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GRⅢ日記 20260620 箱根

今日は土曜日。天気はあいにくの雨。

9時30分にホテルをチェックアウトして、POLA美術館へ。

この日はモネ展をやっていた

まずは「あたらしい目ーモネと21世紀のアートー」の展示室へ

カップルと睡蓮
フェリックス・ゴンザレス=トレス作
「無題(マルセル・ブリアンの肖像)」

青い包み紙のキャンディが床に広げられている作品。鑑賞者はキャンディを1つ持ち帰ることができる。(ということを帰宅してから知った)

床一面に広がるキャンディ

次に向ったのは「セザンヌ・レジェンド」という展示室。

ゴッホの1枚の絵画を除いて撮影可だったので遠慮なく撮らせてもらった。

「ラム酒の瓶のある静物」

多視点
机の左側は上方から俯瞰されているいっぽうで、机の右側は真横よりやや高い視点から描かれています。続けて机の右側面を辿っていくと、天板が壁にに近くなるにつれて急激にせりあがっているのがわかります。現実の再現に縛られることなく、対照をさまざまな視点から捉えてカンヴァンスの上で総合した結果として知られるのが、セザンヌの多視点という表現です。ふたつの異なる視点の結節点にはいずれも白いテーブルクロスが配置されており、それらを繋ぎ合わせる役割を果たしています。抑揚と量感に富んだそのあり方は、果物を登場人物とした演劇の舞台装置にたとえることができるでしょう。

解説ボードより
「アルルカン」

切断/形態の抽象化
人物の表情や両手の描写が簡略化されており、モデルの性格や特徴にまつわ表現がきわめて抑制されています。ひるがえって際立っているのが、アルルカンの衣装に施された赤と黒の対比からなるひし形の格子模様であり、画面に幾何学的な秩序がもたらされています。直角を成している壁と床は一続きの平面として扱われており、画面上部では三日月形の帽子が、そして画面下部では右足が枠によって切り取られています。切断されたモティーフはそのもの自体であることから離れて、線描と色彩からなる抽象的な形態としての性格を強めています。

「砂糖壺、梨とテーブルクロス」

自律する芸術
白い砂糖壺を中心として、洋梨をはじめとするさまざまな果物が並んでいます。斜めに置かれた天板は画面の右下に傾いており、その上に置かれた数多くの果物の上部がそちらを向いていることから、果物が今にも転げ落ちるかのような錯覚に襲われます。右下方向への動感を保ちながらも空間に安定感をもたらしているのが、画面左側の量感に富んだテーブルクロスの存在であり、この装飾的な布の後ろにはひとつのりんごが隠れています。色彩や形態、動感や量感といったさまざまな要素を巧みに使いながら、絵画的な秩序に貫かれたひとつの世界を新たに形成するのが、セザンヌの特質であると言えます。

解説ボードから
「4人の水浴の女たち」

構築的筆触
さまざまな階調の緑が用いられた木々の生い茂る森の中で、4人の浴女が思い思いのポーズをとっています。規則的な斜めの筆触が連なっており、その連なりがゆえに画面に統一感がもたらされています。「構築的筆触」と呼ばれるセザンヌ独自の技法であり、短い筆触を同じ方向に連ねて筆触どうしの緊密な結びつきを生み出して、絵画そのものの自律性を高めるという効果を生み出すものです。両側の木による三角形の構図が画面を規定しており、そのなかにさまざまな姿勢の人物像をどのように配せばよりよい構成がうまれるのか、セザンヌの関心はこの店に向けられていました。

解説ボードより
「プロヴァンスの風景」

遠近法/面
強烈な光の降り注ぐプロヴァンス地方に典型的な農家の屋根が平坦な赤い面として捉えられており、空の青色と鮮やかな対照をなしています。前景に生い茂った木立が鑑賞者による視線の導入を妨げており、後景の農家へと至る道が画面の左下にほのめかされているものの、この道もまた木立の陰で途切れています。セザンヌの絵画空間の中に入り込むためには、遠近法という伝統に縛られることなく時間を掛けて、画家が独自に見出した秩序を辿らなければなりません。端緒となるのは、前景の木立の描写に顕著に見られる斜め方向の筆触の連なりであり、同じ方向の筆触の連なりが形づくる面を段階的に辿ることで、鑑賞者の視線はようやく後景の家へと到達します。

解説ボードより

モネの作品は正直ピンとこなかったが、セザンヌの作品はお気に入りになってしまい、3度見するくらいだった。作風に加え、写真撮影時の構図を考える参考になりそうに思えたからだ。

次はこちら。クリスチャン・マークレー<ドア>の展示室。
上映されていたのは、モノクロ時代から現在に至るまで古今東西の膨大な数の映画からドアの開閉シーン(登場人物がドアを開けて部屋を出入りするシーン)だけを集めて繋ぎ合わせコラージュ映像。映画の中で登場人物がドアを開けた瞬間に別の映画のシーンに切り替わり、そこで出てきた登場人物がドアを開けた瞬間にまた別の映画のシーンに切り替わる、というのが延々と繰り返される。一つのシーンは5秒ほど。同じようなシーンをつなぎ合わせただけながら、編集が上手なためか、つながりがありそうな感じにも見えたり、つながりが滑稽で笑えたりとついつい引き込まれてしまい、最後まで見てしまった。

美術館を出て、もうひとつの楽しみでもある「森の遊歩道」を散策した。

雨に濡れた葉の緑が美しい
霧が立ち込めてきた
みるみるうちに幻想的な眺めに
土と緑の匂いと水分を含んだ空気に包まれる
適度な湿度と日差しは苔の生育に最高の環境

美術館からバスに乗って強羅に戻る。そこで遅めのランチ。

ランチしたお店の庭にもきれいな苔が育っていた。

終日の雨できれいな景色は楽しめなかったが、ウェットで落ち着いた空気の中でゆっくりできて、よい休息になった。