第3話 深夜3時、小学生の私が一人で走った夜──信じていた父に裏切られて…
“お父さんが来る”と信じて待ち続けた夜。気づけば深夜3時、私は一人で走り出していた。
「小学生の頃、深夜3時の道を一人で走ったことありますか?」
この世界で唯一の理解者だと思っていた父。
──あの時の私は、“信じていたお父さん”に裏切られた小さな女の子でした。
---
私の家には、お風呂がありませんでした。
徒歩5分の祖父の家まで、毎晩お風呂を借りに行くのが日課。
子どもの頃はまだそこまで気にしてなかったけど、
「風呂がない家」っていうのは、やっぱりどこかでコンプレックス。
中学生になると友だちを呼べないのが当たり前になっていました。
---
ある日の夜。
母が体調を崩していたので、父と一緒に祖父の家へ行きました。
「お風呂入って待っとき。あとで迎えに来るからな」
父はそう言って一度帰っていきました。
私はテレビを見ながら、
「お父さんが迎えに来るんだ」
そう信じて待っていました。
…でも、一時間経っても来ない。
二時間経っても来ない。
窓の外を何度ものぞいても、父の姿は見えません。
不安で心細くても、私は必死に信じて待ち続けました。
(なんて健気なんだ、あの頃の私。泣けるわ…)
---
気づけば、深夜3時。
「もう学校行かなあかんのに…」と心配しながらも、
「家の布団で寝なくちゃ!」
それだけを思い詰めて、勇気をふりしぼり祖父の家を飛び出しました。
深夜3時の真っ暗な道を、小学生の女の子が一人で全速力。
怖くて怖くて、でも必死に走ったあの夜。
やっとの思いで家に帰りつき、
玄関を開けた瞬間に目に飛び込んできたのは、
両親の怒鳴りあう声でした。
---
「……は?」
私を迎えに来なかった理由は、ケンカしてたから。
怒りとも悲しみとも諦めともつかない絶望感が、
一気に押し寄せてきました。
「信じてたお父さんに裏切られた…」
その瞬間、世界でたった一人きりになったような孤独を感じました。
---
私は泣き叫ぶこともできず、
静かに布団に入って眠りました。
それ以上傷つきたくなかったから。
お父さんまで責めてしまったら、もう誰も残らないから。
だから全部、お母さんのせいにしました。
…それが、あの頃の私の精一杯の防衛だったんです。
---
大人になってから受けたカウンセリングで、
「お父さんに対して怒っていいんだよ」
そう言われました。
クソジジイーーー!クソ野郎ーーー!
枕を投げながら叫んでみました。
最初は胸がザワザワしてしんどかったけど、
だんだん慣れてきて、
「このクソ親がーーー!」って大声で怒鳴って、
疲れ果ててベッドに倒れたら──
ふと、不思議とスッキリしていたんです。
---
「……あれ? 私、全然大丈夫やん」
そう思えた瞬間がありました。
親に怒りをぶつけても、親は生きてるし、私も生きてる。
何をそんなにしがみついてたんやろ?って、ふっと力が抜けました。
---
あの頃の私は、
“いい子”を頑張りすぎて、
本当の気持ちを必死で押し殺していました。
だから今なら、あの小学生の私にこう伝えてあげたい。
「もう、いいよ。私。おつかれさん。」
---
子どもの頃に抑え込んだ感情って、大人になっても心の奥で眠っています。
でもそれを出してあげたとき、初めて「私は私を守れる」と実感できる。
もし今、“いい子”を頑張りすぎてしんどい人がいたら──
あなたにも同じ言葉を贈りたいです。
「もう、いいよ。おつかれさま。」
---
わたしの「絶望と希望」のライフストーリー
#涙の先の幸せ でまとめてます。
