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人生はいつでも「再編集」できる。舞台『ガウディ×ガウディ』を観て

昨日は、EX THEATER ROPPONGIへ。
ロック音楽劇『ガウディ×ガウディ』を観てきました。

そこにいたのは、かつてのスターとしての輝き続けているというよりは、今の年齢、積み重ねてきた月日そのものを圧倒的な迫力に変えて演じるいぶし銀のような沢田研二さんの姿でした。

どこまでも響き渡る、年齢を感じさせない突き抜けた声量。 綺麗なところだけを見せるのではなく、今の自分をありのままにさらけ出すジュリーの演技に、言葉にできない強さを感じて、ただただ魂が震えました。

「なかったこと」にしたい過去のゆくえ

劇中、稀代の建築家ガウディの人生を追いながら、ふとキャリアコンサルタントとしての日常が頭をよぎりました。

これまで2,500人以上の方のお話を伺ってきて、気づいたことがあります。 人は新しい一歩を踏み出そうとするとき、つい自分の過去を選別してしまう、ということです。

「あの仕事は今の目標とは関係ないから」
「あの辛かった時期は、思い出したくもないし、なかったことにしたい」

そんなふうに、自分にとって不都合なキャリアや苦しい経験を、今の自分から切り離して考えようとする心理。
それは、自分を守るための自然な反応なのかもしれません。

ガウディが気づいた「天命」の正体

けれど、劇中のガウディの言葉
「これまで辛かった過去の経験は、自分の天命を知るためにあったんだ」と。

あの偉大なガウディでさえ、順風満帆だったわけではない。悔やんでも悔やみきれないこと、目を背けたい過去を抱えながら、その一つひとつが、自分がこの世で果たすべき役割に気づくための必要な経験だったと気づいていく。

そのプロセスを見て、ストンと胸に落ちるものがありました。
「ああ、私たちが向き合っている相談者の方々も、みんな同じなんだ」と。

すべてのピースが、今に繋がっている

忘れたい過去や、後悔してばかりの出来事。 けれど、それをどう乗り越えてきたか。その泥臭い過程の中にこそ、今の自分を知るための本当のヒントが隠されています。

キャリアは、綺麗な一本道である必要はないのです。
ガウディが手がけたサグラダ・ファミリアのように、複雑で、未完成で、時に修正を繰り返しながら積み上がっていく。
その無駄に見える部分こそが、その人だけの深みや魅力を作る装飾になるのだと思います。

3時間の舞台を終えて劇場を出ると、雨あがりの空気は少し冷たかったけれど、心の中には温かい灯がともっていました。

「人生に、無駄なものなんて何ひとつない」

明日からまた、相談者の方の人生の物語に寄り添うとき。 そして、私自身の人生を歩んでいくとき。 この確信を大切に、一歩ずつ進んでいきたい。
そんなことをしみじみ感じた、穏やかな時間でした。


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