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水没するはずの故郷の川が少女の喪失と再生に重なる美しいベストセラー小説 シェリー・リード 『川が流れるように』

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翔平 : 最近何か面白い本読みましたか?

奈美:もちろん!最近読んだシェリー・リードの『川が流れるように』っていう小説が、すごく心に残ったの。

翔平 : へぇ、『川が流れるように』ですか。どんな話なんですか?

奈美:主人公はヴィクトリア・ナッシュっていう17歳の女の子で、コロラド州のアイオラっていう小さな町に住んでいるの。彼女の故郷は、後にブルーメサ貯水池の底に沈むことになるガニソン川沿いの谷にある桃農家なのよ。

翔平 : 故郷が水没するって、大変なことですね。

奈美:そうなの。しかもヴィクトリアは、12歳の時に自動車事故で母親を亡くしていて、その代わりに家事全般を背負わされていたの。片脚を失った叔父のオグデンや、問題児の弟セスの世話もね。母親がいなくなってからは、女の子としてどう生きていけばいいのかもわからず、思春期の体や初潮の変化にも戸惑っていたのよ。

翔平 : それは想像するだけでも苦労が絶えなさそうです。

奈美:ええ。そんな閉鎖的な生活を送る中で、彼女はウィルソン・ムーンっていう浅黒い肌の謎めいた若い男に出会うの。彼に会ったのは、弟をポーカー小屋から連れ戻そうと、メインストリートを歩いていた時だったわ。

翔平 : それが物語の始まりなんですね。

奈美:そう。ウィルは放浪者で、彼の自由な振る舞いや、時間の感じ方が、ヴィクトリアにとって初めて経験するような、抗いがたい魅力だったの。彼は「時の流れだけではなかったのだが—に対してほかのたいていの人たちとは違う感じ方をする」人だったとヴィクトリアは気づくのよ。

翔平 : 一目惚れ、みたいな感じですか?

奈美:そうね。彼女は彼に惹かれ、生まれて初めて父親に嘘をついてまで、彼との逢瀬を重ねるようになるのよ。彼女はウィルに抱きかかえられたとき、「平凡な女の子ではないことはわかっていた」と感じ、まるで新しい世界を発見した探検家のような気分になったそうよ。

翔平 : へぇ、ドラマチックですね。そのウィルソン・ムーンっていう人は、どんな人なんですか?

奈美:町では「インディアン野郎」と呼ばれていて、窃盗犯や逃亡者だっていう噂も流れていたわ。彼は炭鉱で働いていたけど、そこから逃げてきたって彼自身も言っているの。

翔平 : 差別的な目で見られていたんですね。

奈美:そうなの。でもヴィクトリアは、彼のそういう噂を信じようとしないし、彼との関係を通して、彼女自身も大きく変わっていくのを感じるの。彼と一緒にいると、これまでの自分には考えられなかったような、美しく、魅力的で、少し危険な存在になれたと感じるの。彼には仔犬を生き返らせるような不思議な力もあるのよ。

翔平 : すごい能力ですね!

奈美:ええ。ただ、ヴィクトリアの弟のセスは、ウィルに強い敵意を抱いていて、彼を「流れ者め!」と罵ったり、「殺してやる」とまで言っていたの。そして、ウィルを捕まえるために懸賞金がかけられていたこともわかるわ。

翔平 : 不穏な雰囲気ですね…

奈美:ええ。物語の前半では、ヴィクトリアとウィルの間に燃え上がった若い恋が、そんな不穏な空気の中で悲劇に襲われるの。ウィルの死体がブラックキャニオンの底で発見されたという話を耳にする場面で、彼女は大きな衝撃を受けるのよ。その報告によると、ウィルは「車に引きずられた」状態だったそうよ。

翔平 : え、死んでしまうんですか…!

奈美:そうなの。彼女はウィルを失った悲しみと、その初恋を壊した人物が誰なのかわかっていても告発できない苦悩を抱えて、先の見えない状況に直面するのよ。

翔平 : それは辛いですね。でも、そこからどうなるんですか?

奈美:それはね、これから物語が展開していく部分だから、ネタバレになっちゃうから言えないわ。でも、ここから彼女が過酷な大自然のなかで生き延びることを選んで、新たな生活を始めていくの。この小説のタイトルにもなっている『川が流れるように』という言葉が、彼女の人生の指針になっていくのよ。

翔平 : なるほど…すごく続きが気になります!喪失から再生へ、というテーマなんでしょうか。

奈美:その通り!この作品の大きなテーマのひとつが「喪失と再生」なの。ヴィクトリアが多くのものを失っても、歩みを止めずに前へ進み続ける姿が描かれているわ。たとえ故郷がダムにのまれ、愛する桃農園が水没しようとしてもね。彼女の人生は、まるでガニソン川の流れのように再生していくのよ。

翔平 : ガニソン川…水没するはずの故郷の川が、彼女の再生の象徴になるのは深いですね。

奈美:そう思わない?この物語は、読んでいると胸が苦しくなるような場面も多いんだけど、読み終えた後には充実感でいっぱいになるはず。

翔平 : すごく読みたくなりました!

奈美:ぜひ読んでみて。物語を読み進めることは、まるで荒々しくも美しい川を下っていくような体験になると思うわ。時には急流に流されそうになるかもしれないけど、その流れの先に何があるのか、最後まで見届けたくなるはずよ。

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