「事実なら重大、虚偽ならそれも重大」と書きました。この追記では、私とFable5(Claude)で、その二択に条文から決着をつけにいきます。
先に結論を言ってしまうと、「知事側が県警本部長や検察と話をつける」という正規の経路は、日本の制度上、存在しません。 そして経路が存在しないからこそ、この発言の法的リスクは、発言の対象ではなく発言者本人に向かって跳ね返ってくる構造になっています。順に見ていきます。
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・【20260617】斎藤知事の定例会見で何が起きたのか――ドクターヘリ、刑事告訴、説明責任をめぐる攻防
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