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娘の進学先としてフランスや欧米の大学入試を調べてわかったこと【10年後に向けての準備】

こんにちは、阪口です。2025年4月から家族で南フランスのエクサン・プロヴァンスに暮らしています。

8歳になる娘も現地の公立校に慣れ、友達もでき、フランス語の発語も増えてきました。外国人向けのフランス語クラス(UPE2A)にも通っていて、先生曰く、1年くらいすれば現地の子と同じレベルのフランス語になるとのこと。早くそうなればいいなと思い見守っています。

さて、僕たち夫婦は最近、フランスをはじめとする欧米諸国の大学入試について調べています

というのも、南フランスで育った娘は、将来的にフランスの大学に行く可能性もあると思ったからです。今のところ日本へ戻る予定ですが、その先ずっと日本で暮らすとは限りません。フランスではなく、別の国に進学するかも。

フランスの小学校ではホワイトボードに何度も書いて消してを繰り返すのだとか。習っている筆記体を披露してくれている様子

将来的に娘が「フランスに戻りたい」「フランスの大学で文学を学びたい」「イタリアで建築を学びたい」と言ったときに対応できるよう、

  • 日本の高校卒業しても海外の大学入試は受けられる?

  • 入試条件の違いは?

  • 今のうちから準備が必要なものはある?

と、気になる国の大学入試について調べてみることにしました。調べた内容を備忘録的にまとめてみます。

フランスの大学に進学する場合

まず、フランスには日本の「大学入学共通テスト」のような、国が主導する一斉の筆記試験が存在しません。

高校卒業時に「バカロレア」という国家資格を取得することができ、これが大学進学へのパスポートとなります。学力による一発勝負の入試は原則としてなく、その代わりに「ドシエ(Dossier)」と呼ばれる書類一式によって、総合的に評価されます。

ドシエに含まれるのは、主に以下のものです。

  • 高校3年間の全科目の成績証明書: 最終成績だけでなく、学期ごとの推移も見られ、継続的な努力が問われます。

  • 各科目の担当教員からの所見: 授業態度や学習意欲、協調性など、数字では測れない部分が評価されます。

  • 志望動機書: なぜこの大学・学部で学びたいのか、自分の将来像とどう結びついているのかを、論理的かつ情熱的に記述する力が求められます。

  • 課外活動や資格などの記録: ボランティアやインターンシップ、語学検定なども、自分をアピールする材料になります。

ちなみに、日本の高校からフランスの大学を目指す場合は、高校の成績に加え、フランス語の能力証明(DELF/DALF試験でB2〜C1レベル)やエッセイ、面接などが課されるとのこと。

日本のような学力試験はありませんが、3年間の成績証明と語学レベルの証明が必要=高校時代を通じて継続的に頑張る必要があります。

他の欧米諸国の大学入試も似ている

こうした総合評価型はフランスに限った話ではなく、カナダ、イギリス、スイスといった欧米の多くの国で主流であることがわかりました。高校時代の成績や課外活動、そして自分を表現するエッセイが、入試において非常に重要な役割を担っています。

日本の入試制度と比較してみると評価軸の違いが明確になりました。

  • 欧米の主流(書類選考型)が重視するもの

    • 継続性: 高校3年間を通じた、安定した学業への取り組み。

    • 主体性: なぜ学びたいのか、という内発的な動機と、それを伝える論理的な文章力。

    • 多様性: 学業以外の活動も含めた、その人だけのユニークな経験や個性。

  • 日本の主流(学力試験型)が重視するもの

    • 瞬発力: 試験当日、限られた時間内で正確に知識をアウトプットする能力。

    • 網羅性: 幅広い知識を、漏れなく記憶し、使いこなせること。

    • 客観性: 偏差値など、統一された指標による集団の中での相対的な位置付け。

目指す方向によって「戦い方」が根本から異なることがわかります。日本の大学を目指すか、海外の大学を目指すか、高校入学時には見通しを立てておく必要があるとわかりました。

日本の大学を目指す場合→「帰国生入試」「総合型選抜」という選択肢

学力試験のイメージが強い日本の大学入試ですが、海外経験者にとって有利な入試制度もあります。

それが、「帰国生入試」と「総合型選抜(旧AO入試)」です。

これらの入試では、一般選抜のような学力試験の比重が低い、あるいは課されない代わりに、面接や小論文、そして海外での経験そのものが高く評価される傾向にあります。特に総合型選抜は「アメリカ型入試」と称されることもあるほど評価基準が似ており、海外大学との併願もしやすいようです。

多くの大学では、「帰国生入試」の出願資格として「中学・高校時代に継続して2年以上、海外の教育機関に在籍」といった条件を設けています。

こうした入試枠に出願することを想定して、海外に行く選択肢もありなんだなと思いました。

語学と海外経験はどの大学の入試でも武器になりそう

娘(8歳)は「日本育ち・日本人家庭・母語は日本語」の子どもですが、僕が海外で生活していたり、旅好きなこともあって、

将来的に海外で暮らすかも知れない

と英語は小さいうちから取り組んでいました。その結果、日常的な映画やアニメは英語で見ており、コミュニケーションも取れています。

このまま3年間をフランスで過ごせば、海外経験+トリリンガルの土台を手に入れられることになります。

調べてみると、

・外国語
・海外滞在経験

はどの大学の入試でもポジティブな要素になるとのこと。もちろん、学問ができるレベルの外国語力があることを証明する必要がありますが、今から準備すれば十分間に合います。

今回のフランス移住は、むすめの語学のためではないのですが、小学生のうちにネイティブレベルになれば大学受験に必要なC1レベルは十分達成可能な目標だそうです。

10年後に向けて、今からできること

・語学力の向上
・学校の勉強サポート
・入試のエッセイや志望動機に書ける素材集め

という3つが、僕が今からできることなのかなと思いました。

いまは、日本語>英語>フランス語というバランスですが、日常生活はフランス語中心のため、他の言語が少しずつ弱まっていく可能性も感じています。

そうなると「トリリンガル育成」とは言いがたくなるため、どうすれば3つの言語を無理なく育てていけるか、夫婦で話し合いを重ねています。

プロヴァンスでの暮らしを楽しみながら、その経験が娘の未来の選択肢を広げるものになればうれしいです。

0歳の頃には、まさかフランスに移住する日が来るとは想像していませんでしたが、「まだ見ぬ未来に備えて動いてきた8年」が、いまに繋がっているように感じます。

わが家では、「未来を仮決定して、早めに動き始める」ことで、結果的にゆとりある準備ができ、良い方向に進むことが多くあります。

本当にフランスの大学へ進むかはまだ分かりませんが、次の10年に向けて、できることを少しずつ整えていきたいと思っています。

阪口ユウキ