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bright_oxalis977
不倫を過去のことにしたい人とできない人
不倫をした側は、時間が経つほど「もう終わったこと」と考え始める。
でも、不倫をされた側は違う。
あの日を境に人生が変わってしまった人間にとって、「終わった」という感覚は簡単には訪れない。
だから再構築が難しい。
よく、「もう謝った」「反省している」「いつまで引きずるの?」という言葉を耳にする。
でも、その言葉が出た瞬間、俺は思う。
「あぁ、この人は傷の深さを理解していないんだな」と。
不倫は、その場で終わる出来事ではない。
終わったあとから始まる出来事だ。
街を歩けば思い出す場所がある。
一緒に聴いたであろう音楽が流れる。
車で何気なく通った道に、フラッシュバックする。
本人に悪気はなくても、傷つけた側には何でもない出来事が、傷つけられた側には心をえぐるトリガーになる。
俺も、不倫発覚から一年半が経った。
以前より気持ちは落ち着いた。
スマホを見たいとも思わなくなったし、四六時中疑うこともない。
それでも、妻が不倫相手と利用していたラブホテルの近くを通っただけで、胸の奥がざわついた。
「まだ残っているんだ。」
そう実感した。
傷は薄れる。
でも、消えるわけではない。
だから俺は思う。
本当に再構築できる夫婦は、「許してもらえた夫婦」ではない。
不倫をした側が、「この傷は一生消えないかもしれない」と理解し、そのフラッシュバックや悲しみに何度でも寄り添う覚悟を持てた夫婦だけだ。
「もう過去のことだから忘れて。」
その一言は、自分だけが前へ進もうとしている証拠だ。
再構築とは、二人で前へ進くことではない。
傷つけた側が、傷つけられた側の歩幅に合わせ続けること。
それができて初めて、「やり直す」というスタートラインに立てるのだと思う。
俺たちには出来なかったことだけれど。
