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妻と行ったランチ

今日は妻とランチに行った。

少し前から「どこか行こうよ」と言われていて、店は俺が探した。

初めて行くイタリアンだった。

雰囲気も良くて、料理も美味しかった。

妻はパスタを頼んだが食べきれず、残りを俺が食べた。

「美味しいね」

そんなことを話しながら、子供のことや最近あった出来事を話す。

傍から見れば、どこにでもいる普通の夫婦だったと思う。

仲の良い夫婦に見えたかもしれない。

実際、楽しくなかったわけじゃない。

妻と出掛けることが嫌なわけでもない。

会話が苦痛なわけでもない。

笑うことだってある。

でも。

心のどこかに、小さな棘のようなものが残っている。

ふとした瞬間に顔を出す。

今日もそうだった。

妻が笑う。

俺も笑う。

美味しいねと言いながら食事をする。

その何気ない光景の中で、

不意に考えてしまった。

不倫相手とも、こんな風に過ごしていたのだろうか。

向かい合って座り、

他愛もない話をして、

楽しそうに笑っていたのだろうか。

そんなことを考えた瞬間、

胸の奥が少しだけ重くなる。

もう終わったことだ。

何度も自分に言い聞かせている。

過去は変えられない。

考えたところで何も変わらない。

それでも感情は理屈通りには動いてくれない。

今でも時々、

こうして突然顔を出してくる。

きっと、これが再構築なのかもしれない。

許したわけじゃない。

忘れたわけでもない。

だけど日常は続いていく。

食事をして、

仕事をして、

子供の話をして、

笑う日もある。

その繰り返しだ。

だから今日も、この感情は表に出さなかった。

妻にぶつけることもしなかった。

飲み込んだ。

飲み込んで、

また前を向くことにした。

正直、前に進めているのかは分からない。

立ち止まっているのかもしれない。

同じ場所をぐるぐる回っているだけなのかもしれない。

それでも。

少しずつでも進むしかない。

そう思いながら帰り道を歩いた。

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