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高尾歳時記 2026年5月9日

 2025年から2026年にかけての秋冬の時期、南関東では記録的な少雨となりました。

 その結果、東京都の水源である各地のダムは軒並み貯水率が下がりました。特に、小河内貯水池、いわゆる奥多摩湖は極端な渇水に見舞われています。

 以下、西多摩経済新聞のサイトから引きます(*1)。
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 30年に1度といわれる少雨で、奥多摩町にある小河内ダム(奥多摩湖)の水位が低下し続けている(…) 都水道局によると、同ダムの貯水量は1億8540万立法メートル。水位は平年に比べて大幅に低くなっており、平成に入って以降、最低となる8600万立法メートルを下回ったという。

 奥多摩湖の西端部、丹波山川が流れ込む留浦辺りでは湖ではなく、川のように見え、底が陸地のように広がっている。

 同ダムの貯水量は3日時点で8221万立法メートル、貯水率は44・3%。昨年同時期は70%台だった。
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 この記事は2026年2月3日付ですが、その後も状況は改善せず、引き続き記録的な渇水になっているとのことです。東京都水道局の貯水量情報によれば(*2)、2026年5月8日の小河内貯水池(奥多摩湖)の貯水率は34.8%。2月からさらに悪化しています。各種報道の写真をみると、麦山の浮橋は中央が切り離され乾いた湖底にだらりと置かれていたり、湖底の一部が川のようになっていたり、満々と水をたたえた姿しか知らない私にはちょっと考えられないぐらい異様な光景です。

 先述の東京都水道局の貯水量情報によると、5月8日時点の東京都の水源については、利根川水系のダムの貯水率は80.8%、荒川水系のダムの貯水率は46.2%、小河内貯水池を含む多摩川水系のダムの貯水率は37.5%とのよし。なお、東京都の水源は、約8割が利根川水系及び荒川水系、約2割が多摩川水系です。

 東京都の水道の供給に関する見通しについては、東京都水道局が4月22日に報道発表を行なっており(*3)、直ちに社会活動に影響がでることはないとしつつも、状況は注意を要するとのことです。以下報道発表から引きます(*3)。

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(1)気象庁発表の気象予報(1か月予報:4月18日から5月17日までの天候見通し)によると、降水量は「多い」と「平年並」の確率は合わせて80%となっています。

(2)国土交通省関東地方整備局によると、利根川上流9ダムのうち1ダム(薗原)は満水となりましたが、本年は積雪が平均を下回り、平年よりも早いペースで融雪が進んでいることから、今後の降雨状況によっては、ダムの貯水量が急激に減少していくことも考えられるため、河川の流量、各ダムの貯水状況、農業用水や都市用水の取水状況を十分考慮するとともに、既存施設を広域的かつ効果的に活用し、きめ細かい運用を行っていくとしています。

(3)多摩川水系については、平均を下回る貯水量となっていますが、今後の降雨状況や河川流量に応じて効率的な水運用を実施し、貯水量の確保に努めてまいります。
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 ほぼ毎日多摩川中流域の様子は目にするのですが、水量は例年とあまり違わないように見えます。しかし、上流では異変が起きているのですね。関東地方の都県の中では突出して独自の豊富な水資源を有し、他の都県が渇水に見舞われてもゆるがず常に安定した水供給を行ってきた神奈川県。しかし、その神奈川県も現在の状況は異常事態なのだそうです。以下、2026年3月4日付の朝日新聞の記事から引きます(*4)。

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 昨秋から続く少雨により、神奈川県内のダムの貯水率が平年の半分以下となっている問題で、県企業庁は3日、渇水対策本部を設置した。

 日常的に行っている東京都への分水の量を半減させるほか、横浜市や川崎市などと連携して、事業に支障のない範囲で節水を始める。都への分水を制限するのは、1996年の渇水時以来30年ぶりという。
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 神奈川県も直ちに社会活動に影響がでることはないということですが、ここ数年、気象の激甚化とともに、関東地方では冬の渇水が徐々に悪化しているように感じます。大型連休は終わりましたが、休日のことになると、天気予報では雨天がいまいちな、残念なニュアンスで報じられます。ですが、なんだかだんだん、そんな話ではないように思えてきてなりません。去る5月1日、日本列島は発達した低気圧が横断してまとまった雨となりましたが、窓の外にザーザーと降りしきる雨を見て、ちょっとほっとするような思いを抱いてしまいました。
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 本日土曜日は、5月上旬らしい空気の乾いたカラッとした晴れになりました。早朝の高尾山口駅前の気温は13℃。空気が乾いているので、ひんやりと感じます。気温はこのあと20℃近くまであがりましたが、空気が乾燥していたので、快適な山行日和になりました。大型連休直後の土曜日でしたが、今年の曜日の並びの関係で木曜日と金曜日を休みにして連休にしたかたもいたかと思います。大型連休中ほどではありませんでしたが、高尾山はそれに準じる大混雑でした。

 去る5月5日は二十四節気の立夏。暦では夏を迎えました。高尾では春の花々はほとんど終わって、初夏の花に移行しつつあります。今日も花の多いところをめぐってきました。

早朝の高尾山口駅前を出発。気温は13℃。若干高めですが、空気が乾いているのでひんやりと感じます。早朝なのでひとはまばらですが、下山した午前10時ごろは大混雑でした。
カタバミは、日本全国でもっともありふれた野草ではないでしょうか。
こちらはムラサキカタバミ。よく似た花にイモカタバミがありますが、花の中心に向かって紫色の濃度が増していくイモカタバミとちがって、ムラサキカタバミの花の中心は黄色か緑色です。園芸用として人気ですので、都心でも花壇に植えられているものをよく見かけます。
こちらがイモカタバミ。
ムラサキカタバミもイモカタバミも、海外由来の帰化種。
スイバは河原や草むらで多く見かけます。熟すと赤く染まります。
梅の実がたくさん落ちていました。
オドリコソウはピーク。
セリバヒエンソウの個体数は大変多く、ふもとではあちこちで見かけます。
ピークは過ぎて花のシーズンは終わりに近づいています。花の数は目に見えて減ってきました。
クサノオウも個体数は多い。都心の公園などでも見かけます。
ムラサキケマンはほぼ終了。
ムラサキサギゴケも少なくなってきました。
沢沿いなどの湿った、木陰で多く見かけます。
ニリンソウの花は終わって、葉も朽ちてきました。あれほど大量に地面を覆っていたニリンソウですが、この時期になるとこのようにあっけなく朽ちていき、地上からは跡形もなく消え去ります。
ヘビイチゴの花。個体数は多い。
ツボスミレ(ニョイスミレ)も少なくなってきました。
暦では夏を迎えて、スミレの季節は終わりですね。
これはモミジの種。
プロペラのような形をしていますが、事実羽状の部分が空気を切ってくるくるまわり、風にのるとある程度の距離飛行します。
おっ!これはオトシブミの揺籃ようらん(ゆりかご)です。高尾にはヒゲナガオトシブミなどオトシブミの仲間の昆虫が生息していて、木の葉をくるくる器用にまるめてゆりかごをつくり、なかにひとつ卵を産んだあと、付け根を噛み切って地面に落とします(落とさない種もいるそうです)。孵化した幼虫はこのゆりかごをえさにします。 このゆりかごを落とし文にみたてて、その優雅な名前がつけられたのだとか。葉巻職人も真っ青の、きれいで丁寧な巻き具合です。
コバノタツナミはピークを過ぎて、少なくなってきました。
ツクバネウツギもピークを過ぎて、落花しています。
マルバウツギはピーク。個体数はとても多い。
コゴメウツギが次々に開花しています。
あっ!ガクウツギも開花していますね。
こちらはヤブデマリ。これによく似た花をつけるムシカリ(オオカメノキ)という木があります。ムシカリも高尾で普通に見かけますが、どちらも花びらの枚数が5枚であるところ、ヤブデマリの花は花びらのひとつが極端に小さく、遠目には4枚に見えるので容易に区別できます。
フジの花はピークを過ぎて、少しずつ少なくなってきています。
エビネは、高尾では比較的多く観察できるランです。
ピークを迎えて、咲きそろってきました。
エビネはこのように大きな集団を作っている姿を多く見かけます。
こちらはハナイカダ。葉っぱの上に花を咲かせる変わりダネです。
ハナウド。花の塊は大きいもので直径40cm以上、背丈は2m近くまで伸びる大型の野草です。
クサイチゴの花。高尾の個体数は大変多い。
ここのクサイチゴは結実しています。
場所によって季節の進みが違います。
キンラン。
キンランはここ数年高尾で数を増やしています。
キンランはあちこちで咲いていました。こちらの個体は花が開き、中心の赤い脈がのぞいていて、きれい。
ササバギンラン。高尾で観察されるギンランはクゲヌマラン(クゲヌマギンラン)、ギンランとササバギンランの3種ですが、このササバギンランが最も個体数が多い。
あっ!地面近くでハンショウヅルを見つけました。
エゴノキの花の蕾が揃ってきました。開花は秒読みです。
ランヨウアオイ。高尾で観察されるカンアオイの仲間ではタマノカンアオイについで見つけるのが難しい。
カントウカンアオイ。単にカンアオイと呼ばれることもあります。
カントウカンアオイは、高尾で観察されるカンアオイの仲間のなかでは比較的数が多い。
こちらもカントウカンアオイ。前の写真のカントウカンアオイは葉にはんがある、斑入ふいりの個体ですが、こちらはない個体。見かけが全然違いますが、同じ種です。
フタリシズカ。
個体数は多い。
ジュウニヒトエはほとんど終わっていますが、この個体はまだ綺麗に咲いていますね。
(小仏)城山に到着。
久しぶりに富士山がくっきりと見えました。雪がだいぶ少なくなってきています。
一丁平の森は青々。夏の風情です。
一丁平の展望台から富士山方面。
富士山は引き続きくっきり見えます。
ヤマボウシの花が開花しています。
一丁平では、ホオノキが開花しています。
こちらのホオノキの花は完全に開花していますね。
直径20cm以上ある大きな花。近づくと、バナナのような甘い濃厚な芳香が漂ってきます。
ここは落葉広葉樹の森。新緑がきれい。
高尾に自生するランの仲間では最大級の希少種。スズムシソウ。
鈴虫の羽のような花が、その名の由来。先週は五分咲き程度でしたが、満開になっていました。
落葉紅葉樹の新緑が眩しい。
高尾山山頂に到着。
富士山引き続ききれいです。
同じく高尾山山頂から、丹沢主脈方面。
清々しい絶好の山行日和になりました。
高尾山山頂のモミジの木が結実していました。

*1
「奥多摩湖の水位、30年に1度の少雨で大幅低下 都が節水呼びかけ」、西多摩経済新聞、2026.2.3

閲覧日:2026年5月10日

*2
参照情報
東京都水道局水道局HP 水源・水質 貯水量情報

閲覧日:2026年5月10日

*3
東京都水道局HP お知らせ 報道発表 令和8年度 4月 「水源の現状と今後の給水見通しについて」

閲覧日:2026年5月10日

*4
「東京都への分水量を半減へ 少雨による渇水で神奈川県が対策本部」、朝日新聞デジタル、朝日新聞社、2026年3月4日

閲覧日:2026年5月10日

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