お六櫛の黒いシミをすっきり落とした話
数年前に妹が木曾で買ってプレゼントしてくれた、木製のくしのメンテナンスの話です。(大袈裟ですが、発生時のショックと焦りと、苦戦している途中の苦しさと根気と、解決時の達成感は、開発の仕事でのトラブル対応と心境が少し似ています。)
お六櫛は、みねばりの木でできています。柘植の櫛のように、長く大切に使おうと思っていました。
・・・が!
ズボラな私は、つい、椿油での櫛のケアを怠り、しばらく使わずに放置してしまったのです・・・。
その結果、ハッと気がついたら半分から右側に、こんな黒ずみが・・・!!!ショックです(涙)

特に歯の部分、とても汚い印象。
まさか、カビ?!と思い、慌ててティッシュで拭いてみましたが、ティッシュ側には何もつかず、まったく落ちません。
さらに慌てた私は水でじゃぶじゃぶ洗い。(真似してはいけません!)やっぱり全く落ちません。
さて、困ったぞ、とネットで検索しました。お六櫛はヒットが少なそうなので「つげのくし」「黒ずみ」などで検索。出てくるのは、椿油に浸して歯ブラシでこすり落とす、という汚れ除去方法でした。そして、水洗い厳禁の文字・・・あーあ、やっちゃったよ。
とりあえず、椿油ひたひたで、ラップにくるんで一晩おいてみました。
>> 全く効果なし!擦っても、落ちません。
これは、カビや付着汚れではないな。と思い、母に、なんの汚れだと思う?相談してみました。すると、「虫のお◯っこじゃない?天然材質って常に使ってないとどうしても虫が寄ってきちゃうのよね」と言われ、ぎゃーー!鳥肌!!でも、虫食いの跡がないのは救いでした。
そこから、私は検索ワードを変えました。木材の黒ずみ除去について。もし、櫛を新品のように綺麗にしてくれる業者さんがあったら、多少お金かかってもお願いしようと思ってました。しかし、なかなかないものです。箪笥とかの大物家具ならあるのですが。
すると、無垢材フローリングの黒ずみ除去に、お酢が効くという記事が出ていました。これだ!しかし、うちには黒酢しかなく、なんとなくつける気になりませんでした。代わりに、酸なら良いのではと、クエン酸水を準備。少しはリモネン効果もあるかも、とレモン果汁も。
>>どちらも効果なし!
フローリング黒ずみは、お酢を染み込ませた布側で拭くと、布側に汚れが移るそうなんですが、私の櫛の黒ずみ全く移りません。
これは、もうヤスリで削るしかないんだろうか、と、次はネイルポリッシュで磨いてみました。(荒いサンドペーパーだとキズキズになりそうで怖くて)
>>あんまり落ちません。やっぱり表面汚れじゃないのか。しかも、歯の部分は上手く磨けません。
もう諦めたほうがいいだろうか、と思いながらも、さらにネットを検索です。
プロは、木材を綺麗にするためにいろんな薬剤を使っていました。(親切丁寧な説明している会社さんは信用できそうと思いますね)。薬剤の名称見たら、シュウ酸ナトリウムとか、次亜塩素酸ナトリウムとか。シュウ酸ナトリウムは劇物なので普通には買えません、危険なのでプロに・・・という説明でした。確かに家にシュウ酸ナトリウムはありません。
次亜塩素酸ナトリウムは、ハイター使えばできそうです。漂白効果はてきめんにありそうですが、とても木材傷めそう、しかも、思いっきりムラできそう。。。。そして、アルカリ性なので、アルカリ性汚染を起こすことを防止するために最後に酸で中和するとの記載もありました。ハイターの水酸化ナトリウム中和できる程の強酸持ってないし・・・。付着量よくわからないし。。。表面に塗った分の中和くらいなら少量なので問題はないとは思いますが、塩素ガス出そうだし。ハイターの界面活性剤を落とすなら、また水で洗わなくてはですし。この案はパスすることに。
その次着目したのは、長期間で変色した黒ずみに「5%過酸化水素リン酸溶液を使う」というものでした。なるほど、過酸化水素か。家にあった消毒用オキシドールを見てみると、りん酸も入っています。傷口につけるくらいのオキシドールならそんなに危険じゃ無さそうだし、つけてみよう!
早速、綿棒にオキシドールを染み込ませて汚れを擦ってみました。綿棒側には汚れはつきません。ぱっと見、黒ずみに変化はなさそうです。・・・だめか??と思いながら、ここで一度タイムアップ。出かける用事があって、作業を中断しました。
数時間後。

あれ?なんか、薄くなってない?
思わず、写真を見比べ。これは、効いているのでは!!!
まだ残っている黒いところに、綿棒でさらにオキシドールを追加塗布。
30分後。

綺麗になりました!!!!!
オキシドール、すごいです!!!黒ずみだけを選択的に綺麗にしてくれています。
もう、嬉しすぎる結果!!
この後、しっかり乾かして、再び椿油に浸しました。最後の仕上げに、ヒバ油を一滴垂らして、虫除け効果をプラス。
私のお六櫛は、こうして綺麗に復活したのでした!!!嬉しすぎます。
化学の力と執念ですね。
結局この黒ずみは何だったんでしょう。
とにかく、晴れ晴れした気持ちになったのでした。
その後、再発もなく、大切に使用しています。
