蕎麦が旨くて困る。
昼メシの時間。
今日もジッと台所の棚を見つめ続ける私がいる。
棚の扉の奥には、ビッシリと買い溜めした蕎麦粉100%の乾麺がある。
食べちゃだめだ食べちゃだめだ食べちゃだめだ…‼︎
固く閉ざされた戸棚の隙間から漏れ出づる蕎麦のオーラに搦めとられて逡巡する中年男!
‥湯掻くか⁉︎…くそっ!手が鍋を掴むっ‼︎
…嗚呼、鍋に水を!…くっ…まだだっ‼︎…今ならまだ引き返せるっ…‼︎
葛藤が膠着状態に入る。
出会いは突然。
スーパー、乾麺コーナー。
その場の全てを衝動買い。
それから半年蕎麦三昧。蕎麦、蕎麦、蕎麦、蕎麦…。
昨日も食った。一昨日も食った。
誘惑に負けて食った。
食うまい食うまいと己に言い聞かせていたにも拘わらず、旨い旨いと蕎麦を啜っている始末。
問題は量。
一袋200〜250g、湯掻いて一人で全部食う。
油断していた訳ではない。それなりにカロリーが高いのを承知で啜りまくった。
結果、体重が増えた。
運動せねば、節制せねば、痩せねばと鍋を片手に葛藤すること数分。
…ざわっ…ざわっ!…ざわざわっ‼︎
意を決し、鍋の水を叩きつける様に流しに捨てて、鍋を片付ける。
…勝った‼︎…俺は…俺に…蕎麦に勝ったんだー‼︎
勝利のファンファーレが脳内に響き渡る中、その勢いで車に飛び乗りサラダチキンを買いにすっ飛んでいった。
ほんと蕎麦が旨くて困る。
#エッセイ #日記
