【第6回】AIは「犬は動物」をどう理解する?|意味ネットワークとオントロジー
前回、
「犬は動物である」のような
常識的な知識は膨大であり、
それらをコンピューターで扱うのは
簡単ではないという話をしました。
そこで、知識を整理し、
「共有・活用できる形で表現する」
ために考えられたのが
・意味ネットワーク
・オントロジー です。
意味ネットワーク
意味ネットワークとは、
概念と概念の関係を
ネットワーク(図)で表す知識表現の方法です。
知識を
点(概念)と線(関係)でつないで表現します。
よく使われる関係としては、
・is-a:〇〇は〜である(継承関係)
・part-of:〜の一部である(部分関係)
例えば、
「犬 ━ is-a →哺乳類」であれば
「犬は哺乳類である」ということです。
また、
「肉球 ━ part-of →足」であれば
「肉球は足の一部である」ということです。
(後で詳しく説明します。)
オントロジー
オントロジーは、概念とその関係を、
厳密なルールで体系的に定義した知識モデルです。
コンピューターで知識を扱おうとすると、
その知識を書いた人によって表現方法も違い、
どれとどれが同じ意味を表しているのか
分からなくなってしまいます。
そこで、知識を書く際に用いる
「言葉」「その意味」「それらの関係性」を定義して
おくのです。
そうすれば、知識を共有することができ、
その知識をつなげることで推論が可能になります。
「is-a」の関係
「is-a」の関係では、
矢印の先が上位概念であり、
矢印の元が下位概念になります。
これらの関係には、推移律が成立します。
推移律とは、
・AはBである
・BはCである
▶︎AはCである
と自動的に関係が成り立つというものです。
・犬は哺乳類である
・哺乳類は動物である
▶︎犬は動物である
といった感じです。
しかし、
じゃんけんの場合は推移律は成り立ちません。
・グーはチョキに勝てる
・チョキはパーに勝てる
▶︎グーはパーに勝てる にはならないからです。
「part-of」の関係
「part-of」の関係は、
全体と部分の関係を表しています。
・東京は日本の一部
・日本はアジアの一部
▶︎東京はアジアの一部
先程の「is-a」の関係と同様に、
「part-of」の関係でも推移律が成り立ちます。
しかし、
必ず推移律が成立するわけではありません。
・指は太郎の一部
・太郎は野球部の一部
▶︎指は野球部の一部 にはならないからです。
また、「part-of」には様々な種類の関係があり、
以下に例を挙げてみます。
①車輪は自転車の一部(部品)
の場合は、自転車から車輪を取ると、
自転車ではなくなりますが、
車輪は車輪のままです。
②木は森の一部(メンバー)
の場合は、森から1本木を取っても、
森は森、木は木のままです。
③夫は夫婦の一部(関係)
の場合は、夫婦から夫が除かれると、
夫婦は消滅し、夫はただの男になります。
④ケーキ1切れはケーキ全体の一部(分割)
の場合は、全体から1切れのケーキを除いても、除かれた方も残された方もどちらもケーキです。
⑤粘土は花瓶の一部(材料)
の場合は、粘土が花瓶自身と同じであるため、
粘土を除くと花瓶が消滅します。
このように最低でも5種類の関係があります。
しかし、これらの違いをコンピューターで完全にモデル化することは難しく、現在でも研究が続いています。
オントロジーの構築
オントロジーの研究が進むと、
知識を記述することの難しさに直面しました。
そこで、2つの流れが生まれました。
ライトウェイトオントロジー
・概念
・階層(is-a)
・関係(part-ofなど)
を主に扱っており、
シンプルさと効率を重視し、
とにかくコンピューターにデータを読み込ませてできる限り自動的に行うものです。
分類や整理を得意とし、
検索エンジンやデータ整理などで利用されます。
ヘビーウェイトオントロジー
・概念
・階層(is-a)
・関係(part-ofなど)
・属性(プロパティ)
・制約
・ルール
などを扱い、厳密な意味定義や論理推論を重視し、知識をどのように記述すべきかを哲学的に考え込んで行うものです。
医療知識ベースなどの高度な知識表現で使われます。
おわりに
新しい言葉が増え、
難しい内容も増えてきました。
できるだけ例を盛り込んでみたので、
少しでもイメージしやすくなっていれば嬉しいです。
理解が深まれば、よりよい言い回しで、
わかりやすく説明できるのではないか、、、
そのためにはまだまだ知識も言語化も
足りていないと痛感します。
G検定のテキストを制覇した後に、
またここに戻ってきて、
添削・修正できたらなぁとも思っています。
その未来に向かってどんどん突き進みますので、
ぜひぜひ一緒に歩んでいきましょう。
