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不倫で本当に奪われるもの

不倫で失うものは何ですか?

そう聞かれたら、多くの人は「信用」や「お金」と答えるかもしれない。

もちろん、それも間違いではない。

慰謝料を支払い、離婚をし、家庭が壊れる。

目に見える損失はいくらでもある。

でも、俺はそれ以上に奪われるものがあると思っている。

それは、「相手を疑わずに過ごせる平穏な時間」だ。

この代償は、お金では買い戻せない。

一度裏切られると、日常の景色が変わる。

「今日は帰りが遅いな。」

それだけで頭の中に余計な考えが浮かぶ。

スマホを伏せて置いた。

通知が鳴った。

急に予定が入った。

不倫を知らなかった頃なら、何とも思わなかった出来事だ。

でも一度裏切られると、その何気ない日常すべてに意味を探すようになる。

「また何かあるんじゃないか。」

そんな考えが、一瞬で頭をよぎる。

相手を信じたい気持ちと、裏切られた記憶。

その二つが毎日のようにぶつかり合う。

これが、サレた側だけが払い続ける”監視コスト”なんだと思う。

不倫をした側は、時間が経てば「もう終わったこと」と考え始める。

でも、サレた側の時間は違う。

俺も、不倫発覚直後は妻のスマホばかり気になっていた。

誰と連絡を取っているのか。

今どこで何をしているのか。

また裏切られているんじゃないか。

そんな毎日は、本当に苦しかった。

でも今は違う。

一年半以上が経ち、妻のスマホを見たいとも思わなくなった。

日中何をしていようが、誰といようが、以前ほど興味はない。

それは妻を完全に信じられるようになったからではない。

疑い続けることに、自分の人生を使いたくなくなったからだ。

監視を続ければ、自分も壊れていく。

だから俺は、自分の心を守ることを選んだ。

もちろん、フラッシュバックがゼロになったわけじゃない。

何気ない場所や景色で、突然あの日を思い出すことはある。

傷は今も残っている。

でも、その傷に人生の主導権まで渡すつもりはない。

不倫は、人から平穏を奪う。

何もしなくても信じられた日常を奪う。

その罪は、想像以上に重い。

だからこそ俺は思う。

サレた側は弱い。

傷つくし、泣くし、疑う。

そんな自分が嫌になる日もある。

でも、弱いままで終わる必要はない。

俺は、この一年半でそれを少しずつ学んだ。

傷は消えない。

信用も元には戻らない。

それでも、自分の人生まで奪われる必要はない。

サレたという過去は変えられない。

でも、その先をどう生きるかは、自分で決められる。

俺は、そのために今日も前を向いて歩いていく。

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