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ヘッセと 喫茶店にて

心象スケッチ。

私は『デミアン』の文庫本を持っている。
喫茶店に入る

向かいにヘッセ。
静かにコーヒーを飲んでいる




「先生、18歳の時にデミアン読んで、これは私の物語だと思ったんです」

ヘッセ
「それで?」


「それだけなんです」

ヘッセ
「それで十分じゃないか」


「でも私、まだ私自身になれてない気がするんです」



ヘッセ、外を眺めながらコーヒーを飲む


するとコーヒーを飲みながらチラリ

「君はまだ生きている」


わたし、少し拍子抜けて
しかし嬉しそうに
「…はい」

2人でゆっくりコーヒーを飲む



(苦しかっただろう
遠回りしただろう
迷っただろう
でもお前は
自分の卵を捨てなかった
それで、十分じゃないか)

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