猫に飼われたヒト 第2回 金髪の少年
庭にいたのは…
レックス「に、人間…?!」
庭の木の影に隠れるように座り込み、目を閉じ、俯いている。眠っているようだ。
金色の髪の少年。裸で、体は泥まみれ。
レックス「人間は研究所に保護されているもの以外、絶滅したはずじゃ…なぜここに」
レックスは少年の膝から血が出ていることに気がついた。
レックス「怪我をしているのか…ちょっと待っていろよ…!」
レックスは家から消毒液と包帯を持ってきて、少年を手当てした。
すると眠っていた少年がレックスに気がつき、ビクッと体を強張らせる。
レックス「動かないで。もう少しで終わるからね」
少年は怯えた様子のまま、静かにレックスを見つめていた。
レックス「よし、終わりだ。もう動いていいよ」
少年は手当てされた自分の膝を見た。
レックス「どうだい?まだ痛む…」
そこでレックスははっと口を抑えた。
『人間絶滅仮説』では、人間が言葉を覚えた際に起こり得る争いについて述べている。
そこで、人間には言葉を覚えさせないよう、人間の前で言葉を発することを禁じているのである。
レックス(馬鹿か私は…!)
次の瞬間。
むぎゅ。
少年がレックスに抱きついた。
レックス「?!」
びっくりして思わず後ずさる。
レックス(ず、随分と猫懐っこい人間だな…それに体がひどく冷えている。いつからここにいたんだ?)
少年は怪我を手当てしてもらったことで、レックスにすっかり気を許したようだった。にこにこと微笑んでいる。
レックス(もう日も沈んで外は冷える。とりあえず家の中に入れるか…)
レックスは少年を家へ入れた。
