職場によって違う診療費負担
トップ画は最近ハマっているパズルゲームのMeowdoku、ルールに従って隠れている猫を探すゲーム。簡単ではないが、難しくもない。私にとってちょうどよいレベル。猫の動きがかわいいので、最近は時間が空くとついやってしまう。
さて、今日の話題は、健康保険3割負担、高額療養費制度と付加給付とがん保険。実は、同じ100万円の治療でも勤務先によって自己負担は8万円にも2万5千円にもなる。私はがん保険に入っておらず、一般的な生命保険のみ入っている。がんに罹患して、この保険からがん一時金40万円が支給された。そこで、がん保険が必要なのかどうかを考えてみた。
前提として、健康保険が適用される治療のみを受けることを置く。健康保険で使える標準治療が自分のがんには最適だと考えている。私は大動脈周囲リンパ節に遠隔転移のあるHER2陽性胃がんのステージ4で切除不適応なので化学療法のみで治療している。この1年近く、ステージ4胃がんの治療情報などを調べまくっているが、今、私の受けている化学療法よりも良い治療の情報は見つかっていない。
病院で治療を受けて、会計をするとまずは健康保険の3割負担が適用される。次にマイナンバーカードの保険証を使うと高額療養費制度が自動適用になるので、会計窓口で支払う金額は高額療養費制度適用後の金額になる。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度で、入院時の食費負担や差額ベッド代等は含まれない。例えば、70歳以上・年収約370万円~770万円の場合(3割負担)、100万円の医療費で窓口の負担(3割)が30万円かかる場合、医療費 100万円、窓口負担 30万円となる。高額療養費として支給は30万円-87,430円 = 212,570円となり、実際の自己負担額は87,430円となる。
高額療養費制度には、多数回該当という制度が含まれている。過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がるので、がんのように長期療養が必要な疾病の患者の負担は軽減されている。
ここまでは、がん患者なら知っていると思う。今日の目玉は付加給付。これは自分が所属している健康保険組合によって扱いが異なる。付加給付がある場合、ない場合があり、ある場合も限度額が異なる。これがあると、もしかしたらがん保険は要らないかもしれない。
私の場合は、私学共済に入っている。私学共済の付加給付は、自己負担が大幅に軽減される優れた制度であり、主な特徴として自己負担限度額の実質引き下げ、自動給付(申請不要)、支給までのタイムラグがある。この付加給付の仕組みでは、加入者(本人)または被扶養者(家族)が、同じ月内に1つの医療機関で支払った保険診療の自己負担額から、25,000円(一部負担金等控除額)を引いた額が払い戻される。よって、入院時の食事代や差額ベッド代などを除いて、実質的に1ヶ月の医療費負担が最大でも25,000円程度(1,000円未満の端数切り捨て)に抑えられる。
しかも、医療機関から私学共済に届く診療報酬明細書(レセプト)に基づき自動計算されるため、領収書や請求書の提出は必要ない。受診した月の約3ヶ月から4ヶ月後に、所属している学校法人等を経由して指定口座へ自動的に送金される。マイナンバーカードや限度額適用認定証を病院に提示しても、この付加給付(25,000円を超える部分)の分は窓口で一旦支払う必要があるため、後日の還付となる。
このように高額療養費制度の付加給付は加入者にとって、大変ありがたい制度になっている。高額療養費の付加給付(一部負担還元金や家族療養費付加金など)を実施している健康保険組合の割合は、公的な一律の最新統計データとして明示されていないが、一般的に大半の健康保険組合(約8割〜9割以上)が何らかの付加給付制度を設けている、ということだ。ご自身が加入している健康保険組合にこの制度があるかどうかを確認した方がよい。
高額療養費制度の付加給付があれば、がん保険は要らないかもしれない。私は生命保険の類いは必要最小限でよいと考えている。費用対効果を見極めて、不必要な保険には入るべきではない。例えば、会社員や公務員など企業、団体に雇用されている人に就業不能保険は必要ない。
では、がん保険はどうか。先ほど説明したように高額な治療費のかかるイメージのあるがん、一生のうちに二人に一人は罹患するであろうがん、この二つの「常識」からがん保険に入っている人は多いと思う。
確かにもう引退して、国民健康保険に入っている高齢者は高額療養費制度は適用されるが付加給付がない。年収が低ければ高額療養費制度によって定められた上限も低いが、住民税非課税にならず、年収が370万円以下なら年間29万円、370〜770万円なら53万円の負担となる。このお金を賄うために70歳で月々5,000円(年間6万円)程度から入れるがん保険に入るかどうか、迷うところだろう。迷ったらFPなど保険のプロに相談すべきだと思う。
それ以外の若い人で正社員や公務員などならがん保険に入る必要はないかもしれない。保険料を他のことや貯金に使った方がよい。でも、非正規で働いていたり、扶養されていない人の場合は悩みどころだ。がんに罹患したときの費用に備える必要はあるが、収入が低い場合、保険料は負担になる。それでも、国保に入っていれば、高額療養費制度で収入に見合った上限までの支払いになるので、がん保険はいらないかもしれない。
もし、低収入で診療費の支払いができないなら市役所などに相談しよう。世帯収入や困窮状況に応じて、国民健康保険の医療費減免制度、無利子の公的貸付、生活保護などの最適な公的支援制度を案内され、具体的な申請手続きへ進むことができる。
がんに罹患した場合の治療費用について書いてきたが、さまざまな制度があり、とてもわかりづらい。最初にあげた猫を探すパズルゲームのようだ。公的制度は利用のためにルールがあり、それを理解するのは骨が折れる。もしかしたら、ルールが理解できないかもしれない。そういうときはプロに聞こう。まずは役所の担当職員さん、保険にかんしてはFPさんによる無料の相談窓口などを活用しよう。日本の健康保険制度はよくできているけど、制度を知らない人を啓発するようなことはほぼない。知らなくて損しないようにすべきだ。
高額療養費制度について
https://www.mhlw.go.jp/content/000333280.pdf
