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『シンギュラリティはより近く』 2029年まであと5年 : レイ・カーツワイルが断言する「人類がAIと融合する」道筋

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翔平 : レイ・カーツワイルの最新刊、『シンギュラリティはより近く』について紹介するよ。彼は2005年に前作『シンギュラリティは近い』(邦題は『ポスト・ヒューマン誕生』)を出したんだけど、この新刊は、その続編としてシンギュラリティの到来がさらに近づいたことを示しているんだ。

奈美 : カーツワイルさん、テクノロジーの未来予測を次々と的中させてきた人ですよね。シンギュラリティって、AIが人間を超える時点のことでしたっけ?

翔平 : そう、カーツワイルが使う「シンギュラリティ(特異点)」という言葉は、元々は数学や物理学で「他と同じようなルールが適用できなくなる点」を意味する言葉の隠喩なんだ。彼は、AI、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーといった技術が収束し、人類が生物学的な限界を超越する地点を指しているんだよ。

奈美 : 以前は2045年頃に到来すると言われていましたけど、今はもっと早まっているんですか?

翔平 : 以前は「変化の初期ステージにいる」と書かれていたけれど、今は「全力疾走に入っている」、つまり変化のピークにさしかかっていると表現されているんだ。彼の予測では、AIがチューリングテストに合格し、人間レベルの言語能力と常識推論を習得するのは2029年頃だ。

奈美 : 2029年!もう5年後じゃないですか。そのあと、何が起こるんでしょう?

翔平 : 2030年代には、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)が実現し、クラウド上のバーチャルの神経細胞と人間の脳が直接接続されるようになる。これによって、人間の知能と意識は、現在の数百万倍にも拡張される。AIは人間の競争相手ではなく、人間を拡張するものになるんだ。

奈美 : 自分の脳の能力が数百万倍になるなんて、想像もつかないです。そんな知能を手に入れたら、今の私たちの「人間らしさ」ってどうなるんでしょう?

翔平 : そこがまさに哲学的なテーマで、この本の重要な章(第3章)で深く掘り下げられているんだ。AIが知能を模倣し、測定可能になったとしても、その裏側にある主観的な経験、つまり「クオリア」の問題や、「私は誰?」というアイデンティティの中核に関わる問いに向き合うことになる。

奈美 : 「私」という存在自体が問われるんですね...。あと、技術がそこまで進化したら、病気や寿命はどうなるんですか?

翔平 : 究極の目標のひとつが「寿命の延長」だ。2030年代には、ナノロボットが体内に入って細胞レベルのメンテナンスと修復を行い、老化をうち負かせるようになるだろうと予測されている。

奈美 : ナノロボットが体内をパトロールするなんて!

翔平 : そう。健康に熱心な人々は、「寿命脱出速度」という、暦が一年過ぎるごとに余命が一年以上延びていく状態に、早くも2030年頃には達するだろうと予測されているんだ。

奈美 : そんなに長生きできるようになったら、仕事はなくなってしまうんじゃないですか?

翔平 : 自動化による雇用の破壊は避けられないリスクとして論じられている。しかし、物質的な豊かさが増大することで、私たちの関心は「生活の物質的ニーズを満たすこと」から、より高次の「人生に目的と意味を与えること」にシフトしていくはずだという楽観的な見方もあるよ。

奈美 : 豊かさも指数関数的に向上するんですね。

翔平 : そう。カーツワイルは、世界は一般の人が悲観的に思うのとは逆に、貧困、暴力、教育、衛生など、あらゆる面で指数関数的に良くなっているとデータで示しているんだ。そして、このテクノロジーの力で、食料や住宅などの物理的なモノのコストも劇的に下がり、欠乏の多くがなくなる世界がくるだろうと説いている。

奈美 : 夢のような未来ですが、そんな強力な技術が悪用される危険はないんですか?

翔平 : もちろん危険性も避けては通れないテーマだ。この本では、AIやナノテクノロジー、バイオテクノロジーの危険性を、かつての核兵器と同じくらい深刻な脅威として捉え、そのリスクにどう対処すべきかを考察している。人間による管理や倫理的枠組みの必要性も論じられているよ。

奈美 : 技術の光と影の両方を見ているんですね。知能の拡張、寿命の延長、そして「私」という存在の変容...。カーツワイルさんが描く、現在の人間の知能では理解できない世界が、本当にすぐそこまで来ていることを知っておきたいです。

翔平 : まさにこの本は、私たちがこれから経験するであろう、歴史上最も重要な変革の道筋を解き明かしているんだ。

奈美 : 人類がAIと融合するとき、そして私たちの世界が根本から変わるその予兆を、ぜひこの本で体験してみたいです。

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