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「正しい技術」はない。でも、監督には「好きな技術」がある その①

今の中高生は、本当に多くの情報に囲まれて野球をしている。YouTube、SNS、オンラインサロン。プロ選手のフォーム、トレーニング理論、「これが正解」「これが最新」といった言葉が毎日のように流れてくる。

その中で、
多くの選手がこう思い始める。

「正しい技術を身につけなければ」
「間違ったことをやってはいけない」

でも、現場で長く選手を見てきて、
はっきり言えることがある。

野球に“絶対に正しい技術”は存在しない。ただし、監督には“好きな技術・好きな野球スタイル”がある。



評価は「正誤」ではなく「好み」で決まることがある

守備ひとつ取っても、考えてみてほしい。

・確実に股を割って捕る守備を評価する監督
・多少リスクがあっても、ハンドリングで攻める守備を評価する監督

どちらが正しいか、ではない。
どちらが“その監督の野球観に合っているか” だ。

打撃も同じだ。

・強いスイングで強い打球を打つことを良しとする監督
・ミート力と再現性を重視し、芯で捉えることを評価する監督

どちらも間違っていない。
でも、評価は分かれる。

つまり、
同じプレーでも
「評価されるか」「されないか」が変わる世界だ。



苦しむのは「間違った技術」をやってきた選手ではない

中学生の時に、
自分なりに考え、努力し、追い求めてきたプレースタイル。

それ自体は、何も間違っていない。

それなのに、高校に進学した瞬間、
急に評価されなくなる選手がいる。

「中学では通用していたのに」
「言われることが真逆になった」

これは珍しい話ではない。

多くの場合、
技術が間違っていたのではなく、
その学校の“好み”と合わなかっただけだ。


だが選手本人は、
「自分の技術がダメだったんだ」
と、自信を失ってしまう。

ここが、一番もったいない。



進学先によって「求められる技術」は変わる

高校野球は監督の色がはっきり出る。

同じ県内でも、
学校が違えば、野球はまったく違う。

・守備重視
・機動力重視
・一発長打重視
・確率重視

どれが上で、どれが下という話ではない。

だからこそ、
進学を考える時に大切なのは、
「有名かどうか」よりも
そのチームの野球が自分に合うかどうかだ。

プレースタイルが近いチームに進んだ選手は、
環境に馴染むのが早い。
評価されるまでの時間も短い。

逆に、
スタイルが大きく違うと、
技術以前に“考え方”の修正から始まる。



中学では「技術の完成」を目指さなくていい

ここで、中学生に一番伝えたいことがある。

中学で、技術を完成させる必要はない。

なぜなら、
高校に行けば
ほぼ確実に技術は修正されるからだ。

守備も、打撃も、走塁も、
「学校の色」に合わせて
少しずつ形を変えていくことになる。

それなら、
中学で一番優先すべきものは何か。

それは
どんな野球にも対応できる身体だ。



技術は変えられる。身体は時間がかかる

技術は、
理解ときっかけで
比較的短期間で変わることがある。

一方、
身体づくりは違う。

・筋量
・体重
・バランス能力
・全身をうまく使う感覚

これらは、
時間をかけてしか身につかない。

だから私は、
中学時代は
「どう打つか」より
「どう動ける身体か」を大事にしてほしいと思っている。



野球以外のスポーツが、将来を助ける

昔は、
野球部なのに
バスケもサッカーも何でもできる選手が多かった。

今は、
野球以外の動きが極端に苦手な選手も増えている。

運動能力の低下は、
怪我のリスクを上げ、
技術習得の幅を狭める。

小・中学生のうちは、
野球以外のスポーツも全力でやってほしい。

それが結果的に、
高校での伸び幅を広げてくれる。



最後に

もう一度、伝えたい。

正しい技術はない。
でも、監督には好きな技術がある。


だから、
今やっていることが評価されなくても、
それは「間違い」ではない。

進路を考える時は、
「正解」を探すのではなく、
「合う場所」を探す。


そして中学時代は、
将来どんな野球にも対応できる
身体と土台を作る時間にしてほしい。

それが、
遠回りに見えて、
一番後悔の少ない選択になると、
私は思っている。

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