MTBの常識をぶっ壊す!? 話題沸騰中のラジアルタイヤを解説
今、話題のラジアルタイヤをご存じでしょうか。
ドイツの自転車タイヤメーカー「シュワルベ」が発表した
新しいタイヤです。
2024年に発表され、多くのメディアで取り上げられ、
大きな注目を集めています。

その性能は確かで、ラジアルタイヤを使用した選手が
ワールドカップで2位に大差をつけて優勝しています。

ラジアル技術とは?
タイヤはゴムのみでできているのではなく、
タイヤの形を維持するためにカーカスという繊維を使用しています。
通常、自転車タイヤのカーカスは下記の画像のように縫い合わせられます。

一般的なタイヤでは、カーカスの繊維は進行方向に対して約45°。
一方、ラジアルタイヤではカーカスが進行方向に対して
約90°に近い角度で配置されています。

これにより、接地面積が30%と増えるといいます。

そんなラジアルタイヤが実際の走りにどのような変化をもたらすのか、
国内トップクラスのマウンテンバイク(ダウンヒル)レーサー
浅野善亮選手に聞いてみました。

MTB界の常識
MTBの世界では「空気圧」は重要な要素。

特に選手は、コース内容、路面コンディションに応じて調整します。
通常、空気圧を低めに設定するとグリップ力が向上します。
タイヤが変形しやすくなり、より路面を掴むことができます。
これにより、滑りにくくなったり、
はじかれにくくなったり、止まりやすくなります。
荒れた路面には最適です。
一方で空気圧が高いと、タイヤがよく転がるようになります。
漕ぎ出しが軽くなり、より軽くかつ速く走ることができます。

一般的に、「グリップ力」と「転がりの軽さ」は
トレードオフの関係にあります。
グリップ力を優先すると転がり抵抗が増え、
転がりの軽さを重視するとグリップ力は低下します。
空気圧を低くする最大のリスク
空気圧を低めに設定した場合、
「リム打ちトラブル」のリスクが高まります。
段差などの衝撃でタイヤが強く潰れ、衝撃がリムまで到達し、
リムが変形、最悪の場合割れることがあります。

一度、リム打ちパンクが起きると、完走するのが難しくなります。
浅野選手は多くのライダーがリム打ちパンクを恐れて、
必要以上に空気圧を高めに設定していると言います。
実際にタイヤのグリップ力に不満がある場合、
原因が「タイヤ」でなく、「空気圧」にあることも多いそうです。
ラジアル革命
浅野選手は、ラジアルタイヤにより、
「空気圧」に対する考え方が大きく変わったと言います。
ラジアルタイヤは通常のタイヤに比べて、接地面積が広く、
グリップ力に優れています。

同じ空気圧で両タイヤを使用した場合、
グリップ力に大きな差があります。
浅野選手が初めてラジアルタイヤを使用した時は
タイヤがしなやかすぎて、パンクしているのかと思ったほど。
グリップ力に大きな差があるので、空気圧を少しずつ上げていき、
自分に最適な空気圧を見つけています。

浅野選手の場合、空気圧の設定が以下のように変わりました。

このように従来タイヤに比べて空気圧を高めに設定することができるので、
転がり性能が向上し、加速力が増したそうです。
また、リム打ちパンクのリスクが減り、
より攻めた走りができるようになったと浅野選手は言います。
今後の展望
浅野選手は、今後ラジアルタイヤが
ダウンヒルタイヤの主流になっていくと予想しています。
年々、欧州のワールドカップのコースの難易度も上がっており、
ラジアルタイヤは不可欠になっていくとのこと。

また、ここまでグリップ力に優れ、空気圧に影響を及ぼすようになると、
空気圧の設定がサスペンションの設定もしくは
それ以上に重要になってくるといいます。
是非、皆さんもラジアルタイヤを体験してみてください。

