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31.エルメス × Venus 188|1940~50年代 手巻きクロノグラフの魅力

この記事は当店ショップの記事を再編集して掲載しています。
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1940~50年代に製造された、フランスの名門 エルメス(HERMÈS) による手巻き式アンティーククロノグラフ。

革製品やジュエリーの名門として知られるエルメスですが、実は20世紀前半にはスイスの実力派ムーブメントメーカーと提携し、限られた顧客に向けて高品質な機械式時計を展開したと言われています。本記事では、その中でも希少性の高い Venus 188(ヴィーナス188)搭載モデル について詳しく解説します。

エルメスとスイス時計産業の関係

エルメスは1837年、パリにて創業。
馬具工房としてスタートし、20世紀に入ると腕時計の分野にも進出します。

当時のエルメスは、自社でムーブメントを製造するのではなく、スイスの信頼あるエボーシュメーカーと提携。完成度の高い機械を採用し、自社の美意識と融合させた時計を生み出していました。

その代表格のひとつが、Venus社製キャリバー188です。

Venus 188とは何か

■ ヴィーナス社製 手巻きクロノグラフムーブメント

Venus 188は、1950年代を中心に製造された手巻きクロノグラフムーブメントです。
同社のクロノグラフ系譜の中でも完成度が高く、堅牢性と整備性に優れた実用機として評価されています。

主な特徴:

  • 手巻き式クロノグラフ

  • 2レジスター(ツーインダイヤル)

  • タキメータースケール対応

  • 約18,000振動/時

  • 17石仕様が一般的

  • カム式クロノグラフ機構

  • 水平クラッチ構造

当時の量産クロノグラフとしては非常にバランスの良い設計で、信頼性の高さから複数のブランドに採用されました。

コラムホイール式とは異なり、カム式を採用することで構造を合理化。
その結果、安定した作動とメンテナンス性を両立しています。

ケース・外装の特徴

本個体はゴールドプレート(金張り)ケースを採用。

1940~50年代のクロノグラフらしい、やや大ぶりなケース設計が特徴です。
当時としては存在感のあるサイズ感でありながら、ラグの造形やベゼルのバランスが良く、現代の装いにも自然に馴染みます。

裏蓋は耐久性を考慮したステンレス仕様。
この構造は当時のスイス製クロノグラフでは一般的なものでした。

文字盤デザインの魅力

  • ローマンインデックス

  • ツーインダイヤル構成

  • 外周タキメータースケール

  • クラシカルなリーフハンド

ピンク~サーモン系のダイヤルカラーとゴールドケースの相性は抜群。
華美すぎず、それでいて確かな存在感を放ちます。
エルメスらしい上品さと、1950年代クロノグラフ特有の機械的な力強さが共存したデザインです。

市場流通と希少性

エルメスのヴィンテージクロノグラフは、もともとの製造数が少ないことに加え、

  • 良好なオリジナル状態

  • Venus 188搭載

  • ダイヤルコンディション良好

といった条件を満たす個体は、現在ほとんど市場に出回りません。
ブランドネームだけでなく、ムーブメントの質・時代背景・デザイン性 の三拍子が揃ったモデルと言えるでしょう。

まとめ|ブランドと機械が融合した一本

エルメスのヴィンテージクロノグラフは、

  • フランスの美意識

  • スイスの機械技術

  • 1950年代クロノグラフ黄金期の設計思想

これらが融合した存在です。
Venus 188という堅実なムーブメントを搭載しながら、エルメスならではの品格を備えるこのモデルは、単なるブランドウォッチではありません。
“機械式クロノグラフとしての完成度” を理解できる方にこそ響く一本。


★アンティーク時計ショップ★マルコーニ777 店長

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※本記事はアンティーク市場に流通する歴史的個体について解説するものであり、各ブランド・商標権者との提携・承認関係はありません。本記事は筆者個人の研究・考察に基づくものです。

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