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ポテンシャライトが「Grow Up Ventures」を手放した先に辿り着いた新パーパス・スローガンについて

「Grow Up Ventures」

これはポテンシャライトのミッションです。このミッションを掲げてこれまで走り続けてきました。

日本のベンチャー企業を支援し、成長を後押しする。その想いを軸に、様々な経営・事業活動の判断をしてきました。

ただ、ポテンシャライトが9期目に入った今、特に直近3年間にさまざまなことが発生し続け、その「前提」を見つめ直さなくてはならないタイミングが訪れています。

自分たちは何のために存在しているのか。
これからの社会において、どんな意味を持つ組織でありたいのか。

このブログでは、僕らがどのように考え、どんな文脈の中で次の道を選んだのかをお話ししたいと思っています。


1. 2023年2月、転換点のはじまり

1-1. これまでの延長線上にあった確信

2023年の2月。
ポテンシャライトは、明確な確信を持っていました。

「ベンチャー採用・転職のstandardをポテンシャライトに。」

この当社のビジョンは、体現されつつありました。ここで言うstandardは、3つの指標で定義しています。

  • クオリティ(顧客満足度)

    • NPS:+65 (Appleやリッツカールトンと同等の数値)

  • 発信数

    • ゼロイチのブログ執筆数:年間150本 (同業対比 10倍前後)

  • 認知度

    • ベンチャー×採用支援企業の認知度は日本でNo.1を目指す

    • 認知度の調査はしておりませんが、手応えは十分にある。

これらの目標設定(項目)と実態があり、ある程度想定していた状態にたどり着くことができていました。

また、上記の3項目に内包されていない「提供サービスの幅」はどんどん増えていき、HRの枠組みでは、労務以外はほぼ全て提供することができてきた。また、そのすべてのサービスにおける顧客満足度も10点満点で9.1が平均となっていました。

当社の主力サービスであり、唯一無二の強みを持つ「採用ブランディング」という概念も徐々に市場に浸透してきた。メンバーそれぞれの専門性も高まり、社内には一定の自信がありました。

“このまま走れば、さらに上に行ける”

そんな空気があったと思います。

ただ、その「順調さ」の中に、見過ごせない小さな「揺らぎ」がありました。それは“達成感”と同時に、“この先の明確な道筋が見えにくなってきている”という感覚です。

「Grow Up Ventures」という言葉に込めた想いは変わっていなかったものの、成長を支援するという行為の先に、どんな社会的価値があるのかを問い直す必要があると感じ始めていました。

僕らはこの頃から、無意識のうちに“次のフェーズ”に入っていたのだと思います。


1-2. Missionを再定義しようとした日

2023年2月の経営ミーティングで、最初に出た言葉はこうでした。

「Missionをもう一度、定義し直そう。」

掲げていたミッションは「Grow Up Ventures」。このミッションをさらに変換すると、

日本からGoogleやFacebookのような企業を生み出す

という壮大なものでした。日本で最も株式時価総額が高い企業はトヨタさん。地価総額は日々変動しますが40兆円程度。当時2023年時点で最も世界的時価総額が高かった企業はAppleやGoogle。この2社様は300兆円程度の時価総額0つまり、AppleやGoogleのような企業を生み出すと言うミッションは、日本企業の最高傑作であるトヨタさんの7.5倍の企業を当社の手で創り出していく、ということ。

このミッションに対して心を燃やして、本気で追いかけることができる人材を募っていき、そして僕自身もかなりコミットして追いかけ続けてきました。

日本企業からGoogle Appleを生み出していくことを本気で取り組んでいくことを追求していく際に、それを実現するために自分たちは何にコミットしているのか。具体的に“どこまでの領域を支援するのか”が、少しずつ曖昧になっていたと思います。

当時の議論では、いくつかの案が挙がりました。

  • シードからシリーズA、Bへの押し上げに特化する。

  • 上場企業の創出をする。

  • メガベンチャーの採用基盤を整える。

  • HR以外の「経営資源支援」にまで踏み出す。

結果として、当時(2023年)の経営としての意思決定はシンプルでした。

「HRのの専門領域を突き詰めていく」

それ以外の領域は、それぞれの専門家・専門企業が存在しているため、当社は採用・人・組織に対して圧倒的な価値を出していく。

当時のフェーズでは、明確な集中こそがポテンシャライトの成長を支えていたと感じていました。

ただ、その後の2年間で、環境は大きく変わりました。


1-3. 変化の波の中で見えてきた“限界”と“問い”

2023年以降の「社会」は、驚くほどのスピードで変化しました。

  • 生成AIの登場

  • 価値観の多様化

  • 労働市場の構造転換。

ベンチャー支援という文脈の中にも、新しい競合やモデルが次々と現れていきました。

そして「社内」でも、いくつかの出来事が起こりました。

  • ミドル層の退職

  • 事業体制の転換

  • HRI部門の競争環境の変化。

事業を「どのように再定義するか」という議論が日常的に行われるようになっていきました。

それらを通して、僕の中にひとつの感覚が生まれました。

“これまでの成功モデルを、もう一度分解しなければならない”。

Grow Up Venturesという言葉は、たしかに僕らの基盤をつくってくれた。ただ、それは線形の成長を前提としたミッションでもありました。

上場、拡大、成功。

どれも大切な指標ですが、それだけでは語れない複雑な現実が目の前に広がってきたのです。

経営の中でも、「Visionは据え置き、Missionの解像度を上げよう」という方向で整理を行いました。ベンチャー採用・転職のスタンダードをつくるというビジョンは変えずに、その“どうやって”の部分をもう一段深く掘る。

ただ、この思考の延長線上には、限界がありました。“Missionの深掘り”ではなく、“存在理由そのもの”を問い直す必要がある。それが、後に続く再構築のきっかけになっていきました。

この時期の僕らは、ある意味で「順調さの裏側にある静かな転換期」に立っていたと思います。

外部から見れば筋肉質なクオリティを求める会社。
内側では、確かな違和感を抱えていた会社。

このくらいの時期から、ポテンシャライト(山根)は、「システム」と「文脈」を捉え直すフェーズに進んでいきます。

2. “文脈思考”と“システム思考”の中で見えた違和感と可能性

2-1. 見え始めた“部分最適”の壁

僕らが事業を重ねていく中で感じていたのは、

「特定の(数社)のベンチャー企業の成功」が「日本の成長」「世界の幸せ」に直結しているのか?

いう問いでした。

採用を支援し、採用力を高め、成長を促す。それは間違いなく価値のある行為です。ただ、その延長線上に“社会の幸福”があるかというと、そう単純ではない。

一つ蛇足ですが、僕は社内外の方々にこのような問いを提供することがあります。

「あなたが成長したい理由は何ですか?」

その回答としては、

  • 自分自身でキャリアを選択できるようになりたいから

  • 自由にしたいから

  • 特にない

などの様々な理由があります。ただもう少し深掘りをしていくと、

「自分自身で自由にキャリアを選択できるようになりたい理由は何か?」

という問いを提供すると、下記のような回答をいただくことがあります。

  • 正直、自分が楽をしたい

  • 年齢が高くなったときに自由奔放でありたい

  • 恥ずかしくない自分になりたい

  • 両親に楽をさせたい。

  • 幼少期並びに子供の時に苦労したため、そうなりたくない

  • 幸せでありたい

ここでふと気づいたのですが、僕らが成長追い求める理由を深ぼっていくと、最終的に「個人・周り(家族)の幸せ」にたどり着くことが多いなぁと思っていました。僕もそうです。

そのため、本ブログをご覧いただいてる皆様も自問自答していただければと思うのですが、

「御社のミッション、ビジョンが達成した暁にどのような自分・世の中でありたいですか?」

という問いに相対してみていただきたいです。またそこで創発された回答について、「それはなぜか」を2回ほど繰り返していただきたいのです。

僕らポテンシャライトは「Grow Up Ventures」「ベンチャー採用・転職のstandardを創りたい」というミッションとビジョンがあるのですが、このミッションやビジョンを達成した暁に、山根・ポテンシャライトは、どのような世の中・日本にしたいのか?

このような問いを自分自身に提供し続けていた、そんな時期でした。

話を戻します。

「特定の(数社)のベンチャー企業の成功」が「日本の成長」「世界の幸せ」に直結しているのか?

前述したこちらについて、僕らは日本の特定の企業においてオールスターを作り、その企業がGoogleやFacebookのような世界的に売り上げが高い企業を作った場合にミッションが達成した!と言えるものなのか?その先にある僕が追い求めたい世の中は、

「日本がワクワクした状態」

でしたので、その特定企業や特定領域の部分、最適の全体最適になるとはあまり考えにくいなぁと感じていました。

例えば、一つの会社の採用が成功しても、業界構造全体で見れば他社のリソースを奪っているかもしれない。短期的に見れば雇用が増える。ただ、長期的に見ると日本全体の人口減少という構造に抗えていない。

つまり、僕らが支援している“局所的な成功”が、世の中(世界・地球規模)で見れば“全体の歪み”を生んでいる可能性がある。

このくらいの時期から、「部分最適」と「全体最適」という言葉を探究するようになりました。これは、社内に対して同じことが言え、

  • 経営の全体最適は、事業部の部分最適にはならない。

  • HR業界の部分最適は、日本の全体最適にはならない。

  • そして、日本の最適化は、地球全体の最適化とは違う。

これらを一つの線でつなげようとすると、
“人間社会そのもののシステム構造”を見直す必要があると感じるようになったのです。


2-2. 地球というシステムの中で生きているという事実

前項目で追求し続けていた「問い」を探求していると「地球」についての実態に、吸い寄せられるように辿り着きました。

いくつかデータをご覧ください。

上記は「人口」についての内容です。
僕らが暮らすこの地球では、いま何が起きているのか。数字を見れば、それは明らかです。

西暦1800年、世界人口は10億人。
そこからわずか200年の間に、80億人へ。
1000年かけて1.5倍だった増加率が、たった50年で倍増するような世界になっている。

これは「線形的」な増加ではなく、「幾何級数的」な増加です。

「線形的」「幾何級数的」という言葉について
「線形的」「幾何級数的」の事例

「幾何級数的」についてですが、前述した人口だけでなく、資源消費、CO₂排出量、気候災害の発生頻度。どれも同じように、指数関数的に膨張しています。

また、この「幾何級数的」な増加は、僕らが生活している地球を着々と蝕んでいたのです。

Herrington の論文「Update to limits to growth: Comparing the World3 model with empirical data」
(発表:2020年11月/雑誌掲載:2021年6月)

↑ 僕らの生活に直結をする内容についても影響が及びます。こちらの4つの表は、地球がどのような状態になるのか?を記載をしたものです。各項目の説明ですが、

  • Resources(資源):地球上の非再生資源(石油・天然ガス・鉱物など)の残量を示す。

  • Food(食糧生産):世界全体の食料供給量・生産能力を示す。

  • Industrial Output(工業生産):世界の総工業生産量、つまり経済活動の規模を表す。

  • Population(人口):世界人口の総数を示す。

  • Pollution(汚染):工業活動や人口増加に伴う環境汚染の総量を示す。

例えば「Food」は何もしない限りこれから減少し続けます。僕は食べることが大好きです。もし僕らが何も対策をしていなければ、おそらく「Food」はこれから無くなり続けます。左上のグラフを見ると2010年頃にMax値となり、2050年頃には半分程度になります。

つまり、僕らは「経済成長」をさせるにあたりたくさんの資源(Resource)を使ってきました。それらの影響が、地球の存続危機の加速させてしまっていたら、皆さんはどう感じますでしょうか?

僕は、「成長」と「持続可能性」がトレードオフの関係になっていると僕は感じていました。


2-3. “人間の仕組み”そのものが限界を迎えている

資源が少なくなれば、戦争が起きる。
食糧が減れば、倫理が崩壊する。
原油が枯渇すれば、物流も社会も止まる。

そんな未来の予測がいくつも想定できてしまいます。これはSFではなく、現実の延長線上にあるものです。地球の限界は、単に環境の話ではありません。僕ら人間の“価値観”の限界でもあると思っています。

産業革命以来、私たちは「成長」を正義とし、「増やす」ことを目的としてきました。人口を増やす、売上を増やす、生産を増やす。すべてが“右肩上がり”を前提に設計されてきました。

ただ、地球という有限のシステムの中では、この思想そのものが矛盾を孕んでいる。

そしてこの構造は、社会のいたるところに現れています。企業のKPI、国家のGDP、個人のキャリア。すべてが「増やす」ことを目指し、そのために他を削る仕組みの中で動いています。

もはやこれは「戦略」の問題ではなく、
“人間社会のOS” そのものを更新しない限り、持続しない構造に入っていると思っています。


2-4. だからこそ、視座を“地球”に合わせる必要がある

上記を知ったとき、僕は迷いました。なぜならば、

GDPを上げれば上がるほど、CO2排出量が上がる

これに気づいてしまったからです。

僕らの行動のすべてが、地球というシステムに影響している。その事実を自覚することが、システム思考の第一歩だと感じています。

CO₂排出量は、「人口 × GDP × エネルギー効率 × 化石燃料比率」で決まる。これをシンプルに言えば、「人の数」と「豊かさ」と「生活の仕方」が、地球の存続を左右しているということです。

つまり、“ビジネスマンとして”の前に、“人間として”、その前に、“地球人として”、どんな在り方を選ぶかが問われている。

何が正解、と言いたいわけではありません。これは僕ら人間にとって、社会人にとって最も大きい問いの1つだと思います。

ポテンシャライトがこれからの時代に果たすべき役割は、この構造を理解した上で、「人」と「組織」と「地球」を一つのシステムとして扱える存在になることだと思っています。

本項で書いてきたことは、少し大げさに見えるかもしれません。ただ、世界が幾何級数的に変化している中で、僕ら自身も思考を線形ではなく、“立体的”に変えていく必要がある。

そして「Grow Up Ventures」を成し遂げていくにあたり

「日本のGDPを上げていくんだ!」

と自分たちが信念を持って取り組んでいくことによって、日本の破壊に寄与してしまう可能性がある。

僕らは再定義を求められていると感じました。

3. 「問い」とは何か

3-1. 「課題」と「問い」は違う

当社のカルチャーの「issue driven」

僕らは長いあいだ、「課題」を解決することに価値を置いてきました。
採用活動の中で課題を特定し、打ち手を考え、改善を繰り返す。それは企業を前進させるために不可欠なプロセスであり、僕らの専門領域でもあります。

ただ、気づけば「課題解決のプロ」であることがゴールになっていました。課題を解いても、次の課題が生まれる。それを繰り返すうちに、どこかで“同じ循環の中にいる”ような感覚を覚えるようになりました。

課題とは、「理想」と「現実」のギャップを埋める施策のようなものです。ものです。ゴールが明確で、分析をすれば解き方が見えてくる。理論的に整理すれば、論理的に“終わらせること”ができる。

一方で、「問い」は違います。
問いは、今ある前提を一度壊すことから始まるものです。既存の知識や経験では答えが出せず、自分の枠組みの外にあるものを見に行く行為。

だからこそ、問いには終わりがない。むしろ、問いを持つことそのものが、思考を深め、行動を変え、世界の見え方を変えていく。

課題は「どうやって」解くかを問うもの。
問いは「なぜそれを解くのか」「そもそも何を目指すのか」を問うもの。
課題は“閉じた世界”で解決できる。
問いは“開いた世界”でしか意味を持たない。

この違いを理解したとき、僕らの仕事の捉え方が変わり始めました。そして、これからの時代は課題解決脳では限界であると僕自身が思っています。だからこそ僕らはこれまでのパラダイムを出して新しいパラダイムに変換しなくてはならないと強く思っています。


3-2. 問いが生まれる場所

問いは、ロジックの中からは生まれません。生まれるのは、違和感の中からです。

「なぜこの施策はうまくいかなかったのか?」

と考えるとき、そこにはロジックで説明できる“課題”と、言葉にならない“違和感”が同居している。多くの人は前者(課題)を分析しようとします。ただ、本当に大切なのは、後者(問い)に残る感覚のほうだと思っています。

違和感は、まだ言葉になっていない“問いの種”です。そこに目を向けることで、これまで見えていなかった構造が少しずつ見えてくる。

たとえば、採用であれば、

「なぜこの会社には人が集まらないのか?」という課題の裏には、
「この組織は、そもそも何を大切にしているのか?」
「人がここで働く意味は何なのか?」
という“問い”が隠れていることが多い。

問いは、関係性の中からも立ち上がります。組織の文脈、社員の言葉、経営者の意志。それらがぶつかり合う場所で、初めて本質的な問いが浮かび上がってくる。

また、問いは“まだ問題化されていない違和感”から生まれるものです。
課題は「ギャップを埋める」ものですが、問いは「意味をつくる」もの。

そのため、問いには論理ではなく物語が必要になる。
つまり、解く力よりも、“感じる力”のほうが重要になってくるのです。


3-3. 問いを持つということは、未来に関わるということ

社会の変化は、これまで以上に速く、そして複雑になっています。
AIの台頭、環境の変動、価値観の多様化。わずか数年で「常識」は塗り替えられ、昨日の正解が、今日の間違いになります。こうした環境では、「答えを持っていること」に意味がなくなりつつあります。

必要なのは、「問いを持ち続けること」。

問いを持つということは、変化を受け入れるということ。
変化の中で、自分のあり方を探し続けるということ。

問いは「解決」ではなく「創発」のプロセスです。
一度答えを出しても、次の問いが自然と立ち上がる。
それは、組織の中でも、個人の中でも同じです。

ポテンシャライトにとっての問いは、事業上の戦略ではなく、存在そのものを問う姿勢です。

「この会社は何を支えたいのか?」
「人と組織の関係性を、どう再定義するのか?」
「働くことの価値を、もう一度考え直すとしたら何から始めるのか?」

こうした問いを持つことが、未来を引き受けるということだと思っています。それは、結果を保証しない態度でもあります。ただ、不確実な時代において“保証されていること”ほど危ういものはない。

僕らは、「答えを持つ会社」ではなく、「問いを持つ会社」でありたいと思っています。それが、社会と共に変化し続けるための方法だと感じています。

4. 新しいパーパス

4-1. 発表に寄せて

ここで、ポテンシャライトが新たに掲げるパーパスをお伝えします。

僕らの新しいパーパスは、


この言葉にたどり着くまでに、長い時間がかかりました。
ただ、社会の変化を見つめていく中で、“これからの時代は、答えを出すことよりも、問いを持ち続けることが重要になる”と強く感じるようになりました。

世の中の変化は、もう「予測して備える」スピードではなくなっています。つまり、過去の成功体験の模倣したり、過去の失敗体験を問題解決型で次の施策に当たり、と言うこれまでのパラダイムが通用しなくなってると個人的には思います。実証と修正のサイクルが極端に短くなり、“答え”と呼ばれるものが、数ヶ月もしないうちに変わってしまう。

以前まで目指していたものを、自らの手で変えざるを得ない瞬間が訪れる。その現実を前に、僕は「もはや答えを持つこと自体が目的になってはいけない」と思いました。

だからこそ、ポテンシャライトは「問い続ける」を選びました。答えを一度出して終わるのではなく、社会や環境の変化に合わせて自らを更新し続ける。そのあり方こそが、いまの時代における誠実な経営だと感じています。


4-2. 「問い続ける」という言葉に込めた意図

この言葉には、僕自身の中にある“視座を広げていく必要性”という感覚が根底にあります。

地球規模で見ても、環境は急速に変化している。
資源は減り、人口は揺れ動き、社会構造そのものが過渡期にある。
僕ら人間がつくってきた仕組みの多くが、すでに限界に近づいている。

そうした現実を前にして、「会社単位」や「業界単位」の視点だけで考えることに限界を感じました。

僕らの見る景色を、もっと広げなければならない。
そうした感覚が、まるで“上から降りてきたように”訪れたのを覚えています。それは理屈ではなく、直感的な確信でした。自分たちの行動を、地球というシステムの中で見なければならない。そのためのキーワードが「問い続ける」でした。


4-3. 個人 → 会社 → 日本 → 地球

「問い続ける」は、四つの層を横断する概念です。
個人、会社、日本、地球。
それぞれの層で、僕らが持つべき視点を改めて整理してみたいと思います。

個人
自分の幸せとは何か。どんな仕事をして、どんな生き方を選びたいのか。これまで当たり前だと思ってきた選択を、もう一度丁寧に問い直すこと。それが「自分を生きる」という行為の本質だと思っています。

会社
個人の幸せを支える場所であると同時に、社会全体のシステムの一部でもあります。だからこそ、会社としても常に自分たちの存在意義を問い直さなければならない。自社の利益が業界の発展を阻害していないか。自社の成長が地球の未来を損なっていないか。この視点を持つことが、これからの企業にとって不可欠だと思っています。

日本
さらに視野を広げると、日本という国があります。
少子高齢化や経済の停滞、資源の制約など、日本は世界の中で最も早く“成長の限界”を体験する国だと思っています。
ただ、そこにこそ可能性がある。成熟社会としての新しい幸福の定義を発信できるかどうか。僕らが問い続けるのは、「経済的な豊かさの先に、どんな生き方があるのか」というテーマでもあります。

地球
地球は、いま明確な警告を出しています。
環境、資源、気候、すべてが限界に近づいている。それでも人間社会は、右肩上がりの成長を前提に動き続けている。
この構造をどう変えていけるのか。「人間の幸せ」と「地球の幸せ」を両立させるにはどうすればいいのか。この問いを立て続けることが、僕らの存在意義だと思っています。


4-4. 全体最適を問い続けるという意思表示

僕がこのパーパスで伝えたいのは、
「全体最適を問い続ける」という意思表示でもあります。

自分の部分最適が、会社の全体最適とは限らない。
会社の部分最適が、業界全体の最適にはならない。
業界の成功が、日本や地球の幸せにつながるとは限らない。

この構造のままでは、どこかでシステムが崩れてしまう可能性があります。
だからこそ、僕らはそれを“問い続ける”ことを選びました。

どうすれば、個人の幸せと会社の幸せ、日本の発展と地球の持続が共存できるのか。その方法を、永続的に、何度でも問い直していきたいと思っています。

僕らが「問い続ける」という言葉を選んだのは、終わりのない探求の中で、より良い全体最適を模索し続けるという、ポテンシャライトの意志を表すためです。

5. 新しいスローガン

5-1. ミッションからスローガンへ

ポテンシャライトの原点は、「Grow Up Ventures」 というミッションです。
ベンチャー企業を支援し、日本から新しい価値を生み出すという想い。この言葉は、僕らが歩んできたすべての基盤であり、数え切れないほど口にしてきた言葉です。

ただ、社会の構造が変わり、技術が進化し、地球環境が限界を迎えようとしている今、僕らは“ベンチャーを支援する”という枠の中に留まることができなくなっていきました。成長のための成長ではなく、より大きな文脈の中で問い直す必要があったのです。

ミッションの思想はそのままに、
より広い視座から社会を見つめ直した結果、僕らはこの新しい言葉にたどり着きました。
それが、

新しい「スローガン」

です。


5-2. “Adventures”は“Ventures”を内包する

“Ventures”という言葉は、スタートアップや挑戦の象徴です。
ただ、“Adventures”という言葉は、それを包含しながらも、さらにその外側にある概念を指しています。

つまり、“Ventures”を無くすのではなく、Venturesを含み、その先へ進むもの。ベンチャーに挑む精神を持ちながらも、その対象を人や組織、社会、地球へと拡張していくという発想です。

僕らは、「Grow Up Adventures」=“Grow Up Ventures”の思想を拡張した次のステージ として位置づけています。挑戦は続く。ただ、その挑戦は“未知に踏み出す冒険”へと変わった。それがこのスローガンに込めた意味です。


5-3. 冒険とは何か

“冒険”とは、未知の場所に足を踏み出す行為です。そしてそれは、成功が保証されたものではありません。

船が漂流するかもしれない。
仲間を失うかもしれない。
命を懸ける必要があるかもしれない。

僕はこの言葉を決めるとき、シャクルトンが率いた「南極海からの脱出」の話を思い出していました。

氷に閉ざされた船の中で、極限の寒さと恐怖に耐えながらも、彼は仲間を信じ、全員を生還させた。その“人間の尊厳”と“希望を手放さない精神”こそが冒険の本質だと思っています。

今の時代も同じです。地球環境は急速に変化し、AIの登場が社会の仕組みを塗り替え、これまで信じてきたルールが次々と崩れていく。
僕らはすでに、“航路の見えない時代”を生きている。だからこそ、このスローガンに“Adventures”を掲げる意味があると思いました。

冒険とは、生半可なものではありません。
安全な道を歩むことではなく、誰も歩いたことのない場所に足を踏み出すこと。そして、その一歩によってしか、新しい道は生まれない。ポテンシャライトは、その“道なき道”を共に歩む会社でありたいと思っています。


5-4. 「Adventures」の4つの対象

“Grow Up Adventures”というスローガンのもとで、
僕らが共に歩みたい“冒険者”を4つの領域に定義しています。

  1. 新しい価値を生み出す企業(New Value Creators)
     世界にまだ存在しない価値を創造する企業。
     新しい市場、新しい文化、新しい概念をつくり出す挑戦者たち。

  2. 社会課題を解決する企業(Social Issue Solvers)
     環境・教育・テクノロジー・地域創生など、
     社会全体の構造をより良く変えようとする冒険者たち。

  3. 思想が優れた支援・受託企業(High-Ethos Supporters)
     他者の成功を支え、共に歩む支援者たち。
     利益ではなく“志”で動く姿勢を持つ人たち。

  4. 業界全体を良くしようとする企業(Industry Catalysts)
     競争ではなく共創を選び、
     業界そのものの幸福を目指す挑戦者たち。

これらの4つの冒険者たちは、いずれも“Grow Up Ventures”の精神を受け継ぎながら、より広い文脈で“社会全体の成熟”を目指しています。僕らはそのすべての冒険を、共に歩む存在でありたいと思っています。


5-5. 生半可ではない場所にスローガンを置く理由

このスローガンは、単なる言葉の置き換えではありません。
“Adventures”を掲げるというのは、覚悟を掲げることだと思っています。

冒険とは、必ずしも明るい未来を約束するものではない。時には嵐に遭い、迷い、傷つくこともある。それでも一歩を踏み出す。

僕らが生きているこの時代は、まさにその“航海”の中にあります。AIが進化し、産業構造が変わり、そして地球そのものが限界を迎えようとしている。

そんな時代において、「Grow Up Adventures」は単なるスローガンではなく、“道なき道を進む”という意思の象徴です。
誰かが道を切り拓かなければ、世界は変わらない。だからこそ僕らは、このスローガンを生半可なものとして掲げたくはなかった。むしろ、挑戦することの痛みも恐れも、すべてを引き受けて前に進む覚悟の象徴として掲げたかった。


“Grow Up Ventures”が僕らの出発点だとすれば、
“Grow Up Adventures”は、僕らの生き方の宣言です。

道がないように見えても、一歩を踏み出せば道ができる。それを信じて進む。ポテンシャライトは、これからもその冒険を続けていきます。

6. 今後について

6-1. ポテンシャライトのポテンシャルは発揮できているのか?

ポテンシャライトという名前には、“可能性(Potential)を照らす”という意味を込めています。ただ、僕ら自身がそのポテンシャルをどれだけ発揮できているのか?ここ数年、ずっと心の中で問うてきたことです。

社会の構造は急速に変わっています。AI、産業構造、人口、地球環境。この複雑な変化の中で、僕らが見ている世界はまだ一部かもしれません。「ポテンシャライトの可能性は、もっと広く、もっと深く発揮できるのではないか」その感覚が、ずっと頭の中にありました。

これまで、僕らは採用・HR領域において確かな成果を上げてきました。
ただ、視座を上げて見ると、まだ発揮しきれていない領域がある。それは、個人の可能性を越えて、社会全体・地球全体の文脈で“どう活かされるか”という問いです。その問いに向き合うことが、これからの僕らの挑戦です。


6-2. これからの方針と4つのキーワード

僕らがこの数年で痛感したのは、もはや「正解のある世界」は存在しないということです。答えがなくなっていく時代の中で、僕らにできることはただひとつ。問い続けることです。

この「問い続ける」というパーパスを軸に、これからのポテンシャライトを導くキーワードは4つあります。


6-3. 9つのアクション

この思想を現実にしていくために、
ポテンシャライトはこれから9つのアクションを実行していきます。

  1. 構造の再理解
     社会・産業・地球の変化を丁寧に観察し、文脈思考をベースに全体像を再整理する。

  2. 事業ドメインの再定義
     HRという軸を持ちながらもAIなどを活用しながら社会課題に取り組む事業の形を探索する。

  3. リクルーティングの再構築
     採用を“人材確保”から“冒険者の発掘”へと再定義する。

  4. 経営層とのパートナーシップ強化
     企業経営者と共に、問いを中心に据えた経営支援を行う。

  5. 組織開発の深化
     採用支援から一歩進み、組織の成長・文化醸成・学びの構造にアプローチする。

  6. マーケティングの再構築
     「ポテンシャライト=問いと冒険の会社」という文脈を社会に浸透させる。

  7. カルチャーの再定義
     社内文化を“成果主義”から“問い主義”へと変えていく。

  8. 組織間連携(インテグラル協働)
     社内外の枠を超え、異なる視点・専門性を融合させる。

  9. 次世代リーダーの育成
     「答えを出す人」ではなく、「問いを立てる人」を育てる。

これらのアクションは、どれも一度きりで終わるものではありません。
問い続ける限り、形は常に変化していく。だからこそ僕らは、“完了”ではなく、“探求”を選びます。


6-4. 今、動くべき理由

このタイミングで舵を切る理由は明確です。AIの登場により、社会のパラダイムは数年単位ではなく、「1ヶ月で5年分変化する」 時代に入りました。

もはや待つことはリスクです。社会の変化のスピードに合わせて、
自らの思考・行動・仕組みを同じ速度でアップデートしていく必要があります。

さらに、地球環境の変化も待ったなしです。
エネルギー、人口、資源、食糧、気候。すべての構造が転換点を迎えている中で、HRという“人の領域”こそが、最も根源的な変化の起点になると思っています。


6-5. 僕らが信じていること

僕らが信じているのは、
「問いを持つことが、行動を生む」 ということです。

すべての計画は、ひとつの問いから始まる。
「今のやり方でいいのか?」
「もっと良くできる方法はないのか?」
「そもそも何を目指しているのか?」

その問いを組織全体で共有し、対話し、行動につなげていく。それが、ポテンシャライトの“生き方”です。

僕らの冒険は、まだ始まったばかりです。道は決まっていません。
ただ、一歩を踏み出せば必ず道はできる。その道を、仲間たちと共に歩きながら、社会に新しい風を起こしていきたいと思っています。


7. まだ見ぬ道をつくる

7-1. これからのフェーズに向けて

ポテンシャライトは、これまでHRの中でも「採用・ブランディング・組織支援」という枠の中で、独自の思想と仕組みをつくってきました。ただ、これからの時代においては、その“仕組み”そのものを再定義していく必要があると思っています。

それは、サービスを拡大するという話ではありません。社会の構造や人の在り方そのものが変わる中で、「人」「組織」「社会」「地球」をひとつのシステムとして捉え直すフェーズに入っているということです。

ここからのポテンシャライトは、HRという枠を超え、“人の可能性”をあらゆる領域に解き放つ存在として進化していきます。


7-2. 唯一無二の存在として

僕は、ポテンシャライトが日本の中でも唯一無二の企業だと思っています。
HRのナレッジ量でも、開発のスピードでも、そして“人間中心の思想”を軸に経営しているという点でも。

ただ、その唯一無二という言葉を、「特別」という意味で使いたいわけではありません。僕らが本気で目指しているのは、日本のHRの構造そのものを再定義することです。

採用の仕組みを変える。
HR業界の在り方を変える。
そして、日本全体の働き方・生き方の構造を変えていく。

この挑戦は決して簡単ではありません。ただ、今この瞬間に、それを成し遂げるチャンスがある。日本のHRの歴史の中で、この“構造転換”を実現できる企業は、僕はポテンシャライトしかないと思っています。

7-3. 仲間を多く募っていきたい

これまでポテンシャライトは、成長意欲が高いポテンシャル層の採用を行ってまいりました。
しかし、2024年頃からは自立しており、即戦力としてご活躍いただける方のジョインが増えています。
そんな中で、ポテンシャライトが前述したような壮大なパーパスを追い続け、スローガンに向かって思想を成し遂げていくために、共感いただける多くの仲間を募りたいと思っています。

これまでポテンシャライトが主戦場としてきた「スタートアップ・ベンチャー」×「デジタル領域(エンジニア採用含む)」の領域はもちろんのこと、それを超えて多くの領域に幅を広げていきたいと考えています。

まずは「業界」について。
これまで取り組んできた業界(会社のフェーズ)以外にも、当社の思想を広げていきたいと考えています。
そして、これまで蓄えてきたHR業界トップクラスだと自負しているノウハウや60以上のサービス、さらにHR × AIに関する豊富な知見があります。もちろん、僕自身を中心に人材領域に関する多数のノウハウを有しています。
こうした全ての資産をさまざまな業界にインストールしながら展開していこうと考えています。

次に「地域」について。
当社のお客様の大半は都心部にいらっしゃいます。大阪や名古屋、福岡など、他地域のお客様もいらっしゃいますが、今後はさらに広く地域展開を進めたいと考えています。
当社と同じ思想を持つ地域に詳しい方々を募り、仲間としてwin-winな関係を築きながら、当社の資産をダイナミックに活用していただき、一緒に思想を追いかけられると嬉しく思っています。

最後に「AI」について。
大変恐縮ながら、HR × AIにおけるこれまでの経験や社内のノウハウ・知見は、業界トップクラスだと僕は思っています。これまで400以上のAIプロンプトやAIエージェントを開発してまいりました。
また、AIには業界の知識や洞察が不可欠だと考えています。ただAIに詳しい方が着手するだけでは十分ではありません。
これまでのサービスの幅 × ノウハウ × クオリティ、そして僕らがこれまでブログなどで培ってきたゼロイチの設計力を掛け合わせることで、AIとの相性が非常に良い組織だと感じています。
AI事業に抜本的に踏み込むというわけではありませんが、「HR × AI」という新しい当社の強みを生かして、今後さらに展開していこうと思っています。


7-4. 道なき道を進むということ

「道がないように見えても、一歩を踏み出せば、そこに道ができる。」

この言葉は、僕がポテンシャライトという会社を通じて、最も大切にしている考え方です。

アナと雪の女王の中で、エルサが氷の橋を作りながら走るシーンがあります。足元にまだ橋がない。ただ、次の一歩を踏み出す瞬間に、橋ができていく。その姿は、まさに今の僕らの姿と重なります。

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こちらの1.50くらいからご視聴いただき、該当箇所は2.05くらいからあります。この動画のこの箇所は、僕が直近でお会いした最も尊敬している方のお一人から教えていただきました。

未来の地図は、誰も持っていません。ただ、自分を信じ、仲間を信じ、一歩を踏み出す。その連続が、新しい道を生み出していく。

道なき道を進むことは、リスクを伴います。
時には傷つくことも、迷うこともあります。
ただ、僕はそこにしか“生きた実感”はないと思っています。

ポテンシャライトという会社は、そんな「未知の一歩」を踏み出す人たちと共に歩むために存在しています。僕ら自身も、挑戦者としてその道を歩み続けていきます。


7-5. 最後に

ポテンシャライトのこれからの挑戦は、
HR業界を越え、日本の未来そのものに関わっていく挑戦です。

まだ見ぬ道を、一緒に歩こう。
そこに道はないかもしれない。
けれど、僕らが歩けば、必ず道ができる。

Grow Up Ventures から 問い続ける へ。
そして、Grow Up Adventures へ。

この言葉たちがつながる先に、
ポテンシャライトが描く“人と社会の新しい関係”があると思っています。


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