アートで脳を最強に! 『smART』が教える「見る」から「観察する」への道
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翔平: 奈美さん、この本すごく面白いよ。「smART」っていう本なんだけど…。
奈美: へえ、どんな本なの?
翔平: この本はね、アートを見たり観察したりすることを入口にして、情報を集めて理解する方法を学ぶことができるんだって。そうすることで、みんなの前で自信を持って発表できるようになるし、名探偵みたいな推理力も身につくんだよ。CIAのエージェントがするような訓練にもつながるらしいんだ。もともとはベストセラーになった「観察力を磨く名画読解」という本を、子どもやアート初心者でも読めるように作り直した日本語版なんだよ。
奈美: アートでそんな力がつくの?すごいね!
翔平: そうなんだ。この本ではまず「なにをどう見るか?」っていうステップから始まるんだ。人間の脳って、ちょっと“マジカル”で謎に満ちているんだけど、実は使うたびに機能が向上していくんだよ。野球やピアノの練習と同じなんだって。
奈美: 脳も鍛えられるんだ!
翔平: そうなんだ!科学者は以前、脳は生まれたときから大人になっても同じままだと考えていたらしいんだけど、研究が進んで、脳には自己治癒する力があって、新しい情報伝達経路を作ったり、神経を接続し直したり、成長を続けることができるって分かったんだ。この適応して変化する力が「可塑性」と呼ばれていて、私たちは人生のどの時点からでも脳の機能を向上させることができるんだよ。脳をたくさん使うほど、より速く、より賢く、より強くなるんだ。
奈美: じゃあ、賢い子どもたちの話とかも関係あるの?
翔平: もちろん!例えば、棒アイスの「ポプシクル」を発明した11歳のフランク・エパーソンや、ホームレス支援の財団を立ち上げた5歳のハンナ・テイラー、強盗事件を解決した12歳のジェシカ・メイプルとか。彼らはみんな、他の人が見過ごした「なにか」を見ていたんだ。この本には、ヒーローになるのに超能力はいらなくて、活発で生き生きとした脳さえあればいいって書いてあるよ。
奈美: 目で見るんじゃなくて、脳で見ているってこと?
翔平: まさにそう!目と脳は、私たちが思いも寄らない方法で連携して機能しているんだ。網膜は脳の一部で、視覚処理システムには脳の25パーセントと、脳の経路の65パーセント以上が使われているんだよ。だから、私たちは目で見るんじゃなくて、脳で理解しているんだ。
奈美: じゃあ、「見る」と「観察する」って違うの?
翔平: 全然違うんだ!有名な探偵シャーロック・ホームズも助手のワトソン博士に説明してるんだけど、ワトソンは何百回も上った階段の段数を答えられなかった。でもホームズは77段って知っていたんだ。それはワトソンは「見て」はいたけど「観察」はしていなかったからなんだって。
奈美: へえ、なるほど!意識的に見ないとだめなんだね。
翔平: その通り。この本ではまず、脳を活発にして、より速く、より正確に働かせる訓練として「スピードを落として観察する」ことを勧めているよ。電話の発明で知られるアレクサンダー・グラハム・ベルでさえ、「人はみな、うっかりものを見ずに人生を歩んでしまいがちです」と打ち明けていたんだ。だから、周りのことに対して批判的でありながら創造的に反応できるようになるためには、脳を積極的に働かせる必要があるんだ。
奈美: でも、そんなに集中して見られるかな?私たちは色々なことを見落としちゃうって、よくあるよね。
翔平: そうだよね。私たちの脳には情報の処理量に限界があるから、目の前にあるのに見過ごしてしまうこともあるんだ。これを「非注意性盲目」って言うんだけど、ハーバード大学医学部の研究で、放射線科医の88%が肺のX線写真に写った踊っているゴリラを見逃した、なんて例もあるんだよ。
奈美: ゴリラ?!それはすごいね!
翔平: さらに、私たちはそれぞれが違う見方をしている「知覚フィルター」っていうものを持っているから、それが邪魔することもあるんだ。このフィルターには主に3つあるって言われてて、
一つ目は「自分が見たいものを見る」フィルター。脳が、あらかじめ持っている期待にこたえてくれるものを探そうとし、自分の思いこみに反することを無視しようとするんだ。
二つ目は「見るべきだと言われたものを見る」フィルター。他人のせいで、自分ではない誰かが見つけてほしいと思っているであろうものを、自分から探しもとめてしまうことがあるんだ。
三つ目は「変化に気づかない」フィルターだよ。目の前で起こっているにもかかわらず、その変化に気づかないというものだね。
奈美: 意識して気をつけなきゃね。
翔平: 次に、見たものについて「どう考えるか?」が大事になってくるんだ。アメリカの中央情報局、CIAも使ってる情報整理の質問があって、すごく役立つよ。それは、次の3つの質問なんだ。
1 「自分はなにを知っているのか?」
2 「自分はなにを知らないのか?」
3 「自分はなにを知る必要があるのか?」
奈美: それ、どうやって使うの?
翔平: 例えば、燃えている家と消防士の写真があったとするよね。まず、「知っていること」は、秋の景色でカボチャがたくさんあって、2階建ての家が燃えてて消防車も来てること、そして消防士らしき人がカボチャを見てる、とかだね。次に、「知らないこと」は、火事の原因とか、どうしてカボチャを買ってる人が火事を気にしてないのかとか。最後に、「知る必要があること」は、家が燃えている理由と、客が気にしない理由だね。この疑問に集中して観察を深めると、その消防士は訓練の一環として家が燃えていることを知っている、ってことがわかるんだ。
奈美: ああ!そうか!そうやって情報を整理するんだね。
翔平: そう。それに、物事の「欠けているもの」に気づくのも、すごく重要なんだよ。シャーロック・ホームズが、事件現場で犬が吠えなかったことから、殺人者が被害者と犬を知っている人物だと特定して事件を解決した話があるんだ。
奈美: 確かに、そこにあるはずのものがないって気づくことも大事だね。
翔平: あと、「視点」を変えることもすごく大切なんだ。古代ギリシャ人が馬車のために石の道に溝を掘った話があるんだけど、脳も効率性を求めて慣れ親しんだパターンを探すから、その溝にはまりこんでしまうことがあるんだ。そんな時は、体を動かして違う角度から物事を見たり、他の人の立場になって考えたりするといいんだよ。そうすることで、私たちはより良い友人、より良いチームメイト、より良い人間になることができるんだ。
奈美: 確かに、動くと気分転換になるし、新しいアイデアが浮かぶこともあるもんね。
翔平: 最後に、見たもの、考えたことを「どう伝えるか?」だね。いくら素晴らしい観察力を持っていても、それを伝えられなければ意味がないんだ。
奈美: それはわかるなあ。
翔平: 伝える時には、「言葉が持つ色」を意識することが重要だよ。例えば、「ひどい」とか「美しい」は感情のこもった言葉、つまり「主観的」な言葉だね。一方で、「3つの」とか「青色」は感情を入れずに事実を表す「客観的」な言葉なんだ。事実を伝えるなら、客観的な言葉を選んで、正確に、具体的に、簡潔に伝えることが大切なんだ。
奈美: 「小さい」じゃなくて「1センチの幅」とかね。
翔平: そうそう。抽象的な言葉は混乱を生むから、具体的な名詞を選んで。そして、言葉だけでなく、身振りや表情といった「非言語コミュニケーション」もたくさん語るから、自分のボディランゲージにも注意しようね。
奈美: なるほど!全部つながるんだね。
翔平: そう、この本では、エイミー・E・ハーマンさんがFBIやNYPD、NATOのリーダーたちにも教えてきたのと同じスキルを学べるんだ。このスキルを身につけることで、社会的・政治的な状況や強いストレスの中でも、より分析的で思慮深く、危険を回避できるような適切な判断ができるようになるって言ってるよ。
奈美: すごく興味が出てきた!私もその本、読んでみるね!
翔平: ぜひ読んでみて!読んだらまた話そう!
