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自分の大切なものさしを知る

急に気温が下がる日が続いて、わたしが住んでいる街中でも紅葉がきれいに色づいています。
近所にあるイチョウの並木道を、少し散歩してきました。

最近はニュースで熊の話をよく聞くので、こんなふうに、色づく木々を見上げて、写真を撮りながら、のんびりと歩くことができない地域の方もいらっしゃるんだよなあと思います。

日常の有り難さを感じます。


最近読んだ本の中で、前回の投稿にも書きましたが、「ポリフォニー(多声性)」という言葉が気になっています。

“調和しないで響き合う”
という一文が本の帯で紹介されていました。

一人一人が率直に、それぞれ感じたこと思ったことを話す。
意見をまとめる必要はなく、異なる考えの人を説得する必要もない。
できるだけ、「わたしも〇〇さんと同じです」と言うのではなくて、あなたの言葉で話してもらう。
意見を述べることに限らず、「よくわからない」だったり、「そのことを思うと気が重い」だったり、例えばそんな率直な言葉も歓迎される。

それぞれ独立した声(旋律)が響き合う状態。
ひとつひとつの声に優劣がない、主旋律がない状態。

わたしが理想と感じる人と人とのつながりは、これかもしれないと感じます。


長年続けていた一人暮らしを離れて、母と父と共に暮らすようになってもうすぐ半年になります。
毎日、夕飯は揃って食べることになっていて、NHKのニュース番組が流れています。

事件や、政治や、特集を見て、母や父が感想や意見を述べます。
わたしは一人で暮らした時間が長いので、求めていない場所で自分と異なる意見や感想を聞くことは、ずいぶん久しぶりです。

母や父の感想や意見は、わたしが抱く思いとは相いれないことも多いです。

否定的な感想、批判的な意見。
非常に限られた情報から、一方的に決めつけているように感じることがあります。

以前のわたしは、そんな否定的な母や父がすごく嫌でした。
そういう意見が出ると、心を閉じて口を閉ざすか、むっとして反論するか。
感情的になっていたものです。

最近は、母や父とわたしは、大切に思うものが違うんだと思うようになりました。
母や父の考え方を否定せずに、わたしの意見を感情的にならずに伝えることにチャレンジしています。

この在り方はきっとポリフォニーです。
こうして実家に来たおかげで、その練習をずっとしているような気がします。


母とよく話していますが、話せば話すほど、母が大切に思うことと、わたしが大切に思うことは、けっこう違うと気付きます。

例えば、出先でちょっと休憩しようかという時。
母は駅のベンチで自販機のお茶を飲んだり、マックでホットコーヒーを飲むので充分だそうです。
喫茶店のコーヒーは高いし、そこでゆっくりすることにあまり意味を感じないと言っていました。

一方わたしは、できるだけ静かで心地よさそうな空間であることが大切です。
駅のベンチでも、開放的で人がいなくて空が綺麗だったりしたらいいかもしれません。
騒がしい場所にある薄暗いベンチでは、休んだ気になりません。
マクドナルドは多くの場合にぎやかで隣の席との間隔が近いので、あまりくつろげません。

もちろん、何よりもそこで食べたり飲んだりするものの味が大切という人もいるでしょう。
せっかくだから、人気のお店に入りたいという人もいると思います。

みんな、使っているものさしが違うんですよね。

わたしは「静かさ」と「心地よさ」というものさしを大切にしている。
母は「手軽さ」と「安さ」というものさしを大切にしている。

こんな話を、母とよくしています。
「お母さんが大切に思うのはそれなんだね。わたしはこれを大切に思うから」
意見が異なる時、母がわたしの行動を理解できないでいるような時、よくそう言っています。

以前よりも母は、わたしの在り方を尊重してくれるようになったように感じます。

わたしはわたしで、母に伝えるうちに、わたしにとって大切な価値はこれなんだと再確認しているようです。


何を大切に思うのか。
わたしが大切にしているものさしは何か。

自分の中の優先順位を自分で知っていること、それを言葉にできることは、こうして人とつながって暮らしていく上で、とても大事だなと感じています。

それと同時に、一緒に過ごす人が大切にしているものさしにも、耳を傾けられたならと思います。

イチョウ並木を母オススメの歩道橋の上からパシャリ


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