(書評)第55回「勝手にふるえてろ」(綿矢りさ 著)☆こじらせ系女子の暴走ラブコメディー☆
著者よる長編恋愛小説です。第27回織田作之助賞の候補作になりました。「夢を与える」から3年ぶりとなる著者の4作目の作品です。賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい?、どっちも欲しくない?。迷いながら、ぶつかりながら、不器用に進んでいく、片思い以外恋愛経験ナシのオタクOL が主人公です。2017年に、松岡茉優の主演で映画化され大ヒットしました。

24歳のOLヨシカ(江藤良香)は、恋愛経験ゼロ。中学時代に同級生だったイチ(一宮)に10年間片思い中でした。おたく期が長かったせいで現実世界にうまく順応できない不器用な女性でした。過去のイチとの思い出を蒸し返したり、趣味である絶滅した動物について夜通し調べたり、博物館からアンモナイトを払い下げてもらったりと、1人忙しい毎日を送っていました。

そんなヨシカの前へ、会社の同期で、ヨシカを熱烈に愛してくれる「リアル恋愛」の男性である霧島(二)が突如現れます。生まれて初めて男性から告白されたことにテンションがあがるヨシカでしたが、理想と現実、ふたつの恋のはざまで右往左往、ヨシカの心は揺れ動きます。いまいちニとの関係に乗り切れないヨシカは、イチに会いたいために同窓会を計画します。

同窓会でイチに再会したヨシカは、イチがヨシカの名前すら覚えていないことに、ひどいショックを受けますが、やがて霧島の想いを受け入れます。
自意識過剰、こじらせ系女子、オタク、妄想力爆発、遅咲きの少しいびつなイタイ主人公を、コミカルながら切なく、そして愛おしく描いてゆきます。とてもキュートな恋愛小説です。

わたしは、映画を先に見てから原作を読みました。映画の出来栄えは、捧腹絶倒で素晴らしかったです。松岡茉優さんのコミカルな演技が光っていました。Amazonプライムで見れますので、おススメです☆

