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終わらせることを、選んだ

なんだかんだで、  
慰謝料請求には一年近くかかった。

最初は、もっと早く終わると思っていた。

でも実際は、  
やり取りを重ねるたびに、  
少しずつ長引いていった。

弁護士も、後半はどこかで  
線を引かないといけない、  
そんな空気だったと思う。

少なくとも、  
自分にはそう感じられた。

続けることはできる。

でも、  
続ければ終わるわけじゃない。

ただ長くなるだけで、  
消耗も増えていく。

結局、  
八十万円で合意した。

求償権は放棄。  
今後は連絡を取らない。  
会社や知人、SNSで、  
特定できる形での発信もしない。

いわゆる、  
一般的な条件だった。

納得したかと言われれば、  
正直、分からない。

ただ、終わらせた。

自分で、終わらせることを選んだ。

これ以上続けるのは、  
しんどかった。

気持ちの問題もあったし、  
これ以上、  
時間も、労力も、かけたくなかった。

どこかで、  
区切りをつけたかった。

それだけだった。

スマホを開くと、  
やたらと似たような話が流れてくるようになった。

慰謝料。  
不倫。  
再構築。  
離婚。

検索したからなのか、  
勝手に表示されているだけなのかは分からない。

でも、  
どれもどこか現実感がなかった。

まるで、  
誰かの話を見ているみたいだった。

自分のことなのに、  
少し距離がある。

ちゃんと終わったはずなのに、  
何かだけが、まだ残っている気がした。

たぶん、  
こういうものなんだと思う。

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