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壊れたまま、日常だけが戻っていった

慰謝料請求をしていた約一年間。

妻との関係が、  
何か大きく変わったかと言われれば、  
正直、何も変わらなかった。

もちろん、  
不倫がなかったことになったわけじゃない。

許したわけでもない。

今後も、  
完全に許せる日は来ないと思う。

でも、  
人は慣れる。

良くも悪くも。

時間は、  
少しずつ感覚を麻痺させていく。

これはたぶん、  
誰でもそうなんだと思う。

自分もそうだったし、  
妻も、少しずつ日常に戻っていた。

毎日、仕事があった。

家事も、育児もあった。

子どもの予定に追われ、  
生活を回していくだけで一日が終わる。

そうやって、  
普通の日常だけが戻っていった。

ある意味、  
自分はそれに甘えていたのかもしれない。

向き合わなくても、  
生活は続いてしまう。

ちゃんと話し合わなくても、  
朝は来るし、仕事にも行く。

だから、  
壊れたものを壊れたまま放置して、  
その上で生活していた。

関係の修復なんて、  
本当にできるんだろうか。

今でも分からない。

些細なことで嫌な気分になることはある。

たぶん妻も、  
そんな自分に嫌気がさしていた時があったと思う。

でも、自分の中では、

自業自得だろ。

その気持ちが強かった。

もちろん、  
ずっと過去に囚われるのが正しいとも思っていない。

どこかで区切りをつけて、  
前を向いて、  
リスタートした方がいい。

そんなことは分かっている。

でも、  
分かることと、できることは違う。

時間が解決してくれるなら、  
それでいいとも思っていた。

この感情も、  
いつか薄れていけばいい。

そう思いながら、  
壊れたままの日常を続けていた。

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