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「もう学校には行かない」小学校2年生の娘と1年後の運動会

「もう、学校には行かない」

小学校2年生の娘が、泣きながらそう言ったのは、運動会が終わったある日のことでした。

娘のクラスは、大学を卒業したばかりの女性の新任の先生。

娘は1学期の頃から、学校から泣きながら帰ってくることがありました。
「どうしたの?」
と娘に聞くと、「〇〇ちゃんに嫌なことされたの」

娘から聞く話をもとに、先生に相談。
けれど、その場に先生がいたわけではなく、問題は未解決。
些細なモヤモヤが娘の中で、溜まっていき、さらにその子の様子も変わらない。

それでも、1学期は休まず登校できました。


長い夏休み明けの2学期。
学級の様子はさらに悪化していました。

「お母さん、授業中、先生の声聞こえてこない」
「いっつも、授業中、喧嘩してる子がいる」
「先生にも、友達にも、死ねとか言ってる子がいる」

朝も夜も、休日も学校に行くのが嫌で泣いている娘。

先生に相談に行きましたが、解決する様子がなく、自分も何度か授業の様子を見に行きました。

保護者が見にきているのに、立ち歩く子、自由に大きな声で話す子、関係ないもので遊んでいる子。
確かに先生の声は聞こえてきませんでした。

帰ってから娘に聞いてみました。
「いつもあんな感じなの?」
「ううん。今日はお母さんが来てたから静かな方だったよ」

娘は毎日言ってました。
「Aちゃんに怒られるから、学校に行きたくない」
「でも、怒られるから、学校に行かないと」
「学校は行かなくちゃいけないから、行かないと」

毎日、車で送っていって泣きながら行きたくないという娘を、なんとか先生に預けて、私は仕事に行ってました。

でも、ある日言ったのです。
「私は、もう学校には行かない」

そうか、「学校に行きたくない」ではなく、もう「学校には行かない」なんだね。


リアルでもSNSでも、いろんな方に相談し、娘にとって最善の方法はなんだろうと考えた結果、転校という方法をとりました。



転校先は、とても全校児童が30人いない、小さな学校でした。
先生も、子どもたちも優しく娘を受け入れてくれました。

それでも娘は、その当時学校という場所が怖く、学校の門をくぐることができませんでした。


「学校、行きたくないけど、学校行かなくちゃ」
「でも、学校行かないと怒られるから学校行かなくちゃ」

学校に行かせることが正解か、無理せず休ませることが正解か。

何が正解か分からないまま毎日過ごしました。
パートの仕事を減らし、やめるべきか考えました。

救いだったのは、新しい学校の先生と職場の対応、そして自分がSNSをしていたことです。

新しい学校の教頭先生には、娘さんがいました。
娘さんは小学校6年生。
同じ学校に通っていますが、前の学校でのトラブルが原因で学校に通えてませんでした。

保健室登校や別室登校、オンライン登校でした。

そんな子どもさんの親である教頭先生は、娘にいつもこう声をかけてくれました。

「学校に来れて、えらかったね」
「来てくれて嬉しいよ。」

保健室登校の日にも、学校に行ってすぐに帰った日にも。
いつも「えらかったね」と声をかけてくれました。

保健室の先生も同じでした。
「学校に来たことがすごいよ」「行きたくないのに、学校に行けたのすごいことだよ」
「昨日、休んだけど今日は来れたからえらいよ」

そう声をかけてくれました。

母である私にもそうでした。
「大丈夫ですよ。いつか必ず、あの時はなんだったんだろう?っていう時が来ますよ。娘も、学校に行けないときがありましたよ」

学校の先生方の言葉に、娘と私がどれだけ救われたかわかりません。

職場の対応もそうでした。
「娘が、学校に行けないので休みを多くしてください」
「今日は、少し遅くなります」
申し訳ないと思いながらもそういう私に、職場の方は、「大丈夫だよ。うちの子もそうだったよ」と言ってくれました。

SNSでも、たくさん優しい言葉をもらいました。
学校に行けないのは娘が悪いのではない。
学校だけが絶対じゃない。
無理して行かせなくていいよ。

どこまで、娘の気持ちを汲み取ってあげるか
どうしたら、娘に少しでも学校が楽しいという気持ちを取り戻させてあげられるか

毎日悩んで休みの電話を入れ、これで良かったのかなと思う日々。
学校に連れて行ったけれど、行くだけでもう帰ると言う娘を連れて帰る日々。

そんな日々を繰り返す中、娘は自分から言いました。

今日は、教室に行ってみる
今日は、朝から学校に行ってみる


少しずつ、自分で挑戦し壁を乗り越えて、小学校 2年生の終わりには学校にみんなと同じように行けるようになっていました。



今日は、小学校3年生になった娘の運動会です。

小さな学校なので、娘の出番はとても多いです。
一人ひとりが主役の運動会。

娘は、小学校2年生でとても辛い経験をしました。
誰が悪かったかは分かりません。

ピカピカ1年目の新任の先生、一人では抱えられなかった問題だと思います。
学校も、補助の先生が入る余裕がなかったのかもしれません。
自由に発言していた子どもたちも、娘に特別、悪意があったわけではありません。


それでも、娘はとても辛い毎日を過ごしました。

ただ、それは娘だけの特別な体験ではないかもしれません。
同じように、学校に行けなくなる子もいます。


娘は、学校に行けなくなってしまったけれど、周囲の人に支えられてまた学校に楽しく行けるようになったのです。

娘は言いました。
学校に行きたくなかったとき、Bくん(クラスの男の子)がこう言ってくれたんだ。
「僕も学校に行きたくない時があったよ」
毎日、ニコニコ笑顔で登校するBくん。
そんなBくんにもそんなときがあったんだ。
私もそんな風になれるかな。
そう思ったの。

だから、娘にはこう言います。
もし、同じように学校に行きたくないっていうお友だちが来たら
「私にもそんな時があったから大丈夫だよ。」
って言ってあげたらいいよ。

本当に気持ちをわかってあげられるのは当事者でしかないから。


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