【DAE182】凡人が時間をドブに捨てる理由――『限りある時間の使い方』感想戦
現代社会は、実に巧妙に設計された「時間泥棒のテーマパーク」だ。
油断すれば即座に資本主義のアルゴリズムに脳をハイジャックされ、画面のスクロールという無価値な動作に寿命を吸い上げられる。オリバー・バークマンの『限りある時間の使い方』を読み解きながら、私は静かに、しかし確かな戦慄を覚えていた。
われわれがいかに「時間の浪費」を強制するシステムの中で踊らされているか。そのグロテスクなカラクリに気づいていない人間が、あまりにも多すぎる。
パーキンソンの法則という罠
資本主義というシステムは、人間に時間への執着を植え付ける。「もっと効率化しろ」「スキマ時間を活用しろ」と囁きながら、結局は与えられた時間枠を目一杯使い果たすまで仕事を詰め込ませる。いわゆる「パーキンソンの法則」の完全な奴隷だ。
この構造に対する私の結論は極めてシンプルである。
「やること」だけを厳選し、それ以外は冷酷に切り捨てる。
これしかない。1日は誰にとっても平等に24時間しか存在しないという残酷な物理的制約を無視して、「あれもこれも」と欲張るから破綻するのだ。ベビーステップで高回転を回す自負がある私でさえ、マルチタスクの誘惑に足をすくわれそうになる瞬間がある。
「あれもこれもやる」という態度は、勤勉でもプロフェッショナルでもない。それはただの「凡人の生き方」であり、結果として最も非効率な泥沼にはまり込む愚行に過ぎないのだ。
思考を放棄した人間が犯す「くだらん浪費」
たとえば、今日の私を例に挙げよう。
仕事を終えて帰宅したら、ロードバイクでトレーニングをして終わりにする。それ以外のノイズは一切削ぎ落とす。
世の中の有象無象が依存している「スマホによる短期的な快楽の注入」など論外だ。
「時間がない」「忙しい」と他人に愚痴をこぼしている連中の行動を観察してみるといい。実態は、どうでもいい動画や通知に寿命を浪費し、みずから心の余裕をドブに捨てているだけである。
心に余裕をなくし、良心を失い、挙句の果てには赤信号を無視して突っ切るような生き方――。
自分が時間という川に流されていることに気づかず、必死に水面をバタつかせている様。
現代の狂気から身を守り、自分の時間を支配するためには、静かな冷徹さが必要だ。
私は今日、削るべきものをまた一つ減らすことにする。
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