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幸せだったはずの日々を、洗い流された

ここまで、いろんなことを書いてきた。
怒りも、葛藤も、矛盾も。
今日は少し、振り返ろうと思う。
なぜここまで決意できたのか。
自分でも、もう一度確認したかった。


妻と結婚したのは、23歳の時だった。
同世代からすれば、早い結婚だった。
デキ婚、良く言えば授かり婚だった。
正直、少しはびびった。
でも、それより強かったのは、責任を取らなきゃという気持ちだった。
不安にさせたくなかった。
だから、めちゃくちゃ喜んだ。
あの頃から、結婚するならこの人なんだと思っていた。
抵抗は、なかった。
結婚式は挙げたいと、妻が言った。
俺も、挙げたいと思ったし、妻の希望通り挙げさせたいと思った。
当時の貯金は、50万あるかないかだった。
仕事をして、バイトも掛け持ちした。
仕事から帰って、バイトに出かける生活を続けた。
それでも、まとまった金にはならなかった。
誠意を見せたかった。
覚悟を見せたかった。
結局、両親の力を借りた。
感謝しかない。
それでも足りない分は、ご祝儀でなんとかなると言われ、なんとか無事に、挙式と披露宴を挙げることができた。
若さは無知で無力さもある。
だが、それ以上に勢いがある。
新婚生活は、2人で住むアパートから始まった。
派手じゃなかった。
でも、新鮮さと幸せに溢れていた。
何気ない日常だった。
好きな人が、毎日隣にいた。
それだけで、好きが増えていく感覚だった。
すぐに、娘が産まれた。
何もかも初めてだった。
若い2人だったけど、楽しみながら生活できた。
仕事から帰れば、妻と娘がいた。
これが家族の幸せなんだと、実感していた。
週末は、公園やショッピングモールへ出かけた。
幸せは、そこら中に転がっていた。
子供の成長に目を見張った。
妻とあれこれ話すのも、楽しかった。
3年後、息子が産まれた。
同じ頃、マイホームを買った。
人生で一番くらい大きな決断を、妻となら下せた。
結婚当初は、心配されることもあった。
でも、息子が産まれてから、少しずつ家族として成立していった。
羨ましがられることが、増えていった。
子供の習い事も増えた。
妻は仕事に復帰していたのに、送迎も予定管理も熱心にやっていた。
忙しくも、楽しい日々だった。
子供を産んでくれたこと。
それだけで、最高の宝物をもらったと思っていた。
行事ごとにも、妻は熱心だった。
旅行も、季節のイベントも、思い出は山ほどある。
発表会も、子供の試合も、何度も見に行った。
おしどり夫婦だったかと聞かれれば、そうじゃない。
喧嘩もした。雰囲気の悪い日もあった。
いろいろある。
でも、それが夫婦なんだと思っていた。
子育て世代の中心は、いつも子供だった。
子供のために、妻と一緒にいろんなことを考えた。
周りが羨むような家庭になっていた。
この人とだから、できたことが多かった。
この人で良かったと、何度も思った。
妻も、同じことを言っていた。
「俺だから、続けてこれている」
そう言われたこともある。
そんな日常の中に、裏切りは突然やってきた。
音を立てて崩壊した、そう思っていた。
でも、そんなものじゃなかった。
幸せだった過去が、丸ごと洗い流された。
楽しかった記憶ごと、消え去った。
極め付けは、本心だった。
相談していたチャットの中身を見た。
俺には、「軽いノリだった」「本気なわけない」と言っていた。
それは、全部嘘だった。
そこには、不倫相手のことを「大切な存在」「大切な思い出」と書いていた。
この人との未来は、ない。
そう思った。
過去が消されたのなら、未来も消えて当然だ。
ここまで、馬鹿にされていた。
夫婦も、家族も、上辺で作られていたものだった。
これは、終わらせないといけない。
そう決めた。
俺の大切なものを壊し、消し去り、嘘で切り抜けてきた今までは、もう取り返せない。
ただ、妻を奈落の底へ突き落とす。
這い上がることすらできない場所へ。
今は、その決意だけが固い。

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