90年代初頭の日本産SFアクション『ゼイラム』を観たら色々と脳を灼かれた
⚠️この記事は映画『ゼイラム』のネタバレを含みます
この前、U-NEXTで配信されていて、以前から気になっていた映画『ゼイラム』を観てみました。『ゼイラム』は特撮作品の『牙狼』シリーズを手掛けた雨宮慶太氏が監督を務めた作品であり、1991年に公開された映画です。かなりお金がかかったように見えますが、約3000万という当時からしても低予算で製作されたようです。
ストーリーは単純明快です。脱走して地球を目指している凶暴な生物兵器ゼイラムを森山祐子演じる異星人の賞金稼ぎイリアと相棒の人工知能ボブが狙います。そこに地球人の電気工事屋のお兄さん(鉄平)と上司のオッサン(神谷)がなんやかんやあってこの戦いに巻き込まれてしまいます。作品名でもある「ゼイラム」は敵の異星人(生物兵器)の名前なのです。
本作はイリアが主人公だと思われるかもしれませんが、映画本編を観ると、巻き込まれた地球人の男2人もまた主人公級にスポットライトが当たります。彼らは賞金稼ぎの仕事に巻き込まれてしまい、迷惑を被った側ですが、イリアたちと協力してゼイラムと戦うことになります。
イリアとボブはゼイラムが地球にやってくることが分かっているので、地球に先回りして待ち構えます。ゼイラムを迎え討つリングは地球上に設置した「ゾーン」と呼ばれる異空間上に展開する街というか結界であり、そこにはイリアとゼイラム、そしてたまたまゾーンへ飛んでしまった電気工事屋の二人だけがいます。現実世界と「ゾーン」はイリアの持つ装置で行き来できますが、しかし……
気になる方は本編を視聴してください。
○ゼイラムのキモい造形が革命的
ゼイラムは第一形態から第三形態まであります。第一形態はシルエットこそ西部劇に登場するガンマンのような風貌ですが、ハットのように見える部分の中央には能面のような白い顔がついています。これは単なる仮面ではなく、本物の人間の顔に白い化粧をして撮影しているものっぽいです。
しかも、不気味なことに『エイリアン』シリーズに出てくるゼノモーフのインナーマウスのように飛び出て攻撃に利用することもできます。ゼノモーフのインナーマウスというか、ゼイラムのそれはもっと蛇のような生々しい感じでウネウネしていて不気味さがゼノモーフのそれを上回ってさえいます。
ゼイラムは第二形態は頭がデカく、肉が全然ない骨格だけの姿といえます。エイリアンクイーンに見えなくもないです。でも、エイリアンすら凌駕するほどの生理的嫌悪感を引き起こす気持ち悪さを持っているので、この手のクリーチャーが好きな人は「一目惚れ」するのは間違いないでしょう。第三形態は骨格のような第二形態から一転して、めちゃくちゃキモいです。
○ターミネーターでありゼノモーフ!ゼイラムの強さ
ゼイラムは銃弾を通さない鉄壁の防御力を誇ります。その様子はさながらターミネーターに銃弾がきかない感じです。久力が高いだけではなく格闘戦も非常に強いです。当初、イリアはゼイラムの戦闘力を過小評価していたフシがありますが、実際に戦うとけっこうボコボコにやられます。
ただ、第二形態、第三形態と変身するにつれて強いイメージは薄れていきます。アクションも格闘をするというより、暴れ回る感じに近くなります。
○戦うヒロイン、イリアに80・90年代を感じる
森山裕子さん演じるイリアは美しい。とにかく美しい。性格はクールで自信家。上から目線で自己チューにも感じられる美女ですが、電気屋二人組を厄介者扱いする面も見せますが、だんだんと接し方が変わってきます。
そしてイリアは大小様々な武器を使いこなす熟練した賞金稼ぎです。戦闘スーツに身を包み、近接格闘もこなします。
SFと美少女戦士の相性っていいですよね。イリアは桂正和先生の作品に出てきそうな雰囲気すらあります。90年代の日本的SFは非日常的空間からやってきた美少女がキャラクターとして重要な気がします。
このように、映画『ゼイラム』はSFアクション、美少女アクション、ゆるいコメディがいい感じに混ざり合っていて僕は個人的に楽しめました。
当時は興行収入的には大きなヒットにはならなかったようですが、そんなことを気にする必要はなく、十分に名作だと思います。こんな映像作品が91年の日本にあったのかと驚いてしまう作品でした。令和の現代でリメイクして欲しいくらいです。
『ゼイラム』は『ゼイラム2』やアニメ作品もあるそうなで、そちらも視聴してみようと思います。U-NEXTでは観れないようなので、観られる配信サービスを探してみます。
