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昼下がり、高松の池を一周して

今日は久しぶりに何も予定のない休日だった。
録画していたドラマを漫然と見たが、他にすることが特に思い浮かばない。
床に散らばった髪の毛やほこりばかりが妙に目に付いた。
スマホを見ると数日前に図書館から予約していた本の取り置きの連絡が来ていた。
せっかくだから図書館に行くことにした。
前に来た時は平日だったこともあり閑散としていたが、日曜日は多くの人が訪れていた。
本を受け取りつつ一通り見て回ろうかと思ったが、熱心に勉強する人や本を夢中で読んでいる人を見ていたら気が付いたら足は出口へ向かっていた。
時計を見るとちょうど昼を回ったくらいだ。
お腹は空いておらず食べたい物も特に思い浮かんでこない。
早い夏バテだろうか。最近妙に食欲が無い気がする。
図書館を出ると階段があり、上ると高松の池がある。
冬には白鳥や鳥愛好家でにぎわう池もこの季節は閑散としている。
池にはマガモのメスが一羽、出迎えるように羽を休めていた。
ポケットをまさぐりイヤホンを探したが、どうやら忘れてきたらしい。
仕方なくそのまま歩き出した。
少し歩くとあじさいがちょうど見頃で鮮やかに川辺を彩っていた。
あじさいは昔から好きな花だ。
雨が多く暗い気持ちになる日々にさりげなく寄り添ってくれる。
東京にいた時は、そんなあじさいに何度救われただろう。
東北では7月に満開を迎えるので最初は慣れなかったが、今は夏の訪れを教えてくれるようでまた違った趣があると感じている。
池の柵にはカラスが所在なさ気にとまっており、不釣り合いに大きなくちばしでぼーっと虚空を見つめていた。
まだ巣立ちしたばかりなのだろう。
真横を通っても全く警戒する素振りを見せない。
普段はずる賢く見えるカラスもなんだか可愛く思えた。
遠くから女性が一人歩いてきたかと思うと、はたと立ち止まり池の方を見て立ち止まった。
恐る恐る池を覗くと、ほとりには雛と呼ぶには大きい鴨が3羽身を寄せて眠っていた。
手前には門番のようにマガモのメスがいた。
雛達と同じように目を閉じているが、上から少し覗き込むとこちらを警戒するように目を開けた。
目をそらすように水面を見るとあめんぼが一か所に密集して漂っていた。
意外と寂しがり屋なのかもしれない。
近くでは鯉が口をパクパクしていてその音が無性に懐かしい。
鯉に餌をあげていた子どもの頃の記憶が色鮮やかによみがえった。
対岸ではカラスがペットボトルをくわえて振り回していた。
遊んでいるのだろうか。無邪気な子供のように見えた。
その向こうには高校があり、運動部のかけ声がうっすらと聞こえてきた。

ああ、私も生きていていいんだ。
胸がすっと軽くなった気がした。
帰りに寿司でも食べに行こう。
私は足早に池を後にした。







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