「私には何もない」が口癖の50代の方へ~それ、人生最大の勘違いかも
こんにちは。50代応援キャリアコンサルタントのとなきちです。
私たちは、思っている以上に自分の思い込みに支配されているのかもしれません。
キャリアコンサルティングの現場に立っていると、周囲からはとても素敵に見えるのに、ご本人は私なんてと自信を持てずにいる…そんな女性に数多く出会います。
今日は、そんなキャリアの現場で私が感じた、ある大切な視点の転換についてシェアさせてください。
(※個人情報保護の観点から、エピソードは特定できないよう一部加工・変更しています)
自信ありげに見えて、実は…?
以前、今後の働き方について相談にいらしたある女性のお話です。
第一印象は、とてもハツラツとしていて、ご自身のスタイルをお持ちの素敵な方でした。きっと前向きにバリバリ働いてこられた方なんだろうなと感じさせる雰囲気をお持ちだったのです。
しかし、これまでのキャリアについてお話を伺うと、意外な言葉が返ってきました。
「私、これまでのらりくらりと生きてきたんです」
「特にこれといった強みもないですし、その時々の状況に流されるように就職して…」
明るくお話しされるのですが、その言葉の端々には自分には誇れるキャリアなんて何もないという、諦めのようなものが滲んでいました。
「弱みだらけ」の正体
彼女に限らず、自分は弱みばかりで、強みなんてないと思い込んでいる方は少なくありません。
そこで私は、彼女にこう聞いてみました。
「では、その弱みとは具体的に何ですか?」
すると、言葉に詰まってしまわれました。弱みだらけとおっしゃる割に、実は具体的な事実はそこになかったのです。
ここにあるのは、事実ではなく思い込み。誰かのような立派なキャリアではない。有名な会社で出世したわけではない…。
そうやって無意識に他人と比較して、自分で自分にダメだというレッテルを貼ってしまっている。
事実だけを並べて見えてきた「すごいこと」
そこで、彼女が歩んできた道のりの事実だけを一緒に振り返ってみました。
人生の岐路で、その都度ちゃんと自分で選択し、決断していること。 置かれた場所で逃げずに精一杯頑張り、信頼を得てきたこと。 そして今、未来のためにこうして相談に来るという行動を起こしていること。
私は伝えました。
「これって、すごいことじゃないですか? あなただからできたことではないですか?」
事実に基づいたフィードバックをお伝えすると、ハッとした表情をされ、やがてその目には涙が浮かんでいました。
「そんな風に言われたこと、今までありませんでした」
「自分のことを、そんな風に認めてあげたこともなかったです」
「のらりくらり」は「柔軟性」という才能
私たちはつい、自分の強みや弱みを他人と比べて判断しがちです。 しかし、本当の自己理解は違います。
彼女がご自身でのらりくらりと表現したその歩み。 それは見方を変えれば、どんな環境にも適応して生き抜いてきた、素晴らしい柔軟性という才能そのものだったのです。
面談の最後、彼女はこうおっしゃいました。
「自分がすごい人だと、少しだけ思えるようになりました。もっと自分を褒めていいんですね」
あれだけ何もないとおっしゃっていた方が、自分は周りに必要とされてきたんだと気づき、晴れやかなお顔で帰っていかれました。
50代からのキャリアで大切なこと
もし、これを読んでいるあなたも自分には誇れるキャリアなんてないと思っているとしたら。 それは、ただ自分の凄さに気づいていないだけかもしれません。
あなたが流されてきただけだと思っているその過去は、変化の激しい時代を生き抜いてきた適応力の証明だったのです。
50代からのキャリアも同じです。 まずは、これまでの自分を事実として認め、褒めてあげることから始めてみませんか?
私自身、自分を知ることがどれほど人に力を与えるものなのか、改めて実感させていただいた出来事でした。
