「情報はあるのに、知りたいことが分からない」令和8年熊本地震で感じた、災害時の生活情報の大切さ
※この記事は、2026年8月1日時点で確認できた情報をもとに執筆しています。災害時は状況が刻々と変わるため、利用前に自治体や運営元の最新情報をご確認ください。
※居住地域の特定を避けるため、筆者の地域で観測された震度は「震度5」と表記しています。
追記
2026-08-01
令和8年熊本地震 災害ボランティア事前登録受付が開始されました
▶︎ 八代市支援物資の受け入れ状況
▶︎ 宇城市支援物資の受け入れ
▶︎ 氷川町支援物資の受け入れ
地震が起きた、その瞬間
2026年7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。
気象庁はこの地震と、その後に続く一連の地震活動を「令和8年熊本地震」と命名。
熊本県の宇城市と氷川町では、最大震度7を観測しました。
そのとき私は、小学4年生の娘と、遊びに来ていた娘の友だちと一緒に家にいました。
突然、スマートフォンから緊急地震速報のアラームが鳴り響きます。
「地震です。地震です。」
「えっ、地震?」
考えるより先に、子どもたちと一緒にリビングの机の下へ潜り込みました。揺れはすぐに大きくなりました。
「大きい……どうしよう。」
子どもたちを守らなければという思いと、この揺れがいつまで続くのか分からない不安でいっぱいでした。机の下で身を寄せ合いながら、ただ揺れが収まるのを待つしかありませんでした。
幸い、自宅は本棚の本や小物が落ちた程度で、大きな被害はありませんでした。
それでも、これまで経験したことのないような恐怖を感じる揺れでした。
揺れが収まったあと、スマートフォンで情報を確認すると、熊本県内で最大震度7を観測する大地震だったことを知りました。
娘も、娘の友だちも「怖い」と話していました。
友だちの家族も心配しているだろうと思い、周囲の安全を確認したあと、自宅まで送り届けました。
ほんの数分前まで、子どもたちはいつもと変わらず遊んでいました。
その当たり前の日常が、緊急地震速報の音を境に、一瞬で不安と恐怖へ変わってしまいました。
情報はある。でも、本当に知りたいことが分からない
揺れが収まってからは、すぐに情報を集めました。
SNSを見ても、テレビを見ても、流れてくるのは震源地や最大震度の情報ばかりでした。
現地で実際に何が起きているのか、どこでどんな被害が出ているのか、生活に必要な情報はほとんど分かりませんでした。
熊本は、私が生まれ育った場所です。
実家があり、親族や友人、知人もたくさんいます。
「みんな無事だろうか。」
その思いで、まず親族へ連絡を取りました。
こういうとき、LINEグループは本当に便利だと感じました。一人ひとりに連絡しなくても、一度に安否確認ができます。
親族全員の無事が確認できたときは、本当に安心しました。
夜になると、テレビやインターネットで被害状況を確認しました。
その中で飛び込んできたのが、「イオンモール熊本で爆発」というニュースでした。
地震だけでも大きな災害なのに、その後に爆発事故まで起きたことに大きな衝撃を受けました。
「熊本で、一体何が起きているんだろう。」
被害の全容が分からないまま、不安だけが大きくなっていきました。
発災から2~3日、SNSにあふれた情報
翌日、SNSを開くと、地震に関する投稿が次々と流れてきました。
被害状況、支援の呼びかけ、避難所の情報、物資不足を訴える投稿――本当にたくさんの情報がありました。
「何か力になりたい」と思った人もいれば、実際に支援を必要としていた人もいたはずです。
しかし、どの情報が最新で、どれが正しいのかを判断するのは簡単ではありませんでした。
「物資が必要です」という投稿がある一方で、「今は被災地へ来ないでほしい」という呼びかけもあります。支援したい気持ちはあっても、情報が混沌としていて、何をすれば本当に役立つのか分からなかった人も多いのではないでしょうか。
そんななかで知ったのが、被災した人と支援したい人をつなぐ仕組みや、給水所、営業中の店舗、使えるトイレ、停電・断水などの生活情報を共有するサービスでした。
暮らしと支援をつなぐ、役立つサービス

1.生活情報共有サイト「イマココナビ」
「イマココナビ」は、令和8年熊本地震の生活情報を地域ごとに探したり、投稿したりできるサイトです。
スーパーやコンビニなどの営業状況、給水場、物資配布、使えるトイレ、断水・停電などの情報を確認できます。登録不要で閲覧でき、利用者が現地の状況を投稿・更新できる仕組みです。
ただし、掲載内容には利用者から寄せられた情報も含まれます。投稿時刻や最終確認の時刻を確かめ、可能であれば自治体や店舗などの公式情報と照らし合わせてください。
イマココナビは個人で運営されているサイトです。
地震が起きた次の日(7月29日)にサイトを立ち上げられ、2日目、3日目には被災地の多くの方が助かったと言われていました。


イマココナビの情報を地図で確認できる「災害ポータル」
株式会社Lbose(エルボーズ)が開設した「令和8年熊本地震 災害ポータル」でも、イマココナビに投稿された情報を地図上で確認できるようになりました。
イマココナビに集まった、スーパー、コンビニ、ガソリンスタンド、給水場、井戸水、物資配布、炊き出し、使えるトイレ、温浴施設などの情報を取得し、数分程度の時差でポータルのマップへ反映する仕組みです。連携を知らせる発表時点では、2,000件以上の情報が集まっていると案内されていました。
アクセスが集中して一方のサイトにつながりにくい場合や、地図から近くの場所を探したい場合は、二つのサイトを使い分ける方法もあります。
令和8年熊本地震 災害ポータル
2.「つなぐ掲示板」
「つなぐ掲示板」は、令和8年熊本地震に関するSNS上の支援情報を、地域別・項目別に探しやすく整理した掲示板です。
「水を届けます」「送迎できます」「宿泊場所を提供できます」「助けてください」といった、支援する人と支援を必要とする人の投稿を探せます。
掲示板そのものが支援の受付や仲介を行うのではなく、SNS投稿への「索引」として使う仕組みです。
連絡は掲示板上ではなく、リンク先の元のSNS投稿を通して行います。元投稿が削除されると掲示板からも表示されなくなるため、内容や投稿日時、募集が現在も続いているかを確認してから連絡してください。
また、命に関わる救助要請は掲示板やSNSだけに頼らず、119番などの緊急通報を利用してください。
3.「令和8年熊本地震 救援物資マッチング」
一般社団法人Think The DAYが公開した、被災者と支援者をつなぐ救援物資マッチングサイトです。
物資を必要とする人が受取先や連絡先、必要な物資を登録し、支援したい人がその内容を確認して届ける仕組みです。
個人情報の入力や物資の発送を伴うため、利用規約や最新の募集状況、受け入れ条件を十分に確認してから利用してください。
必ず、運営元や利用方法を確認したうえでの活用をお願いします。
4.自治体・公的機関の災害情報
民間の共有サービスは、暮らしに密着した情報を得るうえで大きな助けになります。一方、安全や避難、給水、道路、停電・断水などの重要情報は、熊本県や各市町村、気象庁などの公式発表も必ず確認することが大切です。
SNSで見つけた情報だけで判断せず、「いつ発信されたのか」「発信元はどこか」「すでに更新・訂正されていないか」を確かめる。それだけでも、古い情報や誤情報の拡散を減らせます。
気象庁「令和8年熊本地震」ポータルサイト
被災した人が本当に必要としていた情報
支援が必要な人、支援したい人が知りたいのは、震源や最大震度、被害状況だけではありません。
水はどこでもらえるのか。
ガソリンは入れられるのか。
スーパーは営業しているのか。
病院は診療しているのか。
必要なのは、そうした「今日を生活するための情報」です。
生活情報が地域ごとに整理され、必要な人へ届く仕組みはとても大切だと感じました。
同時に、こうした仕組みを災害が起きてから急いでつくるのではなく、平時から地域ごとに用意しておけたら、さらに役立つのではないかとも思いました。
災害は地震だけではありません。台風や豪雨、大雪など、いつ起きてもおかしくありません。
普段から地域の生活情報を共有できる仕組みがあれば、いざというときにも、必要な情報へたどり着きやすくなるはずです。
離れた場所にいる私たちにできること
被災地から離れた場所にいる私たちにも、できることがあります。
ただし、支援したいという気持ちだけで、災害直後に被災地へ向かうことが最善とは限りません。
人命救助や緊急車両、支援物資の輸送が優先される時期に多くの人が現地へ向かえば、道路の混雑などによって救助や復旧の妨げになるおそれがあります。
支援物資についても、個人で被災地へ持ち込むことは控える必要があります。自治体によっては、個人からの救援物資の受け入れを停止しています。何かを届けたい場合は、自治体や支援団体が公表する必要物資、受け入れ先、送付方法を必ず確認してください。
現地へ行けなくても、できる支援はあります。正しい情報を確かめ、本当に必要な情報を必要な人へ届けることも、大切な支援の一つです。
募金や物資支援を行う場合も、自治体や社会福祉協議会、実績の確認できる支援団体など、公式に案内された窓口を利用することが大切です。
応援のメッセージや、復興を願う気持ちの発信まで控える必要はないと思います。
ただ、被害情報や救助要請、物資不足などの情報を投稿・拡散するときは、一度だけ立ち止まって考えてみてください。
その情報は、いつ、誰が発信したものでしょうか。
今も必要とされている情報でしょうか。
被災した人の助けになる情報でしょうか。
情報を発信することも、拡散することも、誰かを助ける力になります。
だからこそ、「今、本当に必要な情報は何か」を考えて発信することが、被災地を支えることにつながるのではないか。
今回の地震を通して、私はそう強く感じました。
2016年に発生した熊本地震から、今年で10年。
この10年間で、熊本県は最大震度7を3度経験したことになります。
2016年の熊本地震では、4月14日と16日の約28時間の間に、益城町で震度7を2度観測しました。同じ観測点で震度7を2度観測したのは、気象庁の観測史上初めてのことでした。
そして10年後の2026年7月28日。
熊本は再び最大震度7の揺れに見舞われました。
被災地では、余震への恐怖が続くなか、停電や断水が発生し、35度を超える厳しい暑さのなかで避難生活や復旧作業を続けている人たちがいます。
宇城市では、地震発生前から11日連続で最高気温35度以上の猛暑日が続いていました。
現地にいない私には、その不安や苦しさのすべてを想像することはできません。
それでも、強い余震への恐怖を抱えながら、水や電気が十分に使えない状況で過ごすことが、どれほど心細く、過酷なことか。
だからこそ、「何かしたい」という気持ちだけで動くのではなく、今、現地で本当に必要とされている支援を確かめることが大切です。一般ボランティアの募集が始まる前に現地へ向かったり、個人で支援物資を持ち込んだりするのではなく、自治体や社会福祉協議会、支援団体からの正式な案内を待つ。それも、被災地を混乱させないための大切な支援だと思います。
善意が、善意として正しく必要な人に届きますように。
参考情報・関連サイト一覧
地震に関する公的情報
生活・支援情報サービス
ボランティア・支援物資
被災地の暑さ・生活状況
被害に関する報道
※災害情報や募集・受け入れ状況は随時更新されます。各ページの掲載日時と最新情報を確認してください。
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