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久米宏さんが遺した「日本人の欠陥」という言葉。空気を読む社会で、嫌われる勇気を持つこと。

久米宏さんが亡くなられました。

ニュースを聞いた瞬間、思い出したのは、華やかな『ザ・ベストテン』の早口な司会ぶりと、それとは対照的に、冷静に振る舞いながらも、どこか楽しげに世の中を斬っていた『ニュースステーション』での姿でした。

私にとって『ニュースステーション』は、唯一見るニュース番組でした。全く、全くニュースに興味がなかった私に、ニュースが面白いと感じさせてくれました。

当時の日本社会には独特の閉塞感がありました。横並びで空気を読みまくり、上の者にはヘラヘラと愛想笑いを浮かべ、決して自分の意見を言わない人たち。会議室でも飲み会でも、正解を探り合い、本音を押し殺すことが大人の振る舞いとされていました。当時じゃなくても、今もそうですけどね。

そんな時代に、久米さんは明らかに変わったキャラクターでした。

キャスターという立場でありながら、個人的な主観を交え、時には怒り、時には呆れ、視聴者が「言いたくても言えないこと」を代弁してくれました。その姿には痛快さがありました。



「みんなで同じ方向を向く」という日本人の欠陥

インタビューで久米さんは日本人の国民性について、痛烈な指摘を残しています。

「やっぱり日本人の1つの欠陥というのは、みんなで同じ方向に向くというのが、まだまだあると思うんですよ」

この言葉は、今の日本社会にもそのまま、いや、さらに増しているのかとさえ思います。

何か一つの不祥事があれば、全員で袋叩きにする。誰かが右を向けば、思考停止して全員が右を向く。そこには個人の意見はなく、あるのは世間という名の空気だけな気がします。

久米さんは、そんな空気に抗い続けていた印象があります。

「久米宏のような一介のタレントがこれだけのことを言うのか。だったらもっと俺も言ってやろう。じゃあ俺ももっと言ってやろうと」

「あいつも言うんだ。俺も言おう。あいつはこうだ、俺はこうだということで見てほしいんですね、それで僕は言っているんです」

彼は、自分が叩かれる役になることで、視聴者に勇気を与えようとしていたのではないのかな。

私は当時、同調圧力の存在も意識しないくらい、みんなに合わせていた没個性でした。久米さんは、そんな私に、内面に眠る個性を、もっと前に出してもいいんだよと、押し上げてくれるパワーが今思うとあったんです。

彼は単なるニュースキャスターではなく、日本人の意識を変革しようとした先駆者だったのかもしれません。


SNS時代の到来と事実を言うことの難しさ

久米さんがテレビというマスメディアで戦っていた時代から時は流れ、私たちはSNSという個人の発信ツールを手に入れました。

建前上は、誰もが自由に意見を言える時代になったはずです。しかし、現実はどうなのかな。

発言できる場は増えましたが、空気を読む気質は驚くほど変わってない気がします。むしろ、可視化された相互監視の中で、同調圧力はより強くなっているのかも知れません。

私自身、社内での会議中に、この壁に何度もぶつかってきました。

絶対に嘘はつかず、ただ淡々と事実を話しただけなのに、人を傷つけたと言われ、訳のわからない批判を浴びた経験が何度もあります。

事実には力があります。だからこそ、その事実によって隠しておきたかった矛盾や欺瞞を暴かれた人たちは、感情的に反発します。「なぜ、それを言うんだ」「黙っていれば丸く収まるのに」って口に出さないセリフを言いたい人から、私は攻撃を何度も受けました。

事実なんだから私が追い目を感じる必要などないはずです。事実を事実として語ることが許されない会社や社会は、どこか狂っています。まさに狂気の沙汰です。常識とか空気とかは、目に見えないし、字に書き起こせません。そんな得体の知れないものが、まかり通っているのが、この国の現状なのかもしれませんね。

久米さんもきっと、数え切れないほどの批判や圧力を受けてきたはず。それでも彼がマイクの前で語り続けたのは、誰かが「王様は裸だ」と言わなければ、この国は永遠に変わらないと知っていたからでしょう。


嫌われることを恐れず「個」として生きる

久米さんの訃報に触れ、改めて思います。

彼のニュースや主観的なコメントは、会社組織や地域社会の中で、言いたいことを飲み込み続けてきた私たちへの変革のチャンスを提供してくれていたのかも知れませんね。

「あいつはこうだ、俺はこうだ」

意見が違うことは、争いではなく、健全な社会の証です。

みんなが同じ方向を向く必要なんてない。バラバラで、そして一人一人を尊重すればいいと思うんです。私は幸い、アメリカ資本の会社で働きました。異なる意見こそが価値がある風土の経験が、今の自分の土台になっています。そんなダイバーシティを体験できたので、変革させてもらえました。しかし、昭和型の社風の社員たちは、いまだに、昭和のままなのでしょうね。

久米さん、長い間、本当にお疲れ様でした。

好意を込めて、久米さんの発言は毒舌だったと思います。友人たちから、私の発言を「まこ毒」なんて呼ばれてますが、久米さんの毒に比べれば可愛いものです。

でも、この毒が誰かの解毒剤になればいいなと、本気で思っていますよ。そして、「まこ毒」と言われるなら、素直に自分の思いがアウトプットできている証拠かなと嬉しく思います。

さようなら、久米宏さん、ご冥福をお祈りします。
ありがとうございました。


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まこさん NPO法人DaredemoHeroへ寄付します。 私の人生に大きな転機となった団体で里親支援を続けています。 子どもたちの教育資金に活用させていただきます。あなたのチップをお届けします。ご協力お願いします! ホームページ→ https://daredemohero.com