お店の常連さんが実は同級生で小説家志望だった話
クレープキッチンカーを始めた4年前、
クレープお持ち帰り用のプラカップに
自分なりの装飾テープを貼って
たびたびクレープを買いに
来てくれる女性のお客さまがいた。
その装飾されたクレープ用の
カップを見るたびに
「あ。また買いに来てくれたんだ」
とありがたい気持ちになったものだが、
ある日、
そのお客さまが珍しく話しかけてきた。
「もしかして、盛岡ノース高出身ですか❓」と。
「え、なんで知ってるのかな?
オレどっかで言ったかな。」
と思いつつも「はい、そうです」と
快活に答えるオレの口。
聞かれると、
ついつい正直に答えてしまうのが
オレの長所でもあり、
最大の短所でもある。
すると、彼女は
「私、隣の席だったグレースです」と言う。
「あ。グレースさん!」
なんと、高校で隣に座ってた二人が
クレープ屋さんとお客さまで
30年ぶりくらいに再会。
それからというもの
彼女はたびたび来ては、
「仕事が大変すぎて今は休んでる」とか
「電気代を稼ぐために働きに出る」とか
「今日は娘を連れてきた」とか
近況を教えてくれる。
で、ウチのクレープ屋さんが
閉店する間際の先日、
「じつは小説を書きたくて、
小説家の先生に教えてもらってる」
と言う。
それは初耳だったオレ。
確かにそういうことは
なかなか言いづらいものだ。
なぜなら、
オレも、10年くらい前にコッソリ
小説を書いたことがあるが、
その内容の酷さ(むごさ)に辟易(へきえき)して
13万字の大作をデリートボタンポチりで、
一瞬で消し去ったことがある。
そして、
そのことは誰にも言わなかった。
が、今ここでは言う。笑
まあ、そういうこともあって
「小説を書いてます」というのは
なかなか勇気のいることなのである。
そんな彼女の悩みは、
「プロットがうまく組み立てられない」
ということらしい。
プロットとは…物語の骨組みのこと。
例)桃太郎のプロット
1. 桃から生まれる
2. 鬼退治を決意
3. 仲間を集める
4. 鬼ヶ島で戦う
5. 宝を持って帰る
「プロットさえ組めれば書けると思うんだけど」
と彼女は言う。
そんな悩みをクレープ屋さんに
打ち明けたところで、
通常は解決するはずもないのだが、
なぜか文章を書くことに並々ならぬ
愛情をもつクレープ屋さんのオレは、
「それなら『Save the catの法則』
って本を読むと良いよ」と
図々しくもアドバイスをおくる。
「ハリウッド映画の脚本家が書いた
脚本術の本で、これに人気映画の
プロットパターンが書いてるよ」と。
その後、
彼女のクレープを作るまでの時間
「どんな題材の小説にする」とか
「この題材なら共感する人多いと思う」とか
およそクレープ屋さんの店先で
話す内容ではないことをおしゃべりして
彼女はクレープを
お持ち帰りしていかれた。
高校の同級生の書く小説📝
また楽しみが一つできたのである😊
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