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支援を受けるということ視覚障害の私が向き合ってきた、感謝と葛藤と“心の準備”

「私はまだ大丈夫」
「私なんかが制度を使っていいのかな」
そんなふうに迷ってしまうこと、ありませんか。

制度を前にすると、
“本当に自分が使っていいのかな”という迷いだけじゃなく、
どこかで
「制度に頼る=弱い自分を認めること」
「使った瞬間、“見えない自分”“障害を持つ自分”を認めることになる」
そんな複雑な思いが胸の奥に生まれてしまう——。

できれば使いたくない。
使ったら、本当に自分が「障害者」になってしまうような気がして、
手を伸ばせない。
当事者になって初めて分かる、あの独特の抵抗感ですよね。

私自身、制度を前に立ち止まってしまうことが
これまで何度もありました。

そして実は、専門職としての私も
まったく同じ揺れの中にいました。

相談支援専門員という立場で、
私は相談者さんに制度の説明をしながら、こう伝えています。

「これはあなたが受けられる大切な権利だから、
後ろめたく思わなくていいんですよ。
堂々と使っていいんです。」

頭ではそう分かっているし、
その言葉は心からのものです。

けれど——
いざ“自分が使う側”となると、
心が追いつかないことがたくさんありました。

制度を使うことへの抵抗。
「本当に自分が使っていいのかな」という迷い。
それを受け入れた瞬間、
もう一度“見えない自分”を突きつけられるようで、
胸がざわつく。

その気持ちは、今でも完全に消えたわけじゃありません。

だからこそ、
支援を使うことに強い抵抗を感じる当事者の気持ちは
痛いほど分かるんです。

一方で、制度は“利用されるためにあるもの”で、
私たちの生活を守ってくれる大切な支えでもあります。
後ろめたいものでも、
使ってはいけないものでもありません。

そして、そのことを丁寧に伝えていくことこそ、
相談支援専門員としての
私の大切な役割のひとつでもあると感じています。

この両方の気持ちのあいだで揺れながら、
それでも少しずつ、少しずつ、
私はいろんなことを受け入れられるようになってきました。

そんな折、今日はひとつの出来事がありました。
医療保険の「高度障害状態」の給付が、今日ようやく決定したのです。

本当は——
見えなくなった8年前、9年前から
私はこの給付を受ける権利を持っていました。
手続きをすれば保険料も免除されることも、知識としては分かっていました。

でも、どうしても申し込めなかった。
“そんな高度な障害状態だと認めたくない”
“自分はまだ大丈夫だと信じたい”
そんな気持ちが強くて、
長いあいだ、ずっと見て見ぬふりをしてきました。

けれど最近、
利用者さんに制度の話をするたびに
「制度は人生を守るための大切な権利」
「使っていいし、使うべきもの」
そう何度も伝えるうちに、
その言葉が自分にも返ってくるようになりました。

“ああ、私もそろそろ受け止めてもいいのかもしれない”
そう思えるようになったのです。

勇気を出して申請し、
そして今日、無事に受給が決まりました。
これからは保険料を払わなくてもよくなります。
またひとつ、生活を支えてくれる柱が増えたのだと
しみじみ感じています。

そして、私だけではありません。
私の周りにも、同じように迷い続けている仲間が何人もいます。

その中には、身体障害者手帳1級で、
どう見ても障害年金の対象なのに、
「働けるから大丈夫」と言って
頑なに受給しない友人もいます。

みんなで
「受けたら楽になるのに」
「あなたは権利があるのに」
と伝えても、本人は強く首を振る。

その姿を見ると、
“受けたらいいのに”という思いと同時に、
“その気持ち、すごく分かるなぁ”という
複雑な思いが胸に広がりました。

制度を使うことを受け入れるって、
本当に時間がかかるんですよね。

でも——
最近の私は、少し新しいフェーズに入れた気がしています。

「支えてもらいながら生きる」ということは
“自立していない”という意味じゃない。
必要な支援を受けながらも、
私はちゃんと自分の足で立って、
自分の人生を生きている。

制度は甘えではなく、
生きづらさを抱えた私たちを支えるために
用意された大切な仕組みなんだ、と
ようやく素直に思えるようになりました。

そして支えてもらった分、
私は別の場所でしっかり力を注いで、
社会に貢献していけばいい。
その循環の中で生きていけばいい——
今はそんなふうに感じています。

もし今、
「使っていいのかな」
「私はまだ大丈夫だから」
そんなふうに迷っている方がいたら、
どうか無理をしないでほしいです。

勇気を出して制度を使うという選択ができたなら、
それはとても大切な一歩です。
制度はあなたの暮らしを守るために、ちゃんと用意されています。
後ろめたく思わなくていいし、堂々と受けていい。

でももし、
「制度を使う」ということが今のあなたにとって
心を大きく揺さぶるほど苦しいことであれば——
それはまだ“受け止める準備が整っていない”という
あなたの心からのサインです。

そのときは、使わないという選択をしてもいい。
それもまた、あなたが持っている大切な権利です。

どちらを選んでもいい。
どちらが正しいということもありません。

ただ——
もし今より少しだけ、
制度を使うことが“恥ずかしいこと”ではなくて、
“自分のために当たり前に選んでいいこと”なんだと
心がほんの少しでも温かく受け止められるようになったら。

その心のハードルが、ほんの少しだけでも下がったら。

そんな未来につながる文章になったらいいなと思って
今日のこの気持ちを書き残しています。

周りの温かい手を受け止めながら、自分の心に素直に生きていける。
そんな生き方ができたらいいなって思います。

おまけコーナー:今回の「高度障害状態」について少し詳しく

今回私が受けた「高度障害状態」の給付は、加入している医療保険に付いていた特約によるものです。
保険会社ごとに基準(約款)は異なりますが、視覚障害に関してよく使われるのが
**「両眼の視力を永久に喪失した場合」**という表現です。

「永久に視力を喪失」と聞くと光も感じない“全盲”を想像しがちですが、
実際には多くの保険会社が
両眼の視力が0.02未満になった場合
この状態に該当すると解釈しているようです。

また、視力だけでなく、
視野の状態が判断材料になる場合もあるようです。
視野が極端に狭い方などは、視力以外を基準として該当するケースもあると聞きます。

そのため、
「自分はどうなんだろう?」
「視力は少しあるけれど、視野がとても狭くて…」
という方は、一度保険会社に相談してみるのがおすすめです。
自分では“そこまで重いとは思っていない”という場合でも、基準に当てはまることがあります。

私が加入していた保険には、
死亡時と同額の保険金が支給される高度障害特約と
介護給付特約の両方が付いており、今回はその2つを合わせて受け取ることができました。

さらに、
今後の医療保険の保険料は免除され、入院給付などの保障はこれまで通り継続される
という、とてもありがたい状態になりました。
保障はそのまま、負担だけが軽くなる形です。

手続き自体も複雑ではなく、
保険会社に状況を伝える→必要書類が届く→医師の診断書を添えて返送、
という流れで無事に完了しました。

私は対象外でしたが、
住宅ローンを組んでいる方は、この「高度障害状態」で返済が免除になるケースもあります。
日常生活だけでなく、家計全体を大きく支えてくれる可能性があります。

今回の私の場合は、
手続きをしてから約1か月弱で給付を受け取ることができました。
もちろん保険会社や状況によって期間は違いますが、「どれくらいかかるんだろう…」と不安に感じている方の目安になれば嬉しいです。

必要な制度を知り、必要なときに使うこと。
それは甘えではなく、私たちが安心して暮らすための大切な権利です。
このおまけコーナーが、少しでも誰かの背中をそっと押せますように。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました♡
いつも読んでくださったり、反応をいただけたりすることで、私は書き続ける力をもらっています。
つながりを感じられるって、本当にありがたいことですよね。

今回の記事では、私の素直な気持ちをそのまま書いてみました。
見えない私が日々感じていること、葛藤やモヤモヤ、ちょっと嬉しかった瞬間……
そんないろんな気持ちが、少しでも届いていたら嬉しいです。

そして、そうした“見えない私の気持ち”を大切に綴っている
ライフストーリー「見えなくても私の人生は素晴らしい」シリーズも、頑張って連載しています。
こちらもよかったら読んでいただけると、とても励みになります。

読むという形で応援していただけることが、私にとって本当に大きな力になっています。
これからもどうぞ温かく見守っていただけたら嬉しいです。

この記事は、視覚障害の当事者であり、相談支援専門員という専門職でもある私が、
当事者と専門職の両方の視点から制度やサービスについて綴っている有料マガジン
「知らないと損する福祉の話」シリーズに掲載しようと思っています。

今回の記事は無料で読んでいただけますが、
この有料マガジンにはいくつかの有料記事もまとまっており、
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「そうだったんだ」「知ってよかった」と言っていただけることが多く、
必要な方の手元に、そっと届くようなマガジンになれたらいいなと思いながら書いています。

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