「財テク」と「資産形成」の違い
そういえば、「財テク」って言わなくなりましたね。このワードをふと聞いたときに、懐かしさを感じました。
今だと、資産形成、資産運用、金融リテラシー、あるいは、ざっくりと投資って言葉に置き換わったのかな。
今日はそんなことを考えてみます。
バブル期の「財テク」
私は1985年に大学に入学しました。そのころは「財テク」でした。バブル経済の熱気が街を包み、お金がまるで魔法のように増える時代、と後で知りました。
というのも、そのころは学生。日経平均なんて言葉を知らない頃です。
住んでいた大学寮は、共同風呂、共同トイレ、掃除も食事の用意も寮生が順番に行う共同生活。寮費は月4,000円。アルバイトの時給は380-450円でした。バブルを感じたのは、時給の急上昇です。卒業する頃の時給は800-1,000円ほどまで上がったのですから。
そう思うと、30年以上前から、時給はそれ以来あまり変わってないんですね。
わずかな仕送りでの学生生活でしたが、世の中が活気付いているのは肌身に感じていました。HONDA スポーツカーNSXが当時としては最高価格の800万円で発売して、すぐ売却すると1,600万円になる話を聞いて、需要と供給が価格に及ぼす影響を考えたきっかけだったことを覚えています。
社会人になった頃、「財テク」ってワードには、ネガティブな印象を持っている人が多く、どこか危険で近づいてはいけない世界と感じていました。
それでも、儲かることを全面に出して、雑誌やテレビは「誰でも儲かる財テク術」を競って紹介していました。人々は株や不動産、ゴルフ会員権などの買い漁っていたことを覚えています。私は新入社員の頃なので、当然資金がなく、手が出したくても出せない状態で、世の中を見ていました。
今では、バブルって砂の上に建てた城のようなもので比喩されてますね。株価や地価が永遠に上がると信じ、リスクを直視せず、情報に踊らされていたんですね。実態のない資産バブルが崩壊し、「財テク」と聞けば、失敗、破綻、破滅、投機、ギャンブルって言葉をイメージするのも頷けます。
「資産形成」時代の到来
そして今、私たちは「財テク」ではなく「資産形成」という言葉を使います。この違いは、単なる言い換えなく、お金との向き合い方そのものが変わったと感じています。
現代の資産形成は、「儲け」よりも「目的」を大切にします。つまり、人生の目的を念頭にした上で、お金を手段に置くってことです。

財テクと言われた頃は、儲けを目的にしていたんですよね。だから、バブルがはじけちゃったのかな。
資産形成の目的がはっきりすればするほど、手段は簡単になります。
税制優遇のために、NISAやiDeCoを活用したり、
時間を味方に、長期・分散・積立で増やしたり、
リスクを理解し、自分の人生設計に合わせて調整することができます。ここでは、運や情報の早さではなく、知識と判断力が価値になります。短期的に儲けるよりも、人生全体を見据えて「お金とどう付き合うか」が問われる。まさに、テクニックからリテラシーへと時代がシフトしたのですね。

「財テク」は欲、「資産形成」は考え方
「財テク」時代は、お金に支配される生き方でした。
「資産形成」時代は、お金を支配する生き方です。
この違いはでかいと思いますよ。
財テクは「何に投資すれば儲かるか?」という問いでしたが、資産形成は「なぜ、どのように、投資するか?」という問いに変わりました。つまり、お金が主役だった時代から、自分が主役の時代へと進化したのですから。
そして、今の時代の資産形成は「幸せのための手段」です。FIRE(Financial Independence, Retire Early、経済的自立と早期リタイア)もその延長です。働いて、貯蓄して、投資をするのは、人生のプランニングの一部です。資産形成とは、儲け話ではなく、生き方の選択なんですよ。
過去の経験をもとに
振り返れば、財テク時代があったからこそ、今の健全な金融教育があるのかもしれません。あの時代の失敗が、人々に「リスクとは何か」「お金の怖さとは何か」を教えてくれました。
だからこそ、今の私たちは冷静に、長期的に、着実に資産を育てることができる。そう思うと、財テクも痛みを伴う経験値アップだったのかもしれませんね。
バブルのころは、「賢くやれば儲かる」と信じられてました。今の時代は、「賢く生きれば、お金もついてくる」と考えます。同じ賢さでも、方向性がまるで違います。
テクニックを競う時代ではなくなりましたね。情報も一部の人だけのものではなくなります。日本人全員が投資家になれる時代になりました。これからは、自分の人生の目的を叶えるために、お金をどう生かすかを考える時代です。
「財テク」ではなく、「人生のデザイン」としての資産形成です。
◇ ◇ ◇
と、ここまで書いてきましたが、この内容は、投資をしている人にしか届かないことでしょう。近年、株価が安定して上がっています。人生を設計するための投資の意味が理解いただける人は、金融リテラシーがある人です。
まだ日本人は投資をしている人が少ないので、今日の内容は理解いただけない人ばかりだと思います。
残念ながら、投資をされてない方からは、いまだに「財テク」です。
短期的な儲け話とか、
すぐ上がる株を教えて〜とか、
ギャンブルで勝てるネタを教えてくれ〜とか、
悲痛な叫びに聞こえます。
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